(前回からのつづき)
旧東海道、掛川以西の宿泊について、掛川、浜松、豊橋のうちどこが有利かというところで途中になっておりました。
どの町も、ビジネスホテルは多数存在します。
ただし、掛川と浜松は駅構内と直結した、すなわち、部屋から改札口まで傘をささずにゆけるホテルはありません。
掛川は駅前ロータリーに面したホテルはあるので、畳んだまま駅まではゆけますが、前回指摘した通り、3駅の中で唯一ひかり号は停車しません。
また浜松駅は、ペデストリアンデッキ(屋根付き)にてつながっているホテルはあるものの、駅構内とは道路を隔てていますし、シティホテルなので宿泊料金も高いのです。
これに対して、豊橋駅は駅構内にJR東海直営のホテル(アソシア)があり、横断歩道とエスカレーターで駅構内と隣接している私鉄系ホテル(豊鉄ターミナルホテル)があります。
次にそれぞれの駅の在来線の始発電車についてみてみましょう。
掛川駅は、ここを拠点にすると場合、毎回西へ、距離が延びるほどに遠くまで電車に乗って前回終了地点へ行ってから、つづきをするわけです。
当駅始発列車が無く(天竜浜名湖鉄道は旧東海道に沿っていないので除いています)、出発時刻も遅めなので、ひかり号が停車しないこと、駅直結のホテルもないこととあわせて、除外した方がよいでしょう。
前にエコパで開催されるブロンプトン・チャンピオンシップのために宿泊したことがあるのですが、夕食場所は飲み屋さんが多く、街の規模が宿泊には小さすぎる気がしました。
浜松は市の規模が大きいため、食べるところに困らないのですが、東海道本線下り列車の出発時刻が遅いのが気になります。
また、豊橋止まりではなく米原直通ではありますが、豊橋から西、名古屋に近い笠寺あたりまでの旧東海道は、名鉄本線沿線となるので、そこまで行こうとしたら豊橋で名鉄線に乗り換えねばなりません。
また、手ごろなビジネスホテルに駅直近の施設が少ないことも不利です。
歩いているときには一日当たりの距離が伸ばせなかったので、旧東海道沿いで駅から1㎞離れた大浴場付きのビジネスホテルに宿泊しましたが、真冬だったため早朝の駅までの道は暗く、寒くて辛いのでした。
以上を勘案しますと、旧東海道折りたたみ自転車散策には豊橋駅がもっとも有利です。
たとえ1日目の旅程で掛川宿から吉田宿(豊橋市)の間を一日で走り切れなくても、翌日東へ戻るのに始発列車が早くて助かります。
また、西へ向かうにも名鉄線の始発駅でもあるので便利です。
もし、3連休を利用するのであれば、1日目を掛川宿~新居宿、2日目を新居宿~藤川宿、最終日を藤川宿~宮宿にしておけば、帰りは名古屋からのぞみ号で帰宅でき、次回も名古屋まで下り一番ののぞみ号で来てから、旧東海道の旅を続けることが可能です。
昔ヨーロッパで西から東へ移動する際、朝の4時とか5時台の特急(欧州のターミナル駅は24時間あちこちへの列車が出てゆくイメージでした)に乗るのに、ホテルインターシティ(ドイツでは都市間特急をまんまで呼んでいました)という、駅直結のホテルを利用したことを思いだしました。
そういうホテルは心得たもので、サービスも無駄なく素早かったのです。
ということで、私は徒歩旅行の時は豊鉄ターミナルホテルを、ブロンプトンでの旅の際は、
ホテルアソシア豊橋を利用してみました。
後者は宿泊料金が少し高いのですが、早期予約割引を使うなどして差額を抑えて宿泊しました。
実際に宿泊してみると、駅の構内に泊まるのは価格以上の価値があると気が付きました。
なにせ、改札口が近いので早朝でも余裕をもって部屋を出ることができますし、一日自転車で日没まで走ってくたくたになり、旧街道沿いで夕食を済ませてから電車に乗って眠り込み、豊橋駅に着いたら再び走ることもなしにすぐ部屋に直行して、シャワーを浴びることができるのです。
経験はありませんが、駅直結のマンションに住んでいてブロンプトンが使えたなら、それは到着駅にて玄関先から走り出すような感覚になるわけで、便利なのだろうと思います。
これで駅の乗務員宿泊室にある、目覚ましベッド(時間がくると空気が膨らんで強制的に起こされる)が装備してあったら、言うことなしでした。
写真の時は、一日目は掛川から飯田線の小坂井駅で旅程を閉じ、二日目はより始発の早い東海道本線の下りで西小坂井駅まで行ってから、前日の終了地点まで戻りました。
その日は結局名鉄線の新安城駅まで走り、名古屋へ出てからのぞみで帰りました。
歩きでは一日当たりの距離を伸ばせませんから、そんなに効率よくはゆかないので、やはりブロンプトンで旧東海道を走った方が、はるかに効率はよくなります。
(その分見落としてしまうポイントも増えてしまいそうですが、前にご紹介した徒歩旅行用の旧街道ガイドブックを携行して、立ち寄るポイントをチェックしながら西へ向かえば、途中何も見なかったということはなくなると思います)
またこういう場合、ホテルにあらかじめ着替えとパソコンは宅急便で送っておいて、帰りもまた、出発早朝にフロントから自宅まで送り返しました。
そうすれば、両日とも荷物を持たず、小さなフロントバッグひとつで旧東海道を走れます。
往復の宅急便を使えば、送料はそれほどでもありません。
ノートパソコンをソフトケースに入れたうえで衣服にくるんで鞄にいれて送ったのは、その日見たことを、その日のうちにメモにしてしまうためです。
家に帰って写真を見ながらだと、細かいことを結構忘れてしまうのです。
説明版はコンデジで撮影し、昔の新聞記者みたいに、胸ポケットに手帳と筆記具、或いはPDA(懐かしい)を仕込んで、感じたことや思ったことを書き留めたこともあったのですが、それは部屋へ帰ってパソコンに向った時の作業が煩雑になるので、やめにしました。
キーボードを叩きながら、机に伏して寝入ってしまったこともありましたが、寝酒も要らずに健康的だと思います。
なお、旧東海道の旅の経験則で、ホテルのテレビを観るとか、Wi-Fiにつないでネット動画を見ると、寝つきが悪くなるので控えましょう。
ネットは翌日の気象情報や、旧東海道の沿道情報を調べるだけに留めて置き、やはり鞄にしのばせて送った読みかけの推理小説でも読んだ方が、深く眠ることができます。
あ、今度は旅のお供に持ってゆく本について、書いてみようかなと思います。