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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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雨の日の渋谷駅乗換

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雨が降ったりやんだりの梅雨の日、吉祥寺へゆくために渋谷駅で乗り換えました。
東横線が副都心線と相互乗り入れを開始してホームが地下深く潜って以来、渋谷駅での乗り換えは面倒になりました。
銀座線に乗り換えるにしても、以前は階段を登ればすぐホームだったのに、いまはぐるぐるとらせん状に五階分ものぼらねばなりません。
渋谷駅から銀座線に乗りかえるのは、始発駅だから次の電車を待てば確実に座れるのに、東横線・副都心線ホームから比較的近い、新玉川線・半蔵門線ホームへ移動して表参道へゆき、そこでホームお向かいにくる銀座線に乗り換える人が増えたというのも、無理からぬ気がします。
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この日は吉祥寺へゆくために、東横線から井の頭線への乗り換えです。
意外なことに、副都心線というのはJR中央線、地下鉄東西線との乗換駅がないのです。
ですから、副都心線沿線から乗り換え1回でJRの吉祥寺駅へ向かうことは不可能です。
東横線の横浜方面からなら渋谷駅で井の頭線に乗り換えた方が、時間的にも経済的にも断然早いのです。
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でも池袋やそれ以西の副都心線沿線の人たちは、井の頭線のようなショートカットはありませんから、池袋でJRに乗り換え、新宿でまた中央線に乗り換えねばなりません。
環七や環八に地下鉄、もとい路面電車かモノレールを走らせてくれると、すごく助かるのですが。
高速道路のインターやランプをつくるのに猛烈な反対運動をしているといわれる沿道の人たちは、路面電車の線路を敷くからセットバックしてくれと頼んだら、応じてくれるのでしょうか。
少なくとも、環境には優しいと思うのですが。
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ブロンプトンで走れるのなら、渋谷まで行かなくても一つ手前の代官山駅で下車し、旧山手通りを北へ走って南平台交差点の先から路地へ入って神泉駅へ出た方が、渋谷駅で乗り換えるよりも早い列車に乗り換えられると思います。
両駅ともホームは掘割やトンネルの中にありますが、駅舎は地上駅ですから、地下鉄に比べて、ブロンプトンをたたむ場所からホームまでのアクセスが、格段に簡単で距離も短いのです。
それに、人の多い渋谷の街をショートカットするだけで、こんなに違うのかと思うほどに気が楽です。
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ところが、この日家から駅までは降っていなかったのでブロンプトンで問題なく走れたのに、多摩川を渡って中目黒付近まできたときには本降りになっていました。
代官山駅でいったん降りてはみたものの、とても自転車で走れるような空ではないと判断し、次の電車で渋谷駅までやってまいりました。
なお、たとえ渋谷駅で乗り換えるにしても、宮益坂下交差点に出てブロンプトンを展開し、ハチ公前交差点を走り抜けて、マークシティ下まで乗りつけてしまった方が、たたんだブロンプトンを曳いてゆくのより速くて楽なのですが、こう雨に降られては、それもかないません。
しかたなく、たたんだブロンプトンを曳いて地下道をゆくことにしましたが、こういう日に限ってフロントキャリア兼把手を家の玄関に外したまま出てきたことに気が付くのでした。
こうなったら、コロコロを使って曳くこともできないので、サドル部分を持ちあげて、ひたすら歩くしかありません。
さいわい、祝祭日の朝なので、平日と違って人通りも少ないでしょう。
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ところが、久しぶりに持ち歩きしてみると、思っていたよりはるかに重く感じます。
「渋谷ちかみち」と名付けられた地下道には、目指す出口までの距離が表示してあるのですが、その遠く感じること…。
昔は、たとえ動かなくなっても自分の力で道の端に寄せられる乗り物にしか、人は乗ることができませんでした。
オートバイだって、教習所で倒れたバイクが引きおこせねば、次の単元に進めず、免許もとれませんでしたし、林道へ行ってもし転んで倒したバイクを引き起こして再スタートさせることができなければ、ヘタをすると国内でも命の危険にさらされます。
自動車だって、スバル360くらいの車であれば、平地で少しの距離なら一人で押し歩いて移動することも可能でした。
ところが、現在自家用車に乗っていて、たとえ道の真ん中で故障して止まっても、その車を路肩に移動することさえかないません。
あり余る力を得て、車で乱暴な運転をする人は、それが機械の生み出す力であって、自分の力ではないということに、本当の意味で気が付いているのでしょうか。
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たぶん、持ち歩いて移動する体力と身体の筋肉、そして気力がなくなった時が、ブロンプトンを乗り納めるときなのだろうなと想像しながら、所々で休みつつ、腕をトントンとたたいては、ブロンプトンを持ち直して歩きます。
こういうとき、なぜか子ども時代の記憶がよみがえります。
地下鉄は銀座線しかなかった昔の渋谷駅に、地下道はありませんでした。
東急東横店1階、東横のれん街の前に、通路はありましたが、そこでは外国人のヒッピーみたいな恰好をした若者が、布を広げてそのうえで怪しげなアクセサリーを販売していました。
あの人たちはユダヤ人で、兵役前に彼らはあのように商売をしながら世界中を旅してまわり、見聞を広めてから徴兵に応じるのだときいたことがあります。
小学生の私には、ユダヤ人もアメリカ人も区別がつきませんから、彼らの格好から「あやしい」と感じていただけですけれど。
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結局東横線の電車を降りてから、出発待ちの井の頭線電車に乗るまで、Door to doorで18分もかかってしまいました。
終着の吉祥寺駅も同じですが、終端式ホームの井の頭線は、昔の東横線ホームを彷彿とさせ、どこかに懐かしさを漂わせています。
鉄道会社の都合で相互乗り入ればかりがもてはやされる昨今ですが、本来の終着駅というのは、改札の向こうに電車が並んでいるものだと思います。
そして井の頭線急行が発車すると、なんとたった17分で吉祥寺に到着してしまいました。
神泉から乗ると必然的に各駅停車になるので、「井の頭線って路面電車並みに駅間距離が近いな」という印象をもっていたのですが、急行が通しでこんなに早いとは知りませなんだ。
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(すごい、木枠の引き戸です)

吉祥寺と渋谷に共通する若者気質は、ひょっとしたら井の頭線沿線住民が基盤になっているのかもしれませんね。
渋谷駅での乗換時間より、井の頭線の乗車時間の方が短いとは、ブロンプトンを所有してから「エクストリーム乗り換え」が楽しい要因は、昔より煩雑になってしまった駅での移動にあるのかと思った次第です。
これなら雨があがった帰りこそ、井の頭線を池ノ上か駒場東大前で下車し、東横線の学芸大学駅か祐天寺駅まで走るブロンプトンならではの乗り換え業をしようかなと思ったのですが、いやいや、家まで走る方がカロリーは消費されると、例によって2時間かけて走って帰宅したのでした。
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(みそ汁のことを御御御付=おみおつけ、漬物のことを御香々=おこうこう、と呼ぶ人がどれくらいいるでしょう)

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