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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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リュウゼツランの花を空撮してみました

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リュウゼツランの花を空撮して、真上に近い位置から写真撮影してもらいました。
鎌倉市は市街地なので、たとえ私有地内であってそこの土地所有者の承諾があっても、自由にドローンを飛ばすことはかないません。
そこで、ドローン情報基盤システムから飛行許可申請を行い、10日から2週間ほどかけて許可が出てから撮影しました。
よく、「あれで花は咲いたのですか」「花冠の中はどうなっているのですか」と訊かれていたのですが、正直見たことないから分かりませんとしか答えられなかったものですから。
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リュウゼツランの中でも、葉に筋や斑の模様がない種を「アオノリュウゼツラン」と呼ぶのですが、この青蓮寺のものは、間違いなく「アオノリュウゼツラン」です。
また、リュウゼツラン属の総称、および学名はアガベ(Agave)ですが、これはギリシャ神話に登場する女性の名前からきています。
ギリシャ神話は紀元前15世紀ごろから数世紀にわたって口承されたものが、前8世紀ごろに文字として記録されたものです。
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プラトンの本を読んでいると、ホメーロスの叙事詩「イーリアス」(有名なシュリーマンの伝記「古代への情熱」の発掘対象である、トロイア戦争についても記されているお話です)がよく引き合いに出されるため、高校生の頃に読んでみたのですが、浮気、嫉妬、狂気、殺人など当たり前の世界なのに、もの凄く退屈でした。
いまなら、のちの文化への影響という点を踏まえて読むのですが、その時はただ字面を追っていただけですから。
アガベの元となったギリシャ神話に登場するアガウエーも、ハルモニアーの子ども、兄弟に主神ゼウスの愛人がいるというだけで、この植物との関係はなさそうです。
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ところでこの撮影をしている間も、ハナアブやハナバチとおぼしき虫が、ひっきりなしに花弁に潜り込んでは、また移っての飛翔を繰り返していました。
近接して飛ぶドローンは、まるで彼らの親分のようにも見えましたが、虫たちは全く無反応で、花の蜜に夢中のようでした。
下から眺めていると、ときおり蜜が雫となって落ちいます。
葉には筋になるほどの蜜がついて、そこへ蟻がきています。
彼らもまた忙しそうにしています。
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こうして真上から見たのでは、下から見上げるのとは全然違う花に見えます。
考えてみると、私たち人間は普段花をうえから見下ろすことはあっても、下から見上げるということは滅多にありません。
桜に代表される背の高い樹木の花であっても、高いところに咲いている花もあれば、人間が見下ろせる位置に咲いている花もありますから。
それに、これだけ大きく重そうな花は、巨人にでもならない限り手折ることはできません。
草本に分類されるリュウゼツランの花を下から仰ぎ見ていると、タンポポなどの花も、小人になって見上げたらこんな感じなのだろうかと感じていました。
反対に、このように上から俯瞰した花冠は、羽虫や鳥からはこう見えているということなのでしょう。
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下の方から咲き始め、頭頂部へと開花が移っている様子がよくわかると思います。
自分の見立てを書けば、蕾は和菓子のようですし、終わりかけた花はかた焼きそばの麺みたいだと、花を食べ物にたとえてしまうところはこの花もやはりです。
テレビ放送によると、観た人は幸運に恵まれる(そういえば、どことなく幸福の黄色いハンカチのラストシーンに見えなくもないですから、健さんごっこができるかも)そうなので、鎌倉にお立ち寄りの際はぜひご覧ください。
おそらくは7月第二週くらいまでの寿命かと思われます。
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