以前、ガーミンという米国のGPS機器メーカーの、自転車用ナビ(Edge 800j)をご紹介しました。
けれども、とても高価でなかなか気軽に手が出ません。
今は後継機種(820J)が出て、多少は安くなったものの、さらなる上位機種(1030)も、発売されています。
けれども、これらEdgeシリーズは、主用途がトレーニングを目的としたサイクルコンピュータなのです。
ナビはどちらかというと、副次的機能。
しかしナビゲーションについて、機能面や精度面において不満があるかといえば、そんなことは決してありません。
難をいえば、画面が小さくて見えづらいことくらいです。
しかし、ブロンプトンでのポタリングに関していえば、土地勘の全く無い街へいきなり電車やバスで降りたって、どちらへ向かってどの道を走ったらよいか分からないわけです。
いや、バスや電車なら、まだ乗車中の車窓から推測することもできるのです。
飛行機などではじめての空港へ降り立ったとして、ターミナルビルの前でブロンプトンを展開し、さてどちらへ行ったものかと悩むとき、着陸時に搭乗機の小窓から覗いた空港の様子なんて、まったく参考になりません。
それに、成田や羽田の空港に自転車で行ってみようと思えばわかることですが、空港は大きな規模になればなるほど、徒歩や自転車で空港を訪れる客のことは殆ど考えていません。
東京国際空港(羽田)なんて、去年の暮れ近くになってようやく駐輪場の運用を開始したところです。
空港にしろ、駅にしろ、初めての街ではあらかじめルートを作成しておき、それに従って走行するのがもっとも確実だと思われます。
しかし、ナビは高価すぎて手が出ない、というか、たとえ入手できても折りたたみ自転車で何度も着脱するうちに紛失したら泣くに泣けないという結果に終わります。
そこで、スマートフォンにナビを代用させてみるというのが、今回の趣旨です。
スマホだって、紛失させればサイコン以上に困ったことになります。
電話できなくなりますからね。
しかし、それだけに取り扱いには慎重にならざるを得なくなるとも思われます。
さて、自分の場合スマホは電話とネットが必要な時だけできればよいというスタンスなので、いまだにiPhne5を使用しています。
今後遅かれ早かれアプリが対応不可で作動しなくなるかもしれませんが、大きさはむしろ自転車ナビとしてはちょうど良いので、重宝しています。
これが最新のスマホだと、ブロンプトンのハンドルに取り付けるにはちょっと大きすぎるような気がしますから。
普通の自転車にタブレットつけて走行している人を見かけたことあるのですが、わき見運転にならなければいいなと思うレベルでした。
まず用意するのは、MINOURAという自転車部品メーカーのスマートフォンホルダーです。
iH-220-Sという商品なのですが、iPhone8 Plusも適用可能とパッケージには書いてあります。
最後のSはSサイズという意味で、当然にMもあるのですが、これはスマートフォンの大きさではなく、取り付ける自転車のハンドルバーの径についてのサイズです。
ブロンプトンは、当然に細いのでS Size(22-29mm)の方です。
(横着してケースごとホルダーに固定していましたが、いちど落下したのでいまはやっていません)
さてさっそく取り付けてみましょう。
私は新宿西口のヨドバシカメラで購入し、そのまま試験使用してみるつもりでした。
まず、本体を電話機に合わせるために、小型のプラスドライバーが必要です。
(お店で借りました)
ドライバーを使用して二カ所のネジを外し、縦の長さをお持ちのスマートフォンに合わせます。
合わせたら、外したネジを留めてから、本体と角度調整板、クランプを皿ボルトで貫通して締め付けます。
横を脇から締め付けるためのフックも、厚手のスマートフォン用と薄手のもの用に2種類ついているので、必要であれば取り替えます。
(iPhone5は交換不要でした)
これで本体側の造作はおしまい。
次に自転車への取り付けです。
Mハンドルに取り付ける場合は、ステムとの接合部の右側にクランプで締め付けて固定します。
クランプを取り付ける前に、ハンドルバーにビニール製の傷防止テープと樹脂製のブラケットをハンドルに巻き付けます。
2種類のうち、ビニール製のテープはホームセンターなどで販売している平板のゴム素材で代用可能ですが、樹脂製のブラケットは代用できないのでなくさないようにしましょう。
というのも、スマートフォンホルダーを取り付けたままの状態で、ブロンプトンを折りたたむことは可能ですが、曳いている際に何かにぶつけてしまうとホルダーが壊れてしまうので、自転車をたたむたびにホルダーも着脱せねばならないのです。
大きいホルダーは大丈夫ですが、ハンドルに巻き付けただけの樹脂製ブラケットは、紛失しやすいものですから。
さて、傷防止用のテープの上に樹脂製のブラケットを重ねてハンドルに巻き付けた状態で、クランプを噛ませて締め付けます。
クランプ側にも締め付けるためのネジがありますので、かなりがっちりと着きます。
スマートフォンを取り付けて電源を入れ、自分で作成したルートラボのルートを表示させ、自車位置と連動させればナビの出来上がりです。
ガーミンのケースと違い、専用アプリからナビ本体にダウンロードして、表示させる手間もかかりません。
またフロントバッグにスマートフォン用のモバイルバッテリーをしのばせておいて、そこからコードをつないで給電することも可能ですから、電池切れの心配もありません。
これで新宿駅から全く走ったことのない西武新宿線沿線を北西に向かって輪行したのですが、所沢まで行ってもまったく問題がありませんでした。
走っているうちに振動で少しずつクランプが手前に回転する傾向がありましたが、それもハンドル上のブレーキワイヤーがちょうどよい具合に干渉して、抑え込まれておりました。
ナビを余分に持たないという点でいえば、ガーミンやSONY製の自転車専用ナビをブロンプトンと一緒に連れてゆくよりも、手軽だと思います。
ただ前述したとおり、ホルダーやブラケットはなくさないよう、長期輪行中は管理が必要ですし、ガーミンと違って海外ではルートラボとは別のアプリケーション(グーグルマップ等)を使った方が良いと思いますので、今度は同じ方法で、ルートラボ作成データをグーグルマップ上に表示させて走行してみたいと思います。