(平成30年大晦日のリュウゼツラン この時点でマストは出ていません)
リュウゼツランはメキシコが原産国の単子葉植物で、学名をアガヴェ(Agave=ギリシャ神話に登場する女性)といいます。
普段は大きな棘付き子葉がロゼット状に広がっていて、その棘の鋭さから、中心部がどうなっているのかわかりません。
日本であれば三十年から五十年ほどその状態で、子葉に養分を蓄えると、あるとき「マスト」と呼ばれる花茎が伸びはじめます。
二か月ほどで花茎は大きいもので10mほどにまで伸び、一生に一度の数千の花を咲かせた後に枯死するといいます。
今年4月20日(土)に正御影供があったのですが、その時点でご覧の通りマストが2m以上にまで伸びていました。
しかし、この時点では誰も気づかず、翌日に外国から帰省していたお寺の家族が気付いたそうです。
たまに会う人の方が、変化に気付きやすいのと同じです。
私も言われて見た時は巨大なアスパラガスがいつのまにか登場していると思ったのですが、それから一日10㎝くらいずつ、どんどん伸びてお隣の供養塔を追い越し、5月25日の時点でお隣のお堂(寶積院)の屋根の上に載っている擬宝珠の基部位(4mほど)にまで背が伸びています。
このままゆくと、お堂のてっぺんよりさらに高く伸びてゆくようで、まるでジャックと豆の木状態、しかし、登って行っても巨人はいないでしょう(笑)
それにしても、三十年もかけて一生に一度の花を咲かせ、そして死んでしまうなんて、桜よりも潔いというか、儚いというか、日本人の感性には合っているような気がします。
つまりは、平成の間をかけて貯めた養分を一気に使って令和の頭に花を咲かせて散るわけでしょう。
まさに平成魂じゃないですか。
そして花茎や花には大量の糖化液が転流し、食用として用いられるそうで、GI値の低い健康的な甘味料になるらしいとのこと。
ただし、リュウゼツランをクックパッドで検索しても、予想通り何も載っていませんでした。
そこで、原産国メキシコならリュウゼツランを食用に生産(暖かいメキシコでは発芽から平均12年で開花を迎えるそうです)しているからと、“México comida maguey”(スペイン語で「メキシコ」「料理」「リュウゼツラン」)で画像検索をかけると、なんかながーくてこんがり焼けた芋虫のつけ合わせに、リュウゼツランをきざんだと思しき緑のペーストがプレートにのっているではありませんか。
しかも、トルティーヤに挟んで食べるタイプの画像も大量に…。
こ、これはまさかメスカル酒の中に入っているワーム(虫)ではないでしょうか。
と思って調べると、そもそもメスカル自体がリュウゼツランから作られているのだそうな。
いやぁ、蜂の子なら小さくて目をつってカシューナッツだと思えば何とかなるけれど、このワームは大人の人差し指や薬指以上の太さや長さがあって、ちょっと無理です。
まずアガベシロップとして瓶詰の液体で売っているものを使うのが無難でしょう。
但し、シロップは血糖値に対する負荷は低いものの、果糖濃度は高いので、摂りすぎは太りますよ。
なお、鎌倉のお寺には珍しく、青蓮寺には参詣者用の駐車場が余裕をもってあります。
しかし、せっかく交通の便が良いとは言えず、観光的には未開拓の鎌倉西部です。
このブログはブロンプトンで行くことを想定しているので、大船駅から江の島を結ぶ折り畳み自転車用のコースを掲載しておきます。
ひと山越えれば腰越に抜けられ、鎌倉五口のうち山側の朝比奈、小袋谷、大仏切通よりも坂道がゆるいので、遠回りしてもあまり坂を登らずに自転車で鎌倉へ入りたい場合、このルートを抜けた後に稲村ヶ崎か極楽寺切通しを通って鎌倉に入ることをお勧めします。
また、東京方面へ帰るのなら、以前このブログでご紹介したように、鎌倉からではなく、逗子、または新逗子まで自転車で走って、始発電車に乗って帰宅することをお勧めします。
京急の方がJRよりも早くて安いことは、地元の人ならみな知っています。
(令和元年5月23日 21日の風雨にはびくともせず。背丈は供養塔を追い抜きました。蕾の数も増えています)
そして、青蓮寺のご本尊は鎖大師と呼ばれる弘法大師像(普段は非公開)です。
鎌倉時代の実物の人間よりもやや大きい木像で、御衣と呼ばれる衣服を着せ替えられるように裸像の足の付け根が鎖状になっていて、可動します。
かつては足が動くということで、関節の病に霊験があるといわれたそうです。
自転車乗りは、いつまでも足が動いてほしいですよね。
脚守りとして、お守りはいかがでしょうか。
明治の昔に木像が自分で歩いたなんて伝説があるくらいですから、私は「健脚大師」とか「伏知らず大師」「テクパタ大師(二番煎じ)」なんて名前で売りだしたらいいのにと思っています。
ああ、異教徒の私がそう呼んでも説得力ないですかね(笑)
これは鎌倉のお寺を専門に撮影してるカメラマンさんから注意されることなのですが、寺院は教会や神社同様に信仰の場です。
写真だけ撮って「ハイ、サヨウナラ」では、マナー違反になります。
境内に入ったなら、最低でも本堂前で脱帽のうえ合掌・黙とうしてください。
自分は無宗教だからとか、他宗派、他宗教だからとかは、関係ありません。
歳をとっても足が丈夫で動いてほしいという願いは、ウォーキングやランニングをされている方も同様だと思います。
そこで今回は特別に、極楽寺を起点に歩行者、ランナー用のコースも作ってみました。
途中に階段などがあるので、自転車よりもアップダウンがありますが、このコースは途中富士山がきれいに見える場所を2か所以上通っています。
天気の良い夕暮れなど、残照にシルエットとしてうかぶ富士と相模湾の湾曲は、とても美しいと思います。
また、両コースとも片瀬江ノ島を終着点にしたのは、その付近は鎌倉より素朴に食事のできる店が多いことと、小田急で新宿に帰る(630円)方が鎌倉からJRで帰る(920円)よりも300円近くもお得だからです。
江ノ島にはスパ(温泉)もありますから、ウォーキングでかいた汗を風呂で流し、海の幸とビールをいただいた後に、電車で寝て帰るなんて、渋滞を気にして車で帰るよりずっと気が楽ですから。
いつか改めて、これらのコースをご紹介しようと思います。
肝心な開花予想ですが、花期は7月といわれているものの、これまで根元に近くて大きく広がる葉を危険だからと切ってしまった過去があり、少し早まるのではないかと予想されます。
そして、開花すると1週間から10日ほどで結実に向かうということですから、本当に黄色い花が咲いたら、また改めてお知らせします。
(令和元年5月25日 念のため蕾と同じレベルからズームレンズで撮影しましたが、まだ開花していません)