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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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東急東横線沿線散歩:横浜~元町・中華街間をどうするか

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渋谷駅からひと駅ずつたどってきたこの旅も、横浜駅でいったん終了となりました。
これまで渋谷を含め、横浜駅までの21駅を50回以上にわたって順にご紹介してきたわけです。
最初の方で記述したとおり、東横線は山あり谷ありで駅間距離も短すぎず長すぎずと適度な運動には最適です。
全部立ち寄らなくても渋谷から横浜まで、ロードバイクで大山街道→山手通り→駒沢通り→環状七号→目黒通り→自由通り→中原街道→綱島街道→国道1号と大通りを通って東急東横線沿線をサイクリングするのではなく、ご紹介してきたように、旧道や路地裏をつなげて渋谷から横浜まで、ブロンプトンでゆっくり走るだけなら2時間半~3時間もあればじゅうぶんです。
ということは、乗りなれた人なら自転車で往復できる距離なのです。
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しかし、ブロンプトンで沿線散歩となれば、やはりあちこちを巡って目的地まで行きたいわけです。
ひたすら目的地を目指して遮二無二進むのは、スポーツタイプの自転車に任せておけばよいわけですから。
そして、目的地まで行ったら、鉄道の終着駅(乗るという意味では始点の駅)までゆきたいのです。
なぜなら、終点から乗れば必ず座れるという特典にあずかるからです。
都内から横浜まで自転車で走り、さいごは横浜で美味しい夕食を食べて、帰りは電車でぐっすり眠るというプランは、ブロンプトンで沿線旅行する醍醐味です。
帰りも自転車を漕いで帰るとなったら、憂鬱になって夕食どころではありませんから。
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ということで、いまは始発駅ではなくなってしまった横浜駅を東横線沿線旅の目的地にしてしまっては、片手落ちになってしまいますので、横浜駅と元町・中華街駅の間をブロンプトンでどう走ったらよいかについて、考えてみたいと思います。
まずは、かつての東急東横線廃線跡に沿って進むケースです。
2004年の1月末日まで、東急東横線の終着駅は桜木町駅でした。
今でこそ桜木町はみなとみらいの玄関口ですが、その昔は中途半端な駅だったのです。
観光地としての横浜港の最寄り駅はその先の関内や石川町で、桜木町といえば野毛山動物園に行くか、紅葉坂の神奈川県立中央図書館に行くくらいしか使いませんでしたから。
その頃のみなとみらい地区といえば、造船所で東横線や根岸線の線路より海側は、一般人は入れないのでした。
しかし、桜木町駅自体は日本における鉄道発祥時の横浜駅でしたから、由緒はあったのです。
このパターンですと、桜木町と元町・中華街の間はどうするかということと、今は線路も途中駅もないところを走る形になり、しかも横浜駅西口からJR線や相鉄線をまたぐのに遠回りして渋滞の名所である平沼橋を渡らねばなりません。
明治の頃に利用されていた旧東海道から分岐する横浜道をたどるのにはよいのでしょうけれど、正直言ってあまり魅力がありません。
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では、現在東横線が直通するみなとみらい線に沿って走るというのはどうでしょう。
みなとみらい線は全線地下を走っているので、あまり鉄道線に沿って走る意味がありません。
地下鉄と地上を走る自転車では、途中から乗車しようにもアクセスがしにくいのと、地形的な制約の条件が全然違います。
都心であれば、山手線や上野東京ラインにブロンプトンによる沿線散歩は成立しても、地下鉄丸ノ内線や大江戸線では無理があります。
東京メトロの複数路線が乗り入れる駅(例:霞が関)であっても、地下ホームから地上までエスカレーターとエレベーターだけであがろうとすると、そんなに簡単ではないことは構内図をみればわかります。
正直言って、ブロンプトンによる沿線散歩で相性が良いのは、比較的古い時代に敷設された鉄道線であり、地下鉄や全線高架の新幹線など、トンネルや橋りょうの続く沿線は対象にならないのです。
地下鉄は特に、車窓展望がまったくききませんから、乗っていて途中下車というのはありません。
これがかつての路面電車だったら、状況は全く違うのですが。
ということで、この案もボツ。
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となれば、鉄道沿線で残るはJR根岸線に沿って石川町までゆき、そこから中華街または元町商店街へ出るパターンです。
しかし、こちらも横浜駅から桜木町駅の間は東横線廃線跡と同じことですし、桜木町と石川町の間は地図をみてもらえば分かりますが、JR根岸線の線路はほぼ「新横浜通り」という大通りに沿っています。
サラリーマン時代によくママチャリで走ったのですが、歩道が狭くて車道はバスや車がけっこうな速度で走る、自転車にはあまりよろしくない道なのです。
もうひとつは、横浜らしい景色がほとんどありません。
海は見えないし、歴史的な建物や史跡もほとんど港の側に集中しているため、わざわざよそから横浜にまで来て自転車で走る道ではないのです。
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ということで、鉄道沿線にこだわるのをやめて、横浜の地形を地図で観察してみましょう。
横浜港は東京湾から海が北西方向へと入りこむ小さな湾で、帷子川と大岡川は入り江になっていたというのは、前に書いたとおりです。
このうち、大岡川は河口から少し上流部にあたる横浜スタジアム、伊勢佐木町、大通り公園のあるあたり、中村川との間が入り海になっていて、いまのみなとみらい線の元町・中華街駅から馬車道駅にかけては、細長い砂州が伸びていました。
この砂州は、東京湾に対して横に伸びていたため、「横浜」の名がついたといいます。
いまその入り海部分はすべて埋め立てられて陸地になってしまいましたが、馬車道を南から北へと自転車で走ってみると、海を背にしているはずなのにわずかに下り坂になっていることに気がつきます。
これが砂州の名残で、本町通りのあるあたりは、南に並行しているJR根岸線付近よりも少し高くなっているのです。
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さて、南の根岸湾との間の山手や根岸の台地と埋立地の大黒埠頭とを半島に見立てれば、二つの突起に挟まれた横浜港は湾状になっていて、その一番奥にいまの横浜駅があります。
湾を扇のかなめに見立てれば、自転車にとっては海に近い場所ほど最短距離で横浜の街中のどこへでもアクセスが可能であり、海から離れれば離れるほど、街が放射状に広がっているうえに、台地が川と川の間にのびてきているために、山坂があって横移動がしづらくなります。
これは、函館や長崎など湾状の地形になっている港町には共通する性質です。
ですから、東横線に沿って渋谷方面から自転車で走ってきた場合、横浜港に近づいたらはやく海に近い道路に出て、弧の内側を移動した方が距離も短く、容易に山下公園や元町・中華街方面へと抜けることができるのです。
これは自動車でも同じことで、横浜の中心部を通り抜けるのならなるべく上手にみなとみらい大通りに出てしまい、関内や桜木町、横浜駅といった混雑個所を避けるのがスムーズなのです。
もっとも、自動車の場合ベイブリッジの下についている県道357号線(湾岸道路)を渡ってしまうのが、一番手っ取り早いわけですが、あそこは自転車は走れません。
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ということで、次回は東横線沿線散歩の延長で、横浜港臨海部をブロンプトンで通り抜け、町・中華街駅を目指します。

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