Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

異国の宗教に触れる若いお二人に寄り添って

アメリカ人の若いカップルを、ブロンプトンでご案内して参りました。
浪馬がお手伝いしている真言宗の寺院から、日蓮宗の龍口寺(りゅうこうじ)、江の島の奥津宮(おくつのみや)、稲村ケ崎、由比ガ浜、御霊神社、大仏、杉本寺と、大仏を除いて渋めのお寺を巡りました。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 1

お二人は、ヨーロッパ、オセアニア、アジアと回って日本に来ている教員だそうで、今回の来日はハネムーンの一環だそうです。
世界が近くなったとはいえ、なんと羨ましい新婚旅行をされているお二人なのか。

寺社を回る以上、最初に「何か信仰を持ってるか、宗教を信じていますか?」と訊いたのですが、特になにもないということでした。
最近はアメリカでも無宗教の人が増えているといいます。

お寺でも神社でも、祀られているものよりは、そこに参詣・参拝している人たちに興味津々な二人を見て、自分も二十代の頃はそうだったと思いました。
なぜあの人たちはあんなに熱心にお参りするのだろうと、不思議に思っていたのです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 2

いま、お寺のなかで作文することもある身からは、仏教って何だろう?と考え、そのための読書をする機会が増えています。
その時に、キリスト教という枠を当てはめてみて、あるいは逆に取り払ってみると仏教そのものがいきいきとリアルに感じられることがあります。

そもそもは、死ぬまでの宿題だと思っている悩みを抱えているから、キリスト教にその答えを求めているわけですが、彼ら同様、二十代のときのように、そのような課題を自覚していなければ、宗教というのは不思議なものではあるけれども、自分にはあまり関係ないと感じて当然だと思います。

それでも、私はこの年代になって宗教など他人事だとは思わなくなって、良かったと思っています。
人間の中には、一生そういうものとは無縁だという人もたくさんいると思います。
今のように、お金さえあればモノからサービスから何でも手に入る世の中になったら尚更でしょう。
また、学問としての宗教は修めても、何かを信じるということに関して言えば胡散臭さを感じて近寄りたくないという人もいることでしょう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 3

しかし、自分個人の悩みを除外しても、もし信仰を持つ人々に何も感じなかったとしたら、これだけあちこちを旅していきても、そこに生活を営んできた人々の歴史に、今ほどの興味を持つ事もなかったように思います。

まだ異国の宗教をより縁遠いものと思っている目の前のお二人も、教員ということであればなおさら、いつか「人間はなぜ生きるのか」を考えるときに、今日の経験が役に立つ日が来るかもしれません。
もちろん、来ないかもしれませんが、良しあしは彼らのきめることです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
イメージ 4

「このお寺の庭の美しさが素敵でした」「静かなたたずまいのなかに、何か奥深いものを感じました」そう感想を話すお二人に、心の中で“Vaya com Dios”と祈らずにはおられませんでした。
そして、どこかを案内するということも、実は人に教え、教わることと同じなのではないかと思いました。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

Trending Articles