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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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竹原の朝にブロンプトンをつれて

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尾道を朝一番の下り列車に乗って、やって参りました竹原駅。
なぜここへ来たかというと、観光地化されてしまった尾道に比べて、まだ交通の便が良くない分、昔の尾道のような雰囲気を残している竹原の方に、郷愁を求めたからです。
竹原はもとは荘園で、昭和の中ごろまでは塩の産地でした。
いまJR竹原駅の南西に広がっている田圃は、もとは塩田だったそうです。
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地図で見ると近そうに見えるこの2つの街の距離は、近いように思えますが、ブロンプトンのような小径車でのんびり走ったら半日で行けるかどうかという距離です。
(仮に歩いたなら、確実に一日かかります。)
もしもさざなみ海道を尾道から呉まで全線走ったなら、80kmありますからゆっくり走行の自転車なら往復は無理です。
JRで行っても、尾道~竹原間は途中徐行運転をするものの、50分かかりますから。
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この区間を自転車で走る場合は、尾道(東)から竹原・呉方向(西)に向かうことになります。
そうすれば左側通行でたえず海沿いを走ることになります。
晴れている日の瀬戸内は、海がキラキラと輝いて、しかもこの区間は国道のすぐ向こうは海という場面が多いので、自転車でゆっくり走っているととても幸福な気持ちになれます。
なお、季節ですが偏西風の強い冬場は避けましょう。
おすすめは天候が比較的安定していて暑くないゴールデン・ウィークか晩秋です。
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しかし、その時期に安売り切符はありません。
となると、JRや旅行会社がビジネスマン向けに売り出している新幹線+ホテルの出張プランがお勧めです。
おそらく、ビジネスホテルは10連休の間、シングルルームをどうやって埋めるか頭を悩ませているはずなので、そこを逆手にとるのです。
ただし、良い時間帯の新幹線は埋まるでしょうから、往復は早朝や午後いちなど乗車時間に工夫が必要です。
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交通費を節減する必要のない方は飛行機で新広島空港へ飛ぶとよいでしょう。
ターミナルビルの前でブロンプトンを展開し、左(西)方向へ走ってひとつめの交差点を左折し、正広トンネルで滑走路をくぐったら、県道49号線を右へ折れ、坂を下って葛子川に沿って国道432号線を下流方向へ走ってゆけば、おのずと竹橋市街に下ってゆけます。
(竹原駅まで16㎞。ジャンボタクシーなら25分)
ただ、この場合瀬戸内の海を眺めながら竹原に到着というわけにはゆきません。
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やはり入り方にこだわるのなら、新幹線で三原まで行って、そこから呉線で進行方向左側に席を陣取って向かった方が、良いのかもしれません。
東京発6時半の、のぞみ5号で岡山まで行き、後続のこだま735号に乗り継げば、三原には11時05分に到着しますので、三原11時30分(10時台は電車がありません)に乗り換えて竹原には12時06分に到着します。
(首都圏をそれより早い新幹線に乗って出ても、乗継ぎの呉線がないので、到着時間に変わりはありません)
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竹原の町並み保存地区までは、ブロンプトンなら10分とかかりません。
ここは私たちの年代だと、映画「時をかける少女」の舞台になったところです。
冒頭のスキー教室のシーンは、新潟県南魚沼市にある上越国際スキー場で、その後列車で学校へ帰るシーンはなぜか大糸線、そこからここ広島県の竹原にいきなり飛ぶので、撮影場所がわかってしまう自分としては、やれやれな映画でした。
もちろん、尾道三部作ですから尾道市内のカットも多数出てくるのですが、メインはこの竹原にある町並み保存地区です。

映画にはタイムトラベルやテレポーテーションの要素が入っているため、尾道三部作の中でも、異色な映画なのですが、公開当時の竹原は今よりも人口も多くて、当然高校生も多かったから違和感がありませんでした。
この保存地区もきれいになった今よりもずっと生活感があって、リアルでした。
また、前にバイクで訪ねた1980年代前半当時、現在のしまなみ海道の島々には因島大橋も多々羅大橋も架かっていなかったため、竹原港からは大三島や大崎上島などへ向かうフェリーが頻繁に往き来しており、竹原港もたいへん賑わっておりました。
竹原港からフェリーに乗ると、並行して航走する船が複数あって、まるで「二十四の瞳」のワンシーンのようでした。
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保存地区には映画の主人公のひとりが住んでいた造り醤油屋さんは健在でしたが、ヒロインの家に続くお寺(西方寺)の前の階段は、片側にあった家が取り壊されて更地になっていました。
いまこうしてかつてよりきれいになったのに、人が少なくなってしまった街を自転車で走っていると、却って映画のセットのような雰囲気でした。
真冬に行ったので、もう少し温かい時期ならもう少しひと気があるのかもしれません。


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