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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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東海道新幹線N700系グリーン車にブロンプトンをつれて(その2)

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今まで、東京近郊を走る普通電車のグリーン車についてはレポートしましたが、新幹線も含めて特急列車のグリーン車については初めてです。
まず、普通車との違いは3×2の5列ではなく、2×2の4列であること。
そしてN700系普通車は最も少ない1号車と11号車で13列、最も多いのが246121420列だというのは、名古屋乗り継ぎの際にご案内した通りです。
この図でゆくと、普通車は65人~100人分の座席数に対し、グリーン車は、64人~68人、中でも乗車人数が最も少ないのは9号車ということになります。
普通車でも短くて列数の少ない車両であれば、グリーン車とそう大差はつきません。
ただ、数字だけ見るとシートピッチは120㎜の差があります。
 
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この差について、ブロンプトンを置くのに活用できるかというと、実はそうでもないのです。
写真を見てもらえばわかりますが、グリーン車の床上には前のシートの後ろにフットレスト、つまり足置きがあるのです。
(因みにフットレストは和製英語ではなく、英語もFootrestです)
このフットレスト、完全に跳ね上がるか前席の座席下に収納されればよいのですが、そうはなっておりません。
なので、普通車でよく使われる車両最後尾のシート裏も、4つのフットレストが向かい合う形で並んでおり、荷物を置くのには邪魔になってしまっているのです。
グリーン車だからピッチが広くてゆったり置けるのではと想像していると、意外な伏兵に足元をすくわれます。
これじゃあfootrestではなくて、footrash(足のおでき)です。
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しかし、良い点もあります。
横幅(Width)が40㎜長くて480㎜あるのです。
ブロンプトンの横幅は600㎜ですから、シート幅では120㎜足りないではないかと思われるかもしれませんが、窓際の席であれば写真の通り幅においてぴったりと足元に収まってしまいます。
これはシートの窓側に50㎜+α、通路側席との間に50㎜ほどのひじ掛け部分に該当する幅スペースがあることによります。
実際に置いてみると、フットレストは邪魔をするものの、ブロンプトンを置いてもなお、足元には余裕があり、多少窮屈なのをがまんすれば、よほどの大根足でもない限り、靴を履いたまま両足をおろして座れます。
しかも、フットレストのスペースがありますから、前の席の人がシートを倒してきても、つかえることもありません。
というか、この状態であればブロンプトンを手前に引いて膝下に収め、フットレストに足をのせるなり、ブロンプトンそのものをフットレスト代わりに足をのせてしまった方が楽かもしれません。
そうやってテーブルを使えば、通路をゆく人からはもう足元にブロンプトンがあるかどうかも分からなくなりますし。
悪いものをのせているわけではないので、別に隠す必要もありませんが。
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とにかく、N700系のグリーン車であれば、ブロンプトンは前席との間、足元に収まってしまうということがお分かりいただけたと思います。
残りの荷物はすべて網棚にのせてしまい、前の網袋に本、窓際にお茶でも置けば、豪華な移動読書室の一丁上がりといったところです。
そして、この手を使うなら、「壁を背にした席でお願いします」と指定する必要もありません。
また、肩が痛いし隣の席の人に迷惑をかけるので網棚にはブロンプトンを載せたくないという人も安心です。
また、普通車両では叶わなかったA席(南側の窓際)に座ることも可能です。
そもそも、特定の期間、特定の時間帯を外せば、グリーン車が普通車のようにぎっちり全席が埋まっているという状態は殆どありません。
もちろん、立席もありませんから、通路やデッキに人が溢れているという状態もありません。
なお、網棚ですがこれは普通車両と同じ、ブロンプトンは収まりますので、お隣に人がいなくて、網棚にあげるのは面倒ではないという方は、どうぞフットレストを本来の用途で存分にお使いください。
(これでマッサージ機能でもついていたら最高なのですが)
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なお、こだま号のグリーン車はシートがゆったりしていることのほかにも長所があります。
それは、乗車している人が圧倒的に少ないことです。
とにかく車内が静かなのです。
おかげで読書がはかどるし、隣席もずっと空席だったので、パソコンを持ってきたら本の要約をメモできたかもしれません。
このときは、ヘブライ大学の宗教学者だったマルティン・ブーバー著「我と汝」という、かなり精読しないと意味がとれない思想書を開いていたのですが、名古屋新横浜間がのぞみ並みに思えるほど集中して読めました。
昔のように背広を着てビジネス書を読むようなことはありませんが、それでものぞみで帰るよりも読書には良かったと思います。
そして、乗っている人が少ないということは、トイレや洗面所も並ぶ場面がほとんどないのです。
いつも混雑した夕方ののぞみで、通路側の人に遠慮しながらトイレの使用ランプが消えるのを待っていたことを考えると、こちらの方が全然楽です。
さらに、停車時間が長い駅では売店に行って飲み物やお弁当を購入することも可能です。
そうやって追い抜き通過してゆくのぞみを見ていたら、なんだか家路を急いでいた過去の自分がバカバカしく思えてきました。
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それにしても、グリーン車は料金が高すぎますよね。
このブログは高齢の方も読んでいらっしゃるようです。
乗車券しか割り引かれない学割よりも、指定席特急券、グリーン席特急券など、料金券も割引になるジパング倶楽部に入会していらっしゃる方もいるでしょう。
私なんかは、グリーン車に乗っていてもその先会社がまわしたハイヤーやタクシーで移動するのではなく、自分の足で移動するシニアの方々の方が魅力的に見えます。
健康にも良いでしょうし、好奇心も大いに刺激されて精神的にも良いでしょうから。
人間は心も体も使い過ぎると故障しますが、全く使わないと今度は退化が進んでしまいます。
グリーン車に乗るような方は大荷物を持ったりしていない人が大半でしょうから、健康に問題がないのであれば、ブロンプトンを持ってグリーン車に乗るのも、ある意味クールじゃないかと思います。
ただ、ジパング倶楽部にあてはまらない層でも、こと東海道尺取虫方式の旅を実践しているのであれば、東海道新幹線のグリーン車というのは、今回のように「ぷらっとこだま」を利用すれば、お金をかけずに帰り道を裕福にできるということが判明したわけで、関東の人たちが名古屋以西へ旧東海道の旅をするときは、この方法をぜひ試みてください。(おわり)
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