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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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東海道新幹線N700系グリーン車にブロンプトンをつれて(その1)

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(「旧東海道の旅―ぷらっとこだまにブロンプトンをつれて(その3)」からのつづき)
 
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特急のグリーン車という場所は、滅多に乗車する機会がないのです。
若いころから「旅は質素を旨とすべし」というか、移動や宿泊に余計なお金を掛けるくらいなら、その分滞在を延ばして見聞を広めようとしていたので、飛行機のファースト・ビジネスクラス、船の一等以上の船室も含め、あそこはお大尽か博士か、ともかくも「経費」で乗ることのできる人たちだけの聖域だと思っていました。
ユーレイルパスに関しては、2等のみのパスと1等含みのパスの値段差と、前に話した「ホテル・ユーレイル」活用も考えて、2回目の欧州旅行からは1等も乗れるパスを買ってゆきましたが、それでもバックパッカーの姿で乗るのは、なんとも気が引けるのでした。
訪日外国人客が使うジャパン・レール・パスも、普通車用とグリーン車用の差額が7日間で約9,000円、14日間で約14,000円、21日間で約23,000円ですから、微妙です。
まるで昔のボードゲーム「日本特急旅行ゲーム」みたいな利用の仕方をするのであれば、グリーン車用の方がお得なのでしょうけれど。
 
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こと東海道新幹線のグリーン車に限りますと、別の利用の仕方も加わります。
バブルの頃、たまたま座席が空いていなくて、朝一番の新大阪行きのぞみのグリーン車に乗ったことがあります。
お盆だかの移動時期で、会社にJRの端末があったから自分で操作して買いました。
あさイチということもあって、普通車両の混雑をよそにグリーン車はガラガラです。
私は眠かったので窓辺にもたれて居眠りをこいていたのですが、空いているにもかかわらずひっきりなしに通路を人が通ってゆく気配を感じていました。
そのうち、グリーン車の車掌さんが出てきて、「ここは普通車のお客さまは通り抜けできません」と注意しています。
なんなんだろう?と思っていたら、同じグリーン車のサラリーマン風の男性2人組が、私の前の席のひとに「○○さんですよね、サインください」と言っているのが耳に入りました。
○○さんは今も昔も知らない人はいないシンガーです。
私は当時からテレビに出ている人にはあまり興味が無かったので、「先方だって朝早くて眠いだろうし、他人の目を避けたいからグリーン車に乗っているのだろうに」と気の毒に思ってしまいました。
そう、有名人に遭いたければ、あさイチの下りか最終の上り東海道新幹線グリーン車に乗れ、というのは、旅行会社内でのミーハー社員の合言葉だったのでした。
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それはともかく、前にN700系のグリーン車に乗る機会がありましたので、レポートしたいと思います。
先般、「ぷらっとこだま」という商品は、上り方向においてグリーン車を利用するのが最も割が良いというお話を書きました。
また、旧東海道の旅では、帰路をゆったりさせることが次回へ向けてのモチベーションにもなることも併せて指摘しました。
ともかく、この時は往路を青春18きっぷ利用し、名古屋乗り継ぎの際に復路の「ぷらっとこだま」を予約から購入まで済ませ、なおかつ鈴鹿峠直下の坂下宿に昼過ぎまでに到着するという芸当をやってのけました。
実は亀山宿から草津宿までを23日の行程でブロンプトンを使ってゆっくりと走りました。
そして3日目、つまり帰宅日のお昼に、草津で旅を中断しました。
昼食のうどんを草津駅構内で食べていたら、時計は1250分をまわりました。
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草津というと、関東の人たちは大概、群馬県にある温泉の方を想像するのですが、東海道の草津宿は滋賀県の琵琶湖畔である草津市内にあります。
(広島県にも草津駅は存在します)
手にはこだま乗車票(名古屋1559/新横浜1828着こだま666号)があります。
前述したとおり、企画良品ゆえに名古屋までは乗車券を別に購入せねばなりません。
通常なら、草津から名古屋へは東海道本線を利用します。
ちょうど1251分の上り新快速が出て行ってしまいましたので、次の米原行きは1301分になります。
草津1301快速米原行き→米原1344/1403発各停大垣行き→大垣1437/1441発新快速豊橋行き→名古屋1513着でこだま666号乗車まで40分以上時間があります。
運賃は2,270円(125.4㎞)
 
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しかし、旧東海道に沿った形でJR線を利用して名古屋方面に戻るという手もあります。
ふと見ると、東海道の走る東口よりの2番線に1257分発の草津線柘植行きが停車しています。
この列車に乗って草津線から関西本線経由で名古屋へ戻るとどうなるでしょう。
草津1557発各停柘植行き→柘植1340/1342発各停亀山行き→1405/1424発快速名古屋行き→名古屋1535着で東海道本線経由よりも20分強余分にかかるものの、乗り込む予定のこだま号には余裕で間に合います。
しかもこちらの距離は116.6㎞で運賃は1,940円。
通過のための旅行であればまず乗車しないローカル線経由ですが、昼間ですしその分車窓を楽しめます。
なによりも、別に購入しなければならない切符が330円も安いのです。
こういう計算を旅先の駅で手際よくこなすにも、「えきから時刻表」は便利だったのですが…。
こんなわけで、旧東海道尺取虫の旅において草津から名古屋へ戻った私は、いよいよこだま号のグリーン車に乗るべく東海道新幹線の上りホームへ向かいます。
なんだか、帰路にもかかわらずいつもより高揚感があるのでした。(つづく)
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