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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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高尾山薬王院にブロンプトンをつれて(その1)

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(準特急高尾山口行き)
日曜日のミサ終了後、都合2回にわたって高尾山へ行ったものの、結局本堂に参詣していないことを、ご住職から突かれてしまった私。
やはり中途半端はよくないと、2月のとある日曜日、前回と同じく教会から井の頭線の神泉駅までブロンプトンで走り、明大前乗り換えで高尾山口へ向かうのでした。
この日は少しミサが早く終了したことと、神泉駅までのルートを旧山手通りから坂を下ればそのまま入口へ乗り付けられる道に変更したため、9:02発の各駅に間に合いました。
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この列車に乗ることができれば、明大前で乗り継ぎにおいて、一本早い高尾線直通の準特急をつかまえることができ、乗り換えも一度きりで済むため、それだけ早く高尾山口につけます。
前日土曜日は氷雨でしたが、日曜は朝からよく晴れ渡っていました。
前回と同様に、先に大垂水峠へ立ち寄れば、運よく白富士と銀世界を観ることができるかもしれません。
もちろん、くだんの美味しいラーメンも目当てです。
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前回、高尾山口駅から大垂水峠へ神奈中バス(相模湖駅行き)で向かったとき、駅前には乗客が列を作っており、混雑して私は座れなかったため、今度はもっと手前からバスに乗ることにしました。
つまり、高尾山口駅よりも手前でバスに乗ってしまおうという作戦です。
ところで、相模湖駅行きの神奈中バス、どこが始発なのかと思ったら、なんと八王子駅から来るのでした。
どこが神奈川中央交通なのでしょうか。
実は、バスマニアの間でも、神出鬼没の神奈中バスとして有名なのです。
というか、路線網が異様に広範囲で、しかも1日一往復というレア路線(相模湖駅~八王子駅も日に三往復です)
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路線網の中心は厚木、伊勢原、平塚、戸塚、相模原と、これだけでもかなり広い範囲なのに、多摩川べりの登戸駅、新横浜駅や、横浜駅東口駅、金沢八景駅など、東京湾岸へバスが来ているかと思いきや、西は小田原駅や道志川沿いの月夜野など、横浜市の北東部を除いたほぼ神奈川県全域にわたっています。
さらに東京都町田市内にもたくさんの路線網をもち、こうして八王子駅や聖蹟桜ヶ丘駅など、都下にまで路線をのばしています。
さすがに八王子へ向かってもバスには間に合わないので、高尾山口駅のひとつ手前の高尾駅で京王線を下車し、そこからバスに乗ることにしました。
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神泉9:02吉祥寺行き→明大前9:11/9:16準特急高尾山口行き→高尾駅9:58→高尾駅前10:07→大垂水10:26→富士屋さんでラーメンを食べる→高尾山口へ下り、駐輪後にケーブルカーで薬王院参拝→ケーブルカーで下山後、高尾山口から京王線で明大前へ

だいたい、こんなプランで明大前には14時前後に帰着する予定でした。
あとから考えると、バス停が「高尾駅前」となっているのがトラップだったのですが、このときは深く考えませんでした。
井の頭線はガラガラ、京王本線は聖蹟桜ヶ丘~高幡不動付近まで混雑というのは前回と変わらず、その辺りから、線路際の住宅屋根上や畑に純白の雪がちらほら見えるようになりました。
しめしめ、これで大垂水峠は真っ白だわい、でも前回より雪が多いから、下りの国道20号が凍っていたらどうしよう、などと考えておりました。
電車が北野駅を出て高尾線にはいってすぐ、たしか前回はこの区間で富士山がきれいに見えたなと思い、席を立ってコンデジをもってドア際で構えていたら、「え~ただいま進行方向左手前方に富士山が望めます。京王線でもっともきれいに見えるポイントです。次の京王片倉駅のホームからも見えますが、停車時間は僅かです。写真を撮られる方はこちらでどうぞ」とまるで心中を見透かされたような車内アナウンスが流れました(笑)。
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電車は定刻通り高尾駅到着。
バスは北口からですから、京王線の改札を出た後、JR中央線の構内を通り抜け、ホームを西方向に移動します。
なぜか前回よりも登山の格好をした人が多く、皆が北口へ急ぐのにつられて、私もカバーをかけたブロンプトンを抱えながらバス停へ向かいます。
ところが、この最中、なぜか私の頭がショートしてしまいました。
大垂水峠へゆくのに相模湖駅行きの神奈中バスに乗らねばならないのに、頭の中で「大垂水峠」を「小仏峠」に誤変換してしまったのです。
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たしかに近隣の峠ですし、大垂水は現甲州街道(国道20号)、小仏は旧甲州街道の、同じ稜線にかかる峠です。
しかし、高尾駅の北口駅前に4つあるバス乗り場の、どこにも大垂水経由相模湖駅行きのバス停が見当たらないのも、勘違いの原因でした。
今日はやけに山登りの人が多いな、雪の写真でも撮るのかしらんと思いながら、山行きはこちらとばかりに小仏行きのバス乗り場に並んでしまい、そのまま文庫本に熱中してしまったため、やってきたバスが神奈中バスとは似ても似つかない色をした京王バスだったのにもかかわらず、それさえも見落とし、ひとり席を確保できたので安心してしまい、再び文庫本に目を落としていました。
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気が付いたのは発車間際です。
定刻より遅れているのはいつものこととして、このバス八王子駅から来たのに高尾駅始発みたいだと感じた途端、このバスが旧甲州街道の小仏行き(9:12発)だと気が付きました。
わぁ、こんなこともし添乗中にやったら大変です。
でもバスは登山客にて満員で、すぐ先のバス停で降りるのは無理そうだし、神奈中バスの発車時刻はもう過ぎているし、「ダメだこりゃ」と観念して小仏へ行くことにしました。
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ちなみに小仏峠は車では超えられません。
もちろん峠上に食堂もありません。
自転車ならマウンテンバイクなら押し歩きすれば何とかなるかもしれませんが、この雪の中、登山の皆さんの白い眼をものともせずなんて無理だと思い、小仏バス停から甲州街道をくだり、高尾山口駅の駐輪場に停めて薬王院をお参りするプランに変更しました。
いくらラーメンが美味しいからといって、続けて同じ場所に行くのも能がないなと、プラスに考えることにしました。
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ところが、小名路というバス停を過ぎてバスが国道から旧道に入ってゆくと、山の斜面の樹木の枝に、昨晩降った雪が着雪したままになっているのに気が付きました。
ひなたでは梅が咲いているのに、後ろの山肌は雪景色という、誠に風情のある光景に出会ってしまったのでした。
もっと寒い地方にゆくと、霧氷という文字通り木の枝がガラス細工みたいに凍っている状況に出会えるのですが、まさか高尾山でこんな雪景色に出会えるとは思ってもみませんでした。
それに、都心からわずか1時間ちょっとでこの景色です。
そのまま帰ればお昼過ぎには戻れてしまう距離なのです。
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この状態は、関東地方の雪が水分を含んでいるべた雪だからなのと、山際は気温が低く、午前中に冬の日差しが届きにくいからでしょう。
よほど気温が低い雪国なら別に珍しいことでもないのですが、この状態で空が晴れ渡っているというのは、気候が変動する3月はともかく、2月の北日本ではなかなかないのです。
しかも路面は一部が泥まみれなほかは、殆ど乾いているから、ブロンプトンでの走行には支障ありません。
この状況はせいぜいあと1時間半くらいで、太陽がもう少しのぼって谷間に日が差せば、枝に着いた雪は全部落ちてしまうはずです。
ある意味バスを乗り間違えてラッキーでした。
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バスはどんどん谷奥へとすすみ、中央自動車道と中央本線にはさまれた、後数百メートルで景信山の登山口という場所で、終点小仏に到着しました。
写真を観てもらえばわかりますが、着雪した木々の枝に陽があたって光る様子と、まるで粉砂糖でも降りかけたかのような梅の花に、登山客も写真を撮っておりました。
今回は旧甲州街道を巡るつもりはなかったのでご紹介しませんが、この区間は裏高尾と呼ばれ、梅の花梅林、蛇瀧湧水、湯の花トンネル(慰霊碑)、天神梅林、小仏関所、駒木野庭園と見どころも多いのです。
大垂水峠の女将さんが、「雨の降った翌日の晴天時、冬の高尾は美しいですよ」と仰っていた意味がのみこめました。
やっぱり、寒い冬でもきれいな景色に出会うのは朝夕のようです。
きっと光線が斜めから差し込むのも影響しているのでしょう。
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駒野木まで下り、ちょっとお高いけれど通好みの手打ちそば屋さんがあったのを思い出して、開店直後にひとりで飛び込むことにしました。
名前は蕎麦と雑穀料理の杜々さん。
古い平屋の住宅を店舗に改装しているので、玄関も普通の住宅と同じです。
日当たりの良い居間を改良した部屋に通されると、薪ストーブとアラジンストーブが燃えています。
床の間にはモノトーンの樹の絵と、脇にフォークギターが架かっていて、ちょっとレトロです。
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せっかく来たのだから、少し奮発して八王子野菜を使った天せいろ(1500円)を注文します。
文庫本を読みながら待っていると、寒い外から暖かい室内にはいってきたせいか、ついウトウトしそうになります。
朝も早かったですしね。
出てきたお蕎麦は腰のつよさも程よく、野菜は揚げたてでジューシーでした。
お店に入った時に先客はひとりでしたが、食べ終わる頃には満席になっていたので、有名なのかもしれません。
もちろん、自転車で来ているのは私一人。
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このあと、薬王院へ向かうのですが、その前にどうしても神奈中バスの高尾駅前バス停がいったいどこにあったのかを明かしたくなり、高尾駅へブロンプトンで向かったのでした。
次回はその種明かしからはじめたいと思います。(つづく)
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