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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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旧東海道の旅―ぷらっとこだまにブロンプトンをつれて(その2)

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(今回は夏に東京駅から朝一番のこだま631号=6:33発に乗った時の車窓です。ぷらっと・・・は使用していません)

「ぷらっとこだま」は、空席埋めの企画商品でして、広告宣伝費などの経費は使えませんからTVCMみたいなキャンペーンをうてません。
3色刷りで一枚ぺらのチラシが限界のようです。
でも、消費者からすれば、そこを逆読みするのです。
「そうだ京都、行こう」のCMに感化されて、往復の切符を買って先般ご紹介した出雲路橋へ確かめに行くなんて、賢い消費者とはいえません。
旅行会社側に立って、割引率が高い=利益が薄い、つまり売れたところでなんぼの商品というのは、消費者側からすれば(私が嫌いな言葉ですが)コストパフォーマンスの良い、おいしい商品になるわけです。
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(いつもは新横浜から乗車している自分にとって、この区間の新幹線からの車窓は、殊更新鮮です)

そこで再び下表をご覧ください。
今度は「ぷらっとこだま」でグリーン車を利用したときの差額です。
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まずは通常グリーン車に乗るために切符を購入した場合との比較です。
私はグリーン料金を支払って東海道新幹線に乗ったのは、混雑して仕方がない場合だけで、過去一度しかないのですが、その際もグリーン車は立っている人が大勢いる普通車に比べて空席が目立ちました。
こうして運賃+特急料金+グリーン料金の合算をみるとき、これだけのお金を支払ってグリーン車に乗るのは、経費でなければよほどの事情がある人でしょう。
ある意味飛行機のファーストクラスに似ています。
次に同じ「ぷらっとこだま」商品で普通車指定席の旅行代金との比較です。
特に名古屋が差額1,000円とお得感があるのですが、京都、新大阪でもその差は1,500円しかありません。
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(東海道五十三次制定のおよそ10年後の1612年創建の日蓮宗圓珠寺。本堂がこちらを向いているのは、線路の位置が海辺だったからです)

最後に普通車指定席の切符を購入した場合との比較ですが、名古屋以遠に関して言えば、「ぷらっとこだま」のグリーン車指定席用商品の方が安いのです。
さらに今度の3月16日のダイヤ改正により、「ぷらっとこだま」商品対象のこだま号は、上り29便のうち2便、下り30便のうち1便を除く列車すべてがN700系で統一されるため、車内設備はのぞみ号のそれと全く変わりません。
これでは、いくら時間が東京~名古屋間で1時間、同じく東京~京都・新大阪間1時間半余分にかかっても、時間がゆるす限り「ぷらっとこだま」でグリーン車を使用した方が、お得な気がしてきます。
この時間を勘案した利用価値は、特に東京~名古屋間で高いと思います。
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(例の新駅が開業するあたり)

さて、ここからがようやく本題なのですが、このお得な「ぷらっとこだま」商品を、どのように旧東海道尺取虫方式旅行に利用するかです。
おさらいにも含みますが、「ぷらっとこだま」には、通常の切符を購入する場合に比べ、以下のような条件がありました。
1.価格は安いが時間が余計にかかる
2.電話でも構わないが申し込みのあと前日までに旅行会社の窓口へ出向いて代金を支払わねばならない。
3.乗車変更やキャンセルがきかない
4.座席は通路側、窓際の希望は出せるが、席番までは指定できない。
5.普通車指定席用よりも、グリーン車指定席用商品の方が、割引率が高く、なかでも一番買い得感が高いのは、東京~名古屋間である
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(もともと無かった品川駅は地下ホームのように殺風景です)

1の時間が余計にかかる点は、往路よりも復路利用に向いています。
往路であれば、なるべく早くに前回旅を切り上げた地点に到着し、そこから尺取虫方式の旅をはじめたいわけで、スタート前の1時間の時間的ロスは、ブロンプトンでの走行距離を勘案すると、かなり遅れをとってしまいます。
その点復路であれば、日没後に切り上げて帰宅するとして、帰りが1時間だけ遅くなっても、さほど困ることはありません。
2に関しても、毎回早朝出発が条件の尺取虫方式の旅では、みどりの窓口とは違い、旅行会社の窓口が開いておりません。
結局前日までに旅行代金を支払って、乗車券の代わりとなる旅程表を受け取らねばなりません。
往復とも「ぷらっとこだま」が使えないならば、いっそのこと往路の新幹線下車駅にて、復路の旅行代金を支払ってしまった方がスムーズです。
3の場合、万が一出発の朝に寝坊して乗り遅れたら、すべてがパーになります。
4と5は横一列が5席ある普通車よりも、4席のグリーン車が有利であることを示しています。
ブロンプトンならN700系の普通車であれば網棚にのってしまうことは実証済ですし、僅かな差額で乗れるグリーン車であれば両側が座席のB席にあたることはありえません。
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(山手通り、古川と一緒に、国語の教科書でお馴染みの光村出版が望めます)

以上のことを踏まえると、旧東海道の旅で「ぷらっとこだま」商品を利用するのは、次のような使い方がベストです。
すなわち、名古屋、特に四日市宿以遠の旧東海道を旅する場合に、復路は通常の切符で新幹線を利用し、名古屋駅で関西本線の接続列車に乗り継ぐまでの間、いったん途中下車して改札口の近くにあるJR東海ツアーズの窓口へ行きます。
(出発点が四日市までの場合、乗り継ぎ時間の殆どない近鉄特急利用になるため、桑名のJR東海ツアーズ支店か、四日市または鈴鹿=庄野宿の対岸にあるJTB支店に立ち寄る必要がありますが、ブロンプトンがあれば可能です。)
宿泊を伴う旅行ですから、明日ないし明後日の復路、名古屋から新横浜/東京までの「ぷらっとこだま グリーン車指定席用」を申し込み(申し込みはあらかじめ電話でも可)、その場で旅行代金を支払い、旅程表をもらっておきます。
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(湘南新宿ラインと臨海線。正面に見えるのは大崎駅)

帰宅日は四日市以西の旧東海道を終了した地点から名古屋までは、別に切符を買わねばなりません。
便数も多く安いのは近鉄線利用ですが、近鉄線で名古屋まで戻れるのは桑名宿~庄野宿までの区間であり、亀山宿以西の場合は関西本線で名古屋までの切符を、新幹線とは別に購入せねばなりません。
その場合でも、関(関宿)~名古屋間の片道運賃は1,140円、水口宿近くの貴生川駅から関西本線柘植経由で名古屋まで乗車券を購入しても1,660円です。
「ぷらっとこだまグリーン車指定席用」と通常の普通席指定席切符との差額(1,790円)の範囲内です。
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(西大井駅先のカーブで見える銅葺の屋根は、天台宗の帰命山養玉院如来寺。大井の大佛として親しまれています)

こうして考えると、リニア中央新幹線が開通し、お金よりも時間の方に価値をおく人たちがそちらへ流れた場合、空いた東海道新幹線ではひかり号やのぞみ号に「ぷらっとこだま」に続く、企画旅行商品ができるのかもしれません。
商品名はそうですね、「ゆるりとひかり」とか「まちのぞみ」とか。
スミマセン、オヤジギャグにもならなくて。
本音は東海道新幹線に、何度でも途中下車可能な「青春18きっぷ」タイプのフリー切符や、それが駄目なら在来線の昼間に、東京から名古屋や大垣まで通しで走るムーンライトながらみたいな快速列車を復活させて欲しいのですがね。
幕末の頃のように、おかげ参りがお江戸で大流行したなら考えてももらえそうですが、それこそ空からお札でも降ってこない限りは無理でしょうなぁ(笑)
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(多摩川を渡る際によく見えるのは、中原街道の丸子橋。手前に丸子の渡しがありました)

ということで、実践編へと続きます。


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