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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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早朝の故障2―ウィングプレートの脱落

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チェーンの破断から半月ほど経った、暮れも押し迫ったある朝のこと。
やはり横須賀線に乗車しようと新川崎駅へ全く同じ時間にブロンプトンを走らせておりました。
これまたチェーントラブルと全く同じ場所でのことです。
先日チェーンが破断した歩道に乗り上げる場所の直前で、カラン、カラカラカラと音がして、外装ギアの手応えが消えました。
ああ、これは以前小湊鉄道沿線で遭遇した、外装2段ギアの故障です。
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振り返って後輪周りを見ると、外装ギアのシフターから伸びているワイヤー(正式には「ケーブル・アンカレッジ」といいます)先についている切替器(正式には「ウィングプレート」と呼ばれる部分)の下向きネジが落ちて、完全に脱落しています。
先日も20mと離れていない場所でチェーンが切れましたが、ここは何か呪いがかかった場所なのかと思いました。
そういえば、江戸時代にここから支流を遡った場所にある実家のある村は、水利権争議からこの辺りの村と揉めて、死者まで出たと聞いたことがあります。
「ナントカ村の祟りじゃぁ」という昔の流行語を思いだしてしまいましたよ。
「エ、エンドウ、オマエ、こういう時は十字を切った方がいいんじゃないか?」
「アホウ、そんなもん効くかいな」
むかし遠藤周作と三浦朱門が旅館の部屋で幽霊を見てしまったときの会話も。

それはともかく、くだんのネジの脱落は前回も冬だったような気がします。
もちろん、早朝で車が来ないのをいいことに、前回同様落ちたネジを探してみたものの、これまた前回同様、小さなネジが見つかるわけがないのでした。
レンチが無くても、ネジが嵌っていさえすれば押し歩きができますから。
(うーむ、次回からあのネジだけピンク色に塗りたくってやろうかと思いました)
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さて、上述の通りチェーン破断の時とは違い、今回は外れたケーブル部分がチェーンやタイヤスポークと干渉してしまい、押し歩きができません。
というか、こういう症状が出た途端に停止しないと、前述のケーブル部分をタイヤに巻き込んでしまい、樹脂部分を破損させてしまいます。
そうならずに済んだだけでもラッキーと言わねばなりません。
それにしても、前回同様こんな時間にどうしたものか…。
これは、たたんだ状態で曳いて歩くしかありません。
でも長い距離を曳き歩きすると、いつかのリアフレームの破断(https://blogs.yahoo.co.jp/brobura/40898660.html)を誘発しかねません。
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そこで、家まで帰るバスの停留所までおよそ1㎞強の道のりを、たたんだブロンプトンを持って(所々で曳いて)、腕をパンパン張らせながら帰りました。
おかげで、始発の下りバスに乗るという貴重な経験をさせていただきました。
これって、朝帰りと変わりません。
でも朝出朝帰りだからまぁいいか。
あとから考えたら、深夜料金帯は5時で終了しているのだから、タクシーで帰ればよかったわけですが、当然5時台の駅でもない半端な住宅街に、流しのタクシーなどいるはずもないのでした。
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これで2回目ですし、この下向きのネジの脱落防止をどうしたらよいか、今回ばかりは対策を考えざるを得ませんでした。

〇弛んでないか、まめに確認する。
以前は開いたブロンプトンをひっくり返さないと、この部分は確認できないと思い込んでおりましたが、そんなことはありません。
ブロンプトンをたたむ際の最初の動作、すなわちハンドルを切って後輪部分を振りこんだ際に、このウィングプレートの下側がひっくり返って上を向くので、弛んでいるかどうかは目視できます。
一日に何度もたたんだりひらいたりを繰り返す私の場合、たたむ際に必ずこのネジが緩んでいないかどうかをチェックするようになりました。
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〇お安く修理する
今回のように、ネジの脱落だけで済めばよいのですが、部品を破損させてしまうと、工賃とは別に下記の部品代がかかります。
BROMPTON Wing Plate Set¥3,500
BROMPTON DR Cable Anchorage Set¥1,800
これは、ローロ世田谷さんから教えていただいた方法ですが、単にネジが抜けて紛失しただけであれば、次のものをホームセンターで購入しましょう。
ステンボタンキャップ(六角穴付ボルト)M5×15㎜  2本で250円くらい
緩み止め(高硬度用) 量にもよりますが10mlで800円程度
緩み止めは、低硬度、中硬度、高硬度と接着の度合いによってランクがあるようですが、外すことはまずないので高硬度で構わないそうです。
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〇実際にはめてみる
3㎜の六角レンチを用意しましょう。
それも、柄が長いタイプのもの。
ブロンプトンを開いたまま、ハンドル、サドルを支点にして倒立させます。
このとき、変速(6段)のシフターは両方外に開いた状態(いちばん思いギア)にしてそっと逆立ちさせれば問題ありません。
そしてこの状態で柄の長いレンチがあれば、チェーンをテンショナーごと外さなくても、該当のボルトを締めることが可能です。
ボルトのネジ部分に緩み止めを塗ってから、締めてゆきます。
締めすぎると外装ギアが動かなくなってしまうので、片方の手でレンチを回しながら、もう片方の手でウィングプレートを動かして、抵抗なく動く範囲でボルトを締めます。
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結局、この脱落してしまったボルトは、最後まで締めあげることができないために、緩み止めを塗ってネジ山に振動が伝わっても、簡単には抜け落ちないようにしていたわけです。
脱落が冬に起きたのも、乾燥していることと関係があるのかもしれません。
しかし、これくらいの道具と部品であれば、旅に出るときにはタイヤのパンク修理セットと一緒に携行しても荷物にならないかもしれません。
私の場合、週5日は乗って7年で2回ですから、そう頻繁に起きることではありませんが、たったボルト一本で押し歩きもできなくなるので、本当に困ります。
でも、こうしてあり合わせの道具と部品でなおせる場合は、その場で何とかしてしまうことに越したことはありません。
外装ギア搭載車の方は、目視するだけでもずいぶん違うと思います。
トラブルも、転じて福となせば、それもまた楽しからずや。
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