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向かい風対策

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冬から春にかけは風が強い日が多いですよね。
自転車に乗って追い風なら良いのですが、向かい風だと止まってしまうのではないかと思うほどに影響を受けます。
アクセルを開ければびゅーんと加速する、オートバイや自動車がうらめしい。
でも、あちらは自分の身体を動かして使うという行為をスポイルしているから、おあいこかなと思い直します。
これまでもご紹介してきた通り、電車に載せるという前提であれば、関東地方においては、冬は北風、夏は南風が主流なので、冬であれば北へ向かって電車で移動し、そこから電車で戻ってくるか、たとえば海までというように南へ向かって自転車で走って、そこから電車で戻ってくれば良いわけです。
夏はその真逆をやればいいわけです。
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けれども通勤とか通学の場合はそうは参りません。
たとえ家と駅の間であろうとも、朝に追い風なら夕には向かい風、逆に朝に向かい風なら夕べは追い風になります。
潔く、片道を電車やバスに乗って移動するという手もありますが、天気も良くて時間も大差ないのにわざわざお金を払って乗るというのも、せっかくの運動の機会を逃しているような気分になります。
それに、冬の電車やバスって車内が暖かくて、特に帰路の場合眠くなることこのうえないのです。
座って居眠りすること自体は悪くないのですが、それで家に帰ってから眠れなくなり、睡眠のサイクルを崩してしまうと、戻すのがたいへんです。
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そんなわけで、今日は向かい風を自転車で走る工夫について書いてみたいと思います。
これらはすべてやむを得ない場合のしんどい向かい風対策であって、風が気にならないのなら全く関係ありません。

1.幹線道路は走らない(→路地をつなげて走る)
特に都心から近郊にかけては幹線道路のような幅広の道は避けるようにします。
両側を防火帯のようにビルの壁が続く幹線道路は、風の通り道になっていることが多いのです。
歩道は凹凸が多く、意外に狭くて人も歩いていますし、車道に出たら今度は向かい風と側を追い抜いてゆく車の風圧でまっすぐ走れず、交通量の多い時は特に危険です。
また、信号のタイミングも自転車の速度には全く合っていないので、ストレスになることが多いと思います。
その点、住宅街の路地であれば適度に曲がっているうえ道が狭く、家や軒塀が風を防いでくれます。
旧街道とまでゆかなくても、昔から利用されていたような道をつなげると、かなり長い距離をスムーズに走れます。
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2.川の土手や河川敷は走らない
吹きさらしの多摩川や荒川などの大河川はもちろんのこと、神田川や目黒川などの比較的川幅の狭い、両側に遊歩道があって並木の植えてあるような川沿いの道は、谷が広めに開けていると向かい風が強い場合が多々あります。
また、川は上流部でもない限り、他の道に比べて直線が多く(特に人工的に造られた用水など)ずっと向かい風に悩まされる場合が多いように感じます。
風と地形の関係について詳しくはありませんが、谷間を吹く風はいちばん低い川のあたりに集中するのではないでしょうか。
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3.はけの道を利用する
これは地形が読める人向けの対策ではありますが、川沿いを走るよりも、はけの道と呼ばれる丘や山の麓を崖線に沿って走る方がよほど風よけになります。
特に北風の強い日に、台地に川が東西に流れていることの多い都内を、同じように東西に移動する場合、南斜面の麓を走ると、谷の逆側にある北斜面下のはけの道よりも、斜面が急な分風よけになります。
(なぜ都内の谷で北斜面よりも南斜面の方が急になるのかは、東横線シリーズの中目黒あたりで推論しました)
何度もあれこれと道を変えて走っていると、不思議と風の吹かない道と、いつも風が強い場所(峠の頂上に多い)が見分けられるようになるものです。
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(関東ではありませんが、典型的なはけの道です)

4.闘わない(風にゆだねる)
これが一番肝心な点かもしれません。
よく向かい風に抗うように、スタンディング(立ち漕ぎ)で走ってゆく自転車を見かけますが、立ったら余計に風の抵抗を受けますし、長い距離を走る際にはそう続くものではありません。
向かい風には抵抗しないのが一番です。
逆らうのをやめた途端に、不思議と風と仲良くなったような気になり、向かい風も弱まった感覚を覚えることがよくあります。
すると「いつまでこの風は続くのか」と恨み節になっていた心が、「この風もいずれは収まるだろう」と余裕を持てるようになります。

あまりにひどいようなら、道を変えてしまうというのも一つの方法です。
以前お話したように、ブロンプトンならいくらでも違う経路を導き出すことが可能ですから。
たとえば、私は東横線に沿って帰るのですが、同じ東急の目黒線方面や田園都市線方面に走っても、多少は遠回りになるものの、30分以内の誤差にて帰宅できます。
それに、少しだけ方角を変えるだけで、向かい風も随分と楽になるものです。
それに、道を変えると様々な発見があります。
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信仰があれば、「風まかせ」ではなくその対象に委ねるという考え方ができます。
「この向かい風も主が与え給う恵みにはかわりない」なんて。
試練ではなく、恩寵ですよ。
これ、人生で物事が思い通りに運ばないとき、妨害を受けていると感じるときによく祈る内容と同じです。
皆さんがよくご存じの「アメージング・グレース」だって、命拾いしたことではなく、嵐に遭ったことが恩寵なのですから。
「まかせる」で思いだした讃美歌がもう一つあります。
お題は「主に任せよ」だったかな。

『主に任せよ 汝(な)が身を 主はよろこび 助けまさん
忍びて春を待て 雪は解けて花は咲かん 
嵐にも闇にも ただ任せよ 汝(な)が身を

主にまかせよ、汝(な)が身を 主はよろこび たすけまさん。
なやみは つよくとも みめぐみには 勝つを得じ。
まことなる 主の手に ただまかせよ、汝が身を。』
原詩
Harre, meine Seele, harre des Herrn!  Alles Ihm befehle, hilft Er doch so gern.
Sei unverzagt! Bald der Morgen tagt, 
 und ein neuer Frühling folgt dem Winter nach.
In allen Stürmen, in aller Not  wird Er dich beschirmen, der treue Gott!

Harre, meine Seele, harre des Herrn!  Alles ihm befehle, hilft er doch so gern. 
Wenn alles bricht, Gott verlässt uns nicht; 
 größer als der Helfer ist die Not ja nicht.
Ewige Treue, Retter in Not,  rett auch unsre Seele, du treuer Gott!

今回調べて分かったのですが、原詩には日本語に訳されていない3番が存在します。
辞書を首っ引きで調べたのですが、ドイツ語の文法基礎を学んでいない私には、歯が立ちませんでした。
この歌は中学の頃に知りましたが、プロテスタントの教会ではよくお葬式で歌われるそうです。
讃美歌だと291番、聖歌だと新聖歌298番になりますが、カトリック教会では聞いたことがありません。
原曲はドイツ語で“Harre, meine Seele”といいます。
ドイツ語はほぼローマ字読みで構わないので「ハーレ マイネ ズィーレ」で通じます。

日本語の歌詞はドイツ語の原詩ほぼ沿っています。
作詞はドイツ人のヨハン・フリードリッヒ・レーダー(Johann Friedrich Raeder 1815-1872)
彼はもと商社マンで独立して貿易業を営んでいるときに、染料(藍染)の取引でリスクを負い、業績が急降下します。
あと一歩のところで破産を免れた際に、この詩は誕生したといいます。
作曲はスイス人のアンリ・アブラハム・セザール・マラン(Henri Abraham César Malan 1787-1864)
彼も当初はビジネスマン志望でしたが、20代前半で牧師になっています。
「忍びて春を待て 雪はとけて花は咲かん」のあたりが、いかにもスイスらしい雰囲気です。
この季節にはぴったりの歌なのですが、例によって、日本語で歌うと聴かれたら恥ずかしいので、いい加減な発音ながら原詩で歌ってペダルを漕いでいます。
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