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奥多摩湖を後にして、奥多摩駅方面へと向かいます。
小河内ダムの脇、水と緑のふれあい館前から青梅街道へ出て右折すると、右手に平らになっている空き地があって、その先で鉄道のガードをくぐります。
この空き地が、かつてダム建設の資材を運んでいた水根貨物線の終点、水根貨物駅跡です。
正式な名前を東京都水道局小河内線といい、運行はわずか五年半でしたが、ダム建設後は西武鉄道が落札しました。
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当時西武ではこの水根から奥多摩湖畔一帯に一大レジャーランドをつくり、新宿から拝島線経由で列車を走らせて、第二の箱根にすると意気込んでいたようです。
もしこの構想が実現していたら、奥多摩プリンスホテルが開業していたのでしょう。
その当時の西武といえば、秩父線を軽井沢まで延伸する気があったころです。
(いかにも当時のあの会社が考えそうなことです)
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しかし、計画は実現せずこの水根線は廃線マニアの聖地になってしまいました。
私なんか、自転車道にしてもらい、奥多摩駅までツーっと走れたら最高だと思うのですが。
ところで廃線マニアってなんて呼べばよいのでしょう?
鉄道が廃止される日を狙って乗るのが「葬式鉄」だから、「墓鉄」とか「墓参鉄」でしょうかね。
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さらに坂を下ってゆくとトンネル(中山トンネル)をくぐりぬけた先に中山バス停を認めます。
ここから右の細い急坂に入るのが、奥多摩むかし道です。
昔はこんな名前のハイキングコースはありませんでした。
この道は、昭和20年頃までは現役の青梅街道でした。
つまり、奥多摩湖が出来る前の青梅街道を想像したければ、この道を通るのがいちばんです。
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この道のほとんどは車のすれ違いも困難な幅ですから、地元の車以外は滅多に入って来ません。
そして、新緑の季節や秋の紅葉シーズンは多くの観光客が歩きます。
むかし道にはいってすぐ、見事な紅葉のトンネルが現れます。
背景の山も紅葉しています。
11月も下旬となりますと、柳沢峠付近は積雪もあったりする完全な冬ですが、ここまで下って来ると紅葉まっ盛りということで、青梅街道も高低差があるぶん同じ日に別の季節が楽しめるわけです。
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実はむかし道自体はダム脇の駐車場から青梅街道へ出る地点の正面の坂を登り、六石山登山口から下方向へ水根集落の上を通っています。
けれども、青目立不動尊から中山集落までの区間は完全な山道ですし、峠越えになるので自転車が入るのは難しいと思います。
ハイカーからひんしゅくを買うのも嫌ですし。
そこで、中山トンネルの下から入るわけです。
急な坂を200m下ると、突き当りますので右折します。
すぐに中山橋を渡るのですが、下は目がくらむような谷底です。
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西久保トンネルという比較的短い隧道を抜け、さらに下ってゆくとその先のヘアピンで右に道が分かれています。
これは地図で確認するとダム直下にある多摩川第一発電所へと続く道路なのですが、歩行者も含めた通行止めで、入口が背の高い柵でがっちりと塞がれています。
小河内ダムは非越流型の重力式コンクリートダムだから、黒部第四ダムのように洪水吐がダム上部についていて豪快に放水するわけではありません。
一番下から出すというイメージです。
でも、その様子はダム上部からしか見る事ができません。
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ヘアピンの直後、右手に広場があってモミジが植樹され、ベンチがあります。
ここは午後に日陰になってしまうので、楽しみたかったらお昼までが狙い目です。
座っていると、電動アシスト自転車が物凄い勢いで下ってゆきました。
奥多摩駅近くにあるレンタサイクルだと思います。
あれならこの山の中で登りも楽でしょう。
普通の自転車と電動アシスト自転車のレンタル料の差額は700円~1500円です。
奥多摩駅からのバス代が鴨沢までなら630円、丹波山までが1,010円ですから、折りたたみ自転車ならバスにのせてしまった方が良いと思います。
なお、奥多摩の自転車は青梅で乗り捨ても可能だそうです。
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右側に多摩川の深い渓谷を見下ろしながら、むかし道は坂を下ってゆきます。
このあたり、道幅も狭く、車が入ってくることもありますから、調子に乗って飛ばさないようにしましょう。
午後であれば、陽に透かされたモミジの向こうに、赤や黄色の葉がひらひらと谷間へ舞い落ちるさまを眺める事ができます。
この落葉の様子が、まるで仏教行事で撒かれる散華のようです。
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その先で右側に道所橋という吊り橋が現れます。
渡っても向こう側は作業道で行きどまりですが、橋からの眺めは見事です。
なお、五人以上は乗らないでくださいとの表示があるので、グループの場合は交代で。
少し下流に同じく吊り橋のしだくら橋があります。
この下は惣岳(そうがく)渓谷といって、水害によって山から押し流された大岩が多摩川に累々と転がっている場所で、紅葉と相まって見事な渓谷美をみせています。
ただ、その分吊り橋から眺めると、「落ちたら痛そう」な感じを受けますが。
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このあたりまでくると、下り坂もだいぶ緩くなり、時には短い登り坂も現れます。
谷間のうち、だいぶ下の方に降りてきたようでところどころ鬱蒼とした場所もあり、午後遅くなるとちょっと不安になります。
ただ、馬頭観音やお地蔵様、道祖神があるところが、脇往還だったころの街道をしのばせます。
青梅街道って、杣道のようだったのではないでしょうか。
いろはカエデという楓の大木の先で、むかし道は未舗装になりますが、その地点ですぐ上の国道へ復帰できます。
この先むかし道を辿ることもできないわけではありませんが、急な登り坂あり、階段ありのブロンプトンにはちときつい道ですから、青梅街道を走って奥多摩駅まで下ってしまいましょう。
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駅の周りにはお蕎麦屋さんや小料理屋さんもあります。
柳沢峠からここまで約43km、標高差はマイナス1,100m。
軽く祝杯をあげてから青梅線に乗ると、週末であれば15時台なら1本、16時台なら2本、東京まで直通する快速(新宿までおよそ1時間半)があります。
長い編成ですから、何かのイベントでもない限り、奥多摩駅からなら充分座って帰れます。
乗った時は次の御岳駅からどっと混雑してくるという印象でした。
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なお、下り主体なのだしとにかく距離を走りたいという方は、青梅駅までなら65㎞、立川駅まで走れば85㎞になります。
ただその場合、食事以外はわき目もふらずに走るということになると思われます。
青梅駅なら中央線直通の青梅特快の始発駅になりますし、立川であれば南武線の始発駅となり、どちらの駅も路線を選べば座って帰れます。
塩山駅から柳沢峠までのぼるバスが、週末のみの運行ですから、ちょうど釣り合いが取れていると思います。
なお、いくら下り主体とはいえ、上り坂もありますから、ブロンプトンはギア段の多い方が有利になると思います。
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