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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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通勤途上のパンク

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今朝、家からアルバイト先の新宿まで、いつものようにブロンプトンで向かっていたところ、目黒区青葉台(中目黒と代官山の間です)で、前輪のタイヤがカチカチと音をたてはじめました。
タイヤの溝に小石が挟まると、こういう音がするので停めてみたところ、銀玉鉄砲の弾くらいの小さな金属球が溝に埋まっています。
何かと思って指先でつまんだら、その球の後ろに数ミリの針がついており、タイヤからにゅっと出て来るではありませんか。
結局引き抜くような状態になってしまい、途端に「プシュ~」と音がして、私の「脂肪燃焼指数」もゼロに…。
通勤でパンクするのは初めての経験です。
これは銀玉じゃなくて、ピアス…。
踏んだのはおそらく中目黒付近の目黒川沿い。
確かにあそこは朝ジョギングしている人が多いけれど、落としピアスは勘弁して欲しいです。
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先日もスローパンクしましたが、ブロンプトンに長期間乗っていて感じるのは、何カ月もパンクしない時期が続いたあと、こうして立て続けにパンクすることがよくあるのです。
まさに、「パンクは忘れたころに続けてやってくる」状態です。
でも、道に落ちているこんな小さな針状のもの、自転車のタイヤで踏むなんて、相当の確率だと思うのですよ。
何かの暗示なのか…。
こんなとき、ハリウッド映画の主人公みたいに“Damm it, hell of a morning!”(朝から何てこったい、ちくしょうめぇ)と呟いてみたり、これを運が悪いとか、何か呪われているんじゃないかと日本人的に考えてみたりしても何も得るものはありません。
今度から、タイヤにものが挟まっていると感じた場合は、軽々に手を出さずに、駅まで行ってから取り除こうと思いました。
今回だって、引き抜かなければ渋谷駅まで走ることが出来た気がしますから。
 
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さて、通勤途上のパンクにはどう対処したものでしょう。
もう少しで教会なので、お祈りでもしながら善後策を考えようかなとも思ったのですが、それでは少し呑気すぎると考え直しました。
先日のパンクの際にも、「チューブだけは持ち歩こう」と書きました。
近所の自転車屋さんに持って行って、そこで修理を依頼したのち電車で仕事に行って、帰りがけに立ち寄って自転車を引き取るというのが、正統な対処法に思えます。
近くにブロンプトン・ジャンクションもあって、あそこまでなら押し歩きで持って行けるし、帰りは代官山で下車すれば良いわけですから。
しかし、こと「通勤」となりますと、時間が問題になってくるのです。
ジャンクションの開店は10時半。
しかしまだ8時半にもなっていませんし、開店を待ってからでは出勤に間に合いません。
閉店もまた19時半ですから、帰宅時にも間に合いません。
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通勤にブロンプトンを使ったらどうなるか実験中ではありますが、チューブだけならいらしらず、一年に一回もあるかないかのパンクに対して、タイヤレバー2本、レンチ2本、ゴム手袋、ポンプまで持ち歩きながら毎日往復するのは、ちょっとしんどいと思います。
それに、もし路上で治すことを想定しながらで通勤するのなら、もっと大径の自転車に乗るのと同じではありませんか。
それでは小径車の利点を活かしたことにはなりません。
旅に出て学ぶことは、トラブルを嘆いたり、他人や環境のせいにしたりすることよりも、このトラブルをどれだけ糧に変えようと自分で努力するかが大切だと思い直しました。
これは、人生においても全く同じだと思います。
今の世の中、自分はいかにトラブルを回避できるかに血道をあげ、いざ他人がトラブルに巻き込まれると、「ざまあみろ」とばかりに相手を蔑み、ああ、自分は大丈夫だと根拠のない自信をつける人が横行していますが、そんな生き方をしていたら、自分が見えなくなり、しまいには認知症に陥ってしまいそうです。
どんなトラブルに遭遇しても、自分のやれる範囲で責任を取ってゆき、あとは天に任せようという気概は、一朝一夕には身に着かず、こういう小さな場面を積み重ねることによってのみ、育んでゆくしかないようにおもいます。
Every problem has a solution.(どんな問題にも解決はある)という言葉の「解決」とは、そういうアウトラインの中にあるのだと信じています。
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幸い、パンクも含めた故障や、電車の遅延、止まったときなどのトラブルに備えて、仕事場にはだいたい1時間前に到着するように家を出ています。
そして仕事場のすぐ近くには、ワイズロードさんがあることを思い出しました。
あそこなら曳いて行っても10分とかからないから、自転車をパッと持って行ってサッと引き取って戻れます。
そうだ、ここから渋谷駅まで出て、地下鉄に乗ってゆけば、始業の40分前には新宿に着けます。
ふと見ると、目の前に客を降ろしたばかりのタクシーがハザードを点滅させて停車中です。
ここからなら、渋谷駅までの料金はワンメーターでしょう。
ブロンプトンを押し歩きして運転席に寄り、「駅まで乗せてもらえますか?」と訊いたのですが、「ごめんね~」と手を振ってタクシーは行ってしまいました。
ああ、ブロンプトンをたたんでいないから、乗るのは無理と思われたかもしれません。
仕方なく前輪を浮かせながら押し歩いてバス停へ。
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辿りついたのは、東急トランセ代官山循環バスの伊太利屋本社バス停です。
この界隈は通い慣れていて、日曜などミサ帰りにこのバスをよく見かけるものだから、一度乗ってみたかったのです。
停留所でブロンプトンをたたんでいたら、バスはすぐ来ました。
ハチ公バスと同じ小さなバスですが、乗っているのは高齢者男性が2人だけで、おしゃべりの真っ最中。
なんだか朝に風呂屋へ来たようなゆったりした気分で、バスから代官山界隈の車窓を楽しみます。
平日朝の通勤時間帯なのに、このあたりはあまり日曜日と変わりありません。
代官山の高級ブティックやレストランは開店が遅いから、まだ出勤時間になっていないのかもしれません。
いつも立ち寄る蔦屋書店さんは、代官山Tサイトという名の商業施設だったのだと、今回バスに乗って初めて知りました。
なるほど、「Tsutayaを創る」でTサイトですか。
このバスは代官山駅前から猿楽町、桜ヶ丘をまわって渋谷駅南口に到着しました。
このあたりはアップダウンが激しくて、自転車だと道を選ばないと抜けられないのですが、それだけに「あっ、ここは予備校があったところだ」とか、「オウム神仙の会ってこの場所にあったビルに入っていたんだよな」とかけっこう楽しみながらあっという間に渋谷駅に着いてしまいました。
そこから地下鉄に乗って新宿三丁目で下車すると、そのまま走るより10分遅いだけで到着しました。
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お昼の開店直後にブロンプトンをかのワイズロードさんに持っていったのですが、あとから電話がかかってきて、タイヤに色々なものが刺さっていて取りきれないとのこと。
溝はまだ充分にありますが、タイヤも交換しますかと訊かれ、それは断りました。
フフフ、そうでしょうとも。
それらは通勤に使い、かつあちこちへ行って刺さった勲章であり、出先でパンクする度に、対処方を考えるのが楽しみな私にとって、全部新品じゃなきゃいやなどという考えは出てこないのですから。
いつも1時間ほど余裕をみて通勤するようになったのは、4月の新学期シーズンに通勤電車が平気で20分~30分も遅れる日があるのを知っていたからでした。
特に雨の降る月曜日なんて最悪です。
だから、自転車通勤を試行する以前から、1時間前到着は心がけていたのですが、今回もそれが効を奏しました。
朝早く起きるのは、夜早く寝る、夕食は遅くには摂らないなど工夫が必要ですが、それで健康が買えるのなら夜更かしして夜食を食べるよりも安いものです。
もちろん、パンクしたこの日も帰ったら即行で寝るようにしました。
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