Quantcast
Channel: 旅はブロンプトンをつれて
Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

はまやらわのわらび餅にブロンプトンをつれて

$
0
0
高校生のころ、何度か原付で柳沢峠を越えましたが、峠の多摩川源流側へと下ってゆくと、最初に人家が現れるのは落合という集落で、峠から3.7㎞ほどくだった場所でした。
柳沢峠には売店がありますが、朝夕は閉まっています。
また、峠は掘割になっていて、とりたてて広い展望が得られるわけではないことは、前回書いた通りです。
イメージ 1

 
今回ご紹介するはまやらわさんは、柳沢峠から3㎞奥多摩方面へ下った場所、落合集落の間にあります。
こんなところに鉱泉宿があったかなと思っていたのですが、もとは炭焼き小屋だったそうで納得しました。
奥多摩湖よりさらに源流に近い丹波山(たばやま)村や小菅村は、行政区分でいうと山梨県甲州市になりますが、付近の山々のほとんどは東京都の水源涵養林に指定されていて、勝手な開発ができません。
イメージ 2

 
昔は国道411号線から分岐する枝葉の林道それぞれにバイクで乗り入れることができたのですが、今はがっちり柵がかかって、門柱にはしっかり監視カメラがついており、バイクはおろか自転車ですら入れません。
昔の自分みたいにお昼寝するなら問題ないでしょうけれど、いまは不法投棄やレイブのようなイベントを勝手に開く人たちもいて、山を汚されたくないというのが理由のようです。
もっとも宿のご主人によると、この付近の山は防火帯として植林と天然林の間に帯状の空き地が何キロにもわたって続いており、山の稜線側からマウンテンバイクで下る遊びをひそかにやっている人もいるそうです。
確かにグーグルアースで観察すると、それらしき帯が幾筋も走っています。
これなら、以前ちょっと触れた、ダウンヒル専用自転車ベルグメンヒなどを持ち込んだら面白そうです。
イメージ 3

 
で、この旅館はまやらわさん、源流の宿らしく名水で磨いたわらび餅が名物なのです。
柳沢峠から下ってくると、ついつい立ち寄って食べてしまいます。
秋も深まるこの時期、高地ゆえに相当の寒さですが、だるまストーブに薪が燃えて、独特の風情が漂います。
煙にいぶされていると、都会では見られなくなった焚火に当たっていた昔を思い出しました。
わらび餅の方は、白糖、黒糖によもぎ、柚子、季節商品の巨峰まで種類が豊富です。
甘さ控えめの白糖に、濃厚な黒糖と、これから奥多摩駅まで36㎞、途中多少の登りもあるので、力餅としていただくと良いかもしれません。
イメージ 8


イメージ 4
(愛想を振りまくのが上手だし、宿の犬としては合格です)
 
お宿には今年の夏に来た黒毛の甲斐犬がいます。
まだ小さくて遊びたい盛りなのか、お客さんを見ると「遊んでくれぇ~」とばかりにまとわりついてきます。
けれども一切吠えません。
20分くらいいましたがワンともスンともいわず、ドックブーマーと呼ばれる咥えて遊ぶおもちゃがシクシク音をたてるばかり。
甲斐犬(「かいいぬ」と読んでしまうと「飼い犬」と同音なので、「かいけん」と呼ばれています)は山梨県が原産の狩猟犬で、この犬は南アルプス市の保存会からきた、由緒正しい純血種の雌なのだとか。
イメージ 5

そういえば、飛びかかり方がどことなく猟犬らしい。
もう同じ甲斐犬とおぼしき雄の子犬が一匹いましたが、あちらは純血種ではないそうで、隔離するのだとか。
「お前さん、箱入り娘にしては、動きがあまりにもお転婆すぎやしないか」といいながら、犬嫌いの私でも、なんだかんだで相手をしてしまいます。
猟犬は成犬になるにつれ、用心深くて飼い主にしか懐かないというから、遊んでおくのなら子犬である今のうちだけかもしれません。
イメージ 6
(わたしは獲物ではありませぬ)
 
このはまやらわさん、宿泊は12食つきで10,000円からですが、これからの季節は公共交通機関がない以上車でしか行けないかもしれません。
奥多摩駅から丹波山までバスに乗り、そこから自走するという手もないわけではありませんが、ヒルクライムに相当なれている方でないと、きびしいと思われます。
宿の方によると、諦めて引き返してしまう方も結構いるらしいです。
ただ、奥多摩湖側からここまで登ってきたなら、あと約3キロで峠です。
甲州市側は、塩山駅まで一気呵成に下れますので、ここで引き返してしまったなら、本当にもったいないと思います。
イメージ 7
(ひえぇ、犬に対してはトラウマがあるのに…可愛いし、吠えないから許す)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

Trending Articles