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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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ブロンプトンPハンドルで冬の横浜散歩

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前にもご紹介したPハンドルのブロンプトンで、冬の朝の横浜をお散歩した時の感想です。

Mハンドル、Sハンドル、Hハンドル、Pハンドルと四種類あるハンドルタイプのうち、背の高い人用のHハンドルはともかく、一番背筋が伸びるのはPハンドルです。

だから、MSに比べてゆったりとした気持ちで乗れる自転車です。

あえて低い姿勢をとりたいと思うのなら、ハンドルの下の部分を握るという方法もありますが、そこにはブレーキがついていませんから、飛ばすのには不都合です。

ときどき背中を丸めたくなった時、信号待ちなどで両腕を通してよりかかるくらいです。

それでハンドル上部に顎をのせると、なんだかスキーの際にストックにもたれているような気分になります。

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今はロード・レージ(Road Rage)っていうのでしょうか。

煽り運転とか、幅寄せ、蛇行運転などが問題になっています。

普段はおとなしい人が、ハンドルを握っている最中にタガが外れたように怒りを表出するというのは、今に始まったことではありません。

私も風邪をひいて熱があるときに車を運転していて、駐車違反の車が道を塞いでいたのでイライラしながらも対向車に道を譲ろうと停止してパッシングしたところ、後続の車が突然乱暴に追い越して対向車と睨み合いを目の前ではじめてしまい、堪忍袋の緒が切れたことがあります。

後からものすごい自己嫌悪のブーメランを喰らいましたが。

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自転車でも例外ではありません。

通勤時間帯に初台から新宿にかけての甲州街道(国道20号線)を走ったことがあるのですが、まるでフライング満載の信号グランプリの連続でした。

停止線で止まっていると、必ず後ろから抜いて前に停車し、見切りスタートを切るのですが、自分の方が早いので脇を抜いてゆくと、またその先の信号で前に出るという行為を何度も繰り返され、それ以来自転車の多い時間帯の幹線道路はなるべく避けています。

歩行者として横断歩道を渡っていた時、信号無視の自転車に舌打ちされたこともあります。

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私なんかの世代ですと、子どものころから速く、力強く、要領よくなどと教育されているので、どうしても「人より速いこと=良いこと」「勝負は勝たないと意味がない」という感覚に陥りやすいのです。

でも、こと道路上で安全を天秤にかけてそれをすると、勝ち負けの問題ではなく生死の問題になりかねません。

車やオートバイ、自転車の運転の場合、「早し良し、ちょうど良し危うし、遅し悪し」ではりません。

どうしてもそういう風に思わないと運転できないのなら、ハンドルを手放してみることを選択肢にいれるべきです。

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フラストレーションがたまっているのかもしれませんが、そんなに急いで仮にほかの人を出し抜けたとしても、すかっとするものでしょうか。

私の経験からいうと、そういう運転をしている人は、余計に怒りをため込んでゆくのではないかと思います。

ドライバーの顔をみればわかります。

怒りが顔に出ていますから。

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で、Pハンドルのブロンプトンですと、はなから飛ばそうという気持ちになりません。

そんなに高くて立ち上がった姿勢で乗っていたら、風当たりも強いですし。

川べりのサイクリングコースなどで後ろからロードバイクの集団がきたら、さっさと道を譲ります。

こんな自転車で対抗しても仕方ないですから。

そして何か面白そうなものを見つけたら、すっと止まって観察します。

脇目もふらずに脂肪を燃焼させたり、目的地を目指したりする気持ちもわからないでもないですが、ちょこまか止まって観察できるのは自転車という乗り物の特権でもあるのです。

 
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そして、以前にも書いたかもしれませんが、Pハンドルの高いポジションは、意外なものを見つけるのに最適なのです。

このしゃんと背筋の伸びた乗車姿勢は、英国車であるランド・ローバー社の車に代表される、「コマンド・ポジション」という運転姿勢にそっくりです。

これも経験して知っているのですが、アップライトな姿勢で車を運転していると、寝そべった姿勢で運転しているよりも気持ちに余裕ができ、前の車との間隔をゆったり開けたくなるのです。

で、目の前の隙間にさっと割り込む車がいても、「あんな運転をして要領がいいなんて、自分は思いたくないし」と感じるのです。

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写真のブロンプトンは、Pハンドルにブルックスのレザー・バーテープ(Leather Bar Tape / Royal Blue)を巻いています。

サドルもブルーの記念サドルだったのですが、経年変化で今は黒になってしまいました。

Pハンドルのブロンプトンは、走っていていちばん目立ちますし、もう一台ロードバイクなどを所有して打て、ブロンプトンを購入したら使い分けする覚悟で、あちこちへつれて行ってのんびりお散歩したいという人にはぴったりだと思います。

もちろん、速く走ることなど最初から興味のない方にもお勧めです。
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