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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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グリーンカラーのブロンプトン

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私が最初にブロンプトンと出会ったころ、標準色は赤・緑・黒の三色でした。
その他にも色はたくさんありましたが、何年かに一度にチェンジするタイミングがあって、それでもこの3色は変化しないときき、やはりオーソドックスな色が飽きが来ないし、汎用的なんじゃないかと思って、この中から選ぶことにしました。
まず、日本人が車の色としてよく選ぶモノトーンの黒は外します。
道具に徹するならありかもしれませんが、光の無い状態を表すような黒は、個人的に好きではありません。
残った赤と緑のうち、好きなのは緑なのですが、緑って洋服がそうなのですが、合わせにくいんですよね。
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それに、小さいころ「妖怪人間ベロ」に似ているって言われたのがトラウマになっていて…。
ほら、あの子は変身すると緑になるじゃないですか。
あれが正体なのかもしれませんが。
大人になってダンディなベムになったかというと、そんなことなかったです。
あのアニメ、「人間とは何か」について、子どもなりに考えさせられる内容だったと思います。
醜い容姿を蔑まれながら、堅気に人間になりたいと努力する妖怪は哀愁が漂っていました。
しかし人間もまた、誰もが自分ではどうしようもない、ドロドロした妖怪的な部分を持っているものではないでしょうか。
生きているうちには大した理由でもないのに人から称賛されたり、逆に蔑まれたりすることはあるかもしれないけれども、それでも自己と希望は失わないってちょっとした人生論です。
なお、子どもたちに人気だった「黄金バット」(笑い声をマネ出来たらヒーローでした)とともに、日韓合作なんですよね、あれ。
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で、子どものころからよく着ていた服の色である赤に結局決めたのですが、あくまでも好きな色は緑なので、気になっていました。
ところで、日本語では緑色って青色に含まれる場合が多いですよね。
やはり子どものころ、「青信号」って言葉に違和感を持っていました。
あれは正確には「緑信号」だろうと。
青と黄色を混ぜて作る緑色が、もとの青と同じというのが納得できなかったのです。
実際に、緑という色を表す言葉は青よりも新しくて、もともとは若々しさ、瑞々しさを表す形容詞からあてられるようになったとききます。
 
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こうして緑色のブロンプトンを眺めてみますと、「情熱の赤」に対して「目に優しい」緑という感じで、背景に溶け込んでいます。
グリーンにも、アップルグリーンとかセージグリーンとかありますけれど、このオーソドックスな緑は小径車なのに落ち着いた感じがします。
カトリックの教会の司祭が肩に回している布(ストラといいます)も、赤は殉教(!大変だ、神さまのために命を差し出さないと)、緑は希望、堅信、忍耐深さなどを表し、日常よく見るのは緑の方なのです。
ちなみに、英語のオーソドックス(orthodox)の語源は、ギリシャ語のオルトドクソス(ορθόδοξος)で「正統な教え」という意味です。
 
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また、自転車とは関係ありませんが、モータースポーツの世界において、“British  Racing Green”という言葉がありますよね。
国際モーターレーシングの世界において、英国のナショナルカラーは緑なのです。
これは、20世紀初頭の英国において、自動車レースは違法であり、国内で開催できなかったため、代わりにアイルランドで開催され、その際アイルランドの国花であるシャムロック(シロツメクサに代表される、いわゆる三つ葉のクローバー)に敬意を表して英国車がグリーンに塗られたことによるといいます。
ロータス、ジャガー、ベントレー、ローバーなど英国車のカタログには、必ずブリティッシュ・グリーンカラーの車が載っていると思います。
そういう意味では、チャンピオンシップに出場するなら、グリーンカラーのブロンプトンが「正統」なのかもしれません。
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