Quantcast
Channel: 旅はブロンプトンをつれて
Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

朝寝坊をブロンプトンでフォローする

$
0
0
イメージ 1
(東横線の車窓から。9月に入ってどんどん日が短くなっていると思います)

学校を卒業して社会人になりたての頃は、誰でも生活習慣を変えるのに苦労するものだと思います。
しかし、旅行会社に入ると特に入社したての頃は、通常の出社のほかに「添乗」というイレギュラーな生活サイクルが入るため、睡眠時間を一定に保つことはできませんでした。
普通に出社する時は、日付またぎでの就寝は避けようと思ってはいたものの、添乗が入ると、深夜0時を回ってから寝て、朝の5時には起きだすなんてこともよくありましたから。
就寝が遅くなる理由は、一般企業の添乗なら次回の旅行獲得のため、幹部やオーガナイザーなどと旅先で深夜までお酒の付き合いをすることが多かったし、教育旅行とよばれる学校の旅行でも、生徒が寝静まった後に延々と続く職員会議に末席でお付き合いせねばならなかったのです。
イメージ 2
(新幹線改札口にいちばん近い階段下に乗り付けます)
 
朝は当然に、朝食準備確認や出発前の段取り確認など、やらなければならないことがたくさんありましたから、お客さんが6時に起きるならその1時間前には起きていなければなりませんでした。
これでも睡眠時間が4時間あれば良い方で、先輩社員はほかの仕事の段取りのために依頼書を書いてファックスしたり、この旅行なのか別の旅行なのか分からないですが、電卓片手に清算業務をしたりしていて、殆ど寝ていないのではないかと思いました。
それでは長距離移動中の機内や車内で眠ることができるかといえば、なんだかんだで声をかけられることも多くて、まともに熟睡できる状況ではありませんでした。

イメージ 3

そんな状況ですから、添乗中の第一の恐怖といえば朝寝坊なのです。
当時、休みの日に自宅で寝ていて、何のお務めもないはずなのに、目が覚めた途端に「しまった!」と飛び起き、二重にかけてあるはずの目覚まし時計を「なんで鳴らないんだよ」とばかりに焦っていじくりながら、ふと「ああ、今日は休みだった」と気づく経験を何度もしました。
添乗中ともなると、部屋に備え付けのアラームとは別に小型目覚まし時計を携行し、さらに携帯電話のアラーム機能まで利用するという三段構えで臨んでいました。
それでも寝坊して朝食会場に遅刻して先輩社員から叱責を受けるという夢を止めることまではできませなんだ(笑)
イメージ 4

 
最近、久々に朝寝坊してしまったので、今日はそのことを書きたいと思います。
それは前の日に新横浜始発6時ちょうどのひかり439号の指定席特急券と乗車券が一緒になった切符を購入した日の夜のことでした。
翌日の朝、荷物を持ってゆかねばならない関係から、自宅から新横浜駅までブロンプトンでの自走は無理だと諦めた私は、目覚まし時計を午前4時半にセットしました。
持ってゆく鞄の中身は確認したし、着替えと洗面を済ませて5時少し前に出れば駅までブロンプトンでゆっくり走って15分、そこから電車を乗り継いで25分と、新横浜駅にはひかり出発時刻の30分前には辿りつける計算でした。
5時前に起きるには22時前に就寝します。
難しい本を読みながら床に就いたのは21時半。
はっと気がつくと午前0時半で、部屋の灯りが煌々と点いています。
どうやら本を読んだまま寝てしまったようで、トイレへ行って慌てて消灯したのですが、4時くらいにもう一度トイレで目が覚めてしまいました。
イメージ 5
(座席の指定を機械任せにしたら、14号車になってしまいました。やはり号車席番は自分で指定した方が確実です)
 
次に意識を取り戻した瞬間、窓の外が妙に明るいのに気がつきました。
時計をみたら5時を5分回ったところです。
しまった、無意識に目覚ましを止めてしまったと思うと同時に飛び起きて、支度をしながら計算します。
10分後に玄関を出たとして、駅に着くのは5時半くらい。
菊名で横浜線に乗り継ぐのに4分あって、新横浜到着は544分だから絶対に間に合うと自分を落ち着かせ、その通りに行動しました。
さて、駅に到着してみると、いつも来るはずの下り急行の一番列車が時間になっても来ません。
この時点で週末だったことを初めて思い出しました。
そうすると、東横線が2分後ろへずれるので、菊名での乗り換え時間は2分しかありません。
イメージ 6

まぁ落ち着けと自分に言い聞かせ、いちばん乗り換え口に近い先頭車両のドア際に立ちます。
菊名駅に到着したら、駆け込み乗車と言われぬ程度に早歩きで階段をのぼり、横浜線乗り換え口へ。
2分も余裕があるのに、周りの乗り換え客は猛ダッシュをかけて先へ行ってしまいました。
と、今までと様子が一変しているのに気がつきました。
前は階段をおりた下に改札機があり、東横線の清算としてICカードをタッチすると同時に、横浜市内からのJR乗車券・指定席特急券を機械に挿入すればよかったのですが、今回は階段手前に改札機があります。
これまでと同じ調子でICカードをタッチしてJR券を差し込むと、赤いランプがついて通せんぼ状態になってしまいました。
仕方なしに係員にきくと、「ああ、東横線の下車とJR線の改札は別々になりましたので、JR券は入れないでくださいとのこと。
そんな変更、知りませんでした。
イメージ 7

 
東横線の改札を出た途端、横浜線が入ってくるのが目に入りました。
まずい!とばかりにブロンプトンを抱えて目の前のエスカレーターを登ります。
ところが、以前の下り階段より1.5倍くらい長くなっており、それをのぼった少しさきにJRの改札が見えました。
改札で切符を通し、駆け込み乗車にならない程度にホームへ急ぎます。
おそらく、横浜線のドアが開いたのとJRの改札を通ったのが同時くらいで、その先の下りエスカレーターに乗ってホームが見えてきたときには、既に横浜線の電車は扉が閉まっておりました。
542分発の次は555分までありません。
新横浜はお隣の駅ながら、到着は57分で、新幹線の発車時刻まで3分しかなく、標準乗り換え所要時間の5分を切っています。
これとてもし平日なら次発は菊名551分で、新横浜駅到着は53分になり、ちゃんと間に合うのです。
おそるべし、週末の時間差攻撃。
 
イメージ 8
(雲の切れ間から富士山がのぞきました。初冠雪はまだ先です)

ここで、一般のお客さんの目には触れない時刻表のお話をいたしましょう。
私たちが駅やネットで見ている時刻表は分単位で表示されていますよね。
しかし、運転手や車掌さん、駅事務室の中で共有されている時刻表は、15秒刻みなのです。
お客さんに表示する際には、端数の秒単位が切り捨てられているわけです。
つまり、東横線菊名到着時刻が540分でも、この内部時刻表が54045秒であり、いっぽう横浜線の菊名出発時刻が542分ちょうどだとすると、分単位の時刻表では2分の余裕があっても、実質115秒しか乗り換え時間はないということになります。
だから、新幹線などの標準乗り換え時間は、この最大45秒×2=90秒の誤差を勘案したうえで、少し多めに表示しているのです。
こんな事情は乗り鉄でもない限りご存じないでしょうが、新横浜駅における3分の乗り換え時間は、途中に障害が無ければ問題はありません。
しかし、横浜線の到着時刻が55745秒で、新幹線の出発時刻が6時ジャストでしたら、245秒しかないことになります。
イメージ 9
(横浜線の線路に沿うと丘越えになるので、迂回します)
 
あわてて上りエスカレーターに乗り直し、改札口に行って切符を見せながら事情を話します。
「次の電車に乗っても新幹線に間に合わないかもしれないので、改札を取り消してください。」
対応した女性駅員は事情がのみこめないようです。
「新横浜まで自転車で走りますから、改札を無かったことにしてください。」
そこでようやく「取消」のスタンプを押してもらいました。
ただ、いちど機械を通してしまったので、新横浜駅では駅員に事情を話して機械をスルーしてもらわねばなりません。
JR菊名駅改札口前をエレベーターでくだって西口地上出口へ。
この時点で545分です。
イメージ 10
(ごっつい京都駅が見えてきました)
 
新横浜駅までは丘の周囲をぐるりとまわるフラットな道で1.7㎞です。
一方通行路の狭い路地で、車にとっては逆行になりますが、自転車は除外されています。
ブロンプトンを開くのに1分、新幹線改札のすぐ下にある出口前まで走って67分、たたんで1分、そこから階段を1階分のぼって改札を通り抜け、新幹線ホームまで2分として合計11分。
実際には4分しかかからず、549分には新横浜駅に到着し、551分にはブロンプトンにカバーを掛けて新幹線ホームにあがっていました。
余裕でおにぎりと水を購入し、出発5分前にはブロンプトンを指定された席の網棚にのせて、横浜線が到着するのを窓越しにみていました。
ひかり493号発車ぎりぎりになって、私同様に菊名駅で横浜線に乗り遅れた人が駆け込んできましたが、彼らはホームでお弁当を購入したりする余裕はなかったようです。
イメージ 11
(前にも書きましたが、ひかり493号は新神戸まで後続ののぞみに先行します)
 
朝寝坊したくらいですから、列車の中ではウトウトしていましたが、富士山はしっかりチェックしました。
今回、久しぶりに新横浜駅から朝一番のひかりに乗車したわけですが、菊名駅の改良には気がつきませんでした。
もうひとつ、京都駅到着が4分早まって、759分になっていました。
これなら山陰線や奈良線への乗り換えも、多少余裕ができそうです。
目的地の都合で二条駅まで行ってから下車したのですが、京都は横浜よりもずっと蒸し暑いのでした。
イメージ 12
(朝8時過ぎなのに蒸し暑いのでした)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

Trending Articles