週の何日かを、自転車で自宅と都内を往復していると、気がつくことがいろいろあります。
この時期は、当たり前ですがお盆のガラガラになった都内の様子。
平日朝の通勤時間帯にもかかわらず、いつもと違って車はもちろん、歩行者も普段の3割くらいしか歩いておりません。
電車は座れなくても、乗車を躊躇するような混雑とは無縁だし、バスもまた積み残しなどありません。
それでいて、交通インフラは平日運転しているから、すぐに利用できます。
今夏の場合は、お盆に入った途端に暑さに勢いがなくなったような感じがしました。
毎朝5時前に起きていると、日の出の時刻がだんだんと遅くなっているのを実感するとともに、タイミングだけではなく、太陽の出る方角や昇る角度がどんどんずれているのを感じます。
また、人が余り活動していない時間帯ですから、気温や湿度が今朝はガクンと下がったというのが皮膚感覚でわかるのです。
それだけではなく、朝の空の見立てや、風の吹き具合から、大気の状態が大きく変わったことが分かりまず。
天気予報などで、冬場などによく「上空に冷たい空気が入り込んで…」という表現を耳にしますが、同じように夏場でも、今日は上空に涼しい空気が入ったなとか、丁度気候の境目で大気の状態が不安定になっているのだなということを、身体で感じることができるのが、自転車通勤のメリットなのだと思います。
ただ、お盆に入って朝の都内を自転車で走っておりますと、そうした微妙な気候的変化よりも、人が少なくなったことによる過ごしやすさが、より感じられる気がします。
7月から8月の台風が来るまでの暑さは、都内では特に、自然の暑さというよりは、自動車や冷房の排気熱が原因の暑さが酷かったように思えます。
交通量が減少しただけで、こんなに路上の体感温度が下がるのかと思いましたし、電車の中も冷房効率がよいせいか、そんなに冷やさなくても十分涼んでいられます。
それは逆に考えると、お盆の時期以外の都内は、いかに過剰な熱量を抱えていたかということの裏返しでもあるわけですが。
最近暑さを避けるために、時間をずらして早朝や夕方以降に自転車に乗るという提案をしましたけれども、もし、夏の都内を自転車で見て回るのであれば、お盆の時期がいちばんよいのかもしれません。
自転車ツアー業をやろうと考えた時、場所と時間を固定することを前提にしてしまったのですが、そこが足かせになったと考えるようになりました。
たとえば、暑い夏の時期だけは比較的涼しい北の方や、標高の高い冷涼な場所で営業して、夏が終わったころ、ブロンプトンをつれた牧童みたいな感じで山を下りて、街や、海辺で営業する方が、自転車に乗ってもらって、良き思い出作りのお手伝いになるような気がします。
そのサイクルの中で、お盆の時期だけは特別に都内観光しましょうと誘導した方が、街の事情をよくわからないツーリストに対して、より親切だと思います。
そして、こうしたノマドワークのようなスタイルこそが、コンパクトにたためて移動が簡便であり、僅かなスペースでも収納が可能なブロンプトンの特性を活かした、ビジネス・モデルとなるのではないかと考えるようになっています。
子どものころから、夏の海岸で海の家を利用し、冬のスキー場でペンションや食堂をみてきて、季節商売、お天気商売って大変だと思ってきたのですが、自転車は、場所を移すことによって季節商売の壁を乗り越えられるのではないでしょうか。
仕事としてはまだまだ詰めが甘い、と言われるかもしれませんが、では暑い夏にどこへ行ったら涼しく自転車に乗れるのか?
この機会にアイデアと実践とを書いてゆきたいと思います。