ブロンプトンをつれて旅をしていていつも思うことがあります。
それは、マイカー(オートバイも含む)や観光バスに乗って旅することと決定的に違うところがあるという部分です。
何がちがうかといえば、自分の身体を使って移動するところなのだと思います。
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昔はマイカーなど皆が持っていなかったし、仮に持っていたとしても道路網が未発達で車の性能も今より格段に落ちていましたから、国内旅行は公共交通機関を利用するのが当たり前でした。
上野駅や新宿駅のホームには、繁忙期は改札の外にまで自由席を確保しようと列車ごとに座り込む人たちの列が続いていたと記憶しています。
乗ったら乗ったで混雑していて、網棚で寝ている猛者もおりました。
あれもある意味では自分の体を張って旅をしていたのだと思います。
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公共交通機関の旅ですから、駅から先はバスの便が無い場合や、あっても停留所から宿泊施設まではけっこうな距離を歩いたものです。
当時の小学生には宿泊はユースホステルくらいしか選択肢がなく、がんばって国民宿舎でした。
そういう施設はたいがい駅から遠いところにあって、自家用車やバイクで来る人の方がマイノリティでしたから、ほとんどの宿泊客は歩いていました。
猪苗代駅を午前4時40分発の列車に乗るために、荷物を背負いながら4㎞以上の道のりを30分で走ったこともありました。
浜頓別では駅から歩いて行った夕方に見た、クッチャロ湖畔が濃い紫色に染まる様を今でも忘れられません。
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振り返ってみると、ああして体を使って旅をしていたから、その土地の空気に馴染むこともできたし、出会いも会話もたくさんあったし、食事もおいしくいただけたのだと思います。
そしてお風呂では気持ちよく汗を流すことができたのでした。
いまこうしてブロンプトンで走ることを旅の中に組みいれてみて、人間、心と身体はつながっているのだと実感します。
できればこのままブロンプトンをつれる旅を続け、マイカーのみを使っての旅行や、バス旅行には戻りたくないと感じています。
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