ブロンプトンで有酸素運動をしましょうという記事を書いていて、ふと思いました。
ひょっとしたら、世の中には有酸素運動を生活に取り入れた経験が全くない人もいるのではないかと。
私が中高生の頃はまだ「スポ根もの全盛期」の時代で、とにかく学校へいったら毎日走らされていました。
中学の頃なんて、一年間365日最低3kmは走っていたから年間合計で1,000kmということは、毎年江戸と京都を飛脚のように往復していた勘定になります。
「勝ってよし、負けてまたよしなんたらかんたら」とか「涙は心の汗だ。筋肉痛は体の悲鳴だ」(笑)などとふざけながらも、走っている最中はけっこう真面目でしたね。
でも走ることはすべての運動の基本というように、体操して、走って、サーキットトレーニングして、それから泳ぐというのが水泳の基本でもありました。
だから今も「体がこのままでは生活習慣によって蝕まれる」と思ったら、毎朝走るようにしています。
つまり、ブロンプトンで走ることと、ランニングすることは、あれかこれかの代替関係ではなく、あれもこれもの補完関係にするとなお良いと思うのです。
ということで、今日のお題はブロンプトンで運動する気なら、ぜひランニングを併用しましょう、です。
ええっ?
この歳になってランニングするの?
と、特に走る習慣をつけたことのない人は思われるかもしれません。
(そういう風にならないためにも、若いうちに走る習慣は経験した方がよいと浪馬心ながらに思うわけです)
でも、走ることはたんにスタミナをつけるとか、痩せるとかいう目的だけでなく、日常生活における運動、たとえば歩くとか、腰かけるとか、眠るとか、そういう動作も楽になると思うのです。
日常的な運動の習慣は、イライラが治まって精神的に安定したり、前向きになって自信をつけたりする効用もあると思います。
私は京都まで歩いた時、後半になってからふだんはランニングするようになりました。
体力をつけるためもありましたが、長距離歩行動作の基本を確認する意味合いもありました。
また、今の時代早起きすると走っている老若男女をたくさんみかけます。
多摩川とか荒川の土手など行けば、それこそ平日であっても早朝にランニングしている方はたくさんいらっしゃいます。
(なぜか夜中にお散歩している人も同様に大勢いらっしゃるみたいですが)
ということは、昔みたいなスポ根モードに入らなくても、モチベーションが維持できるではないですか。
誰も走っていない場所より、ほかに走っている人がいる場所の方が、心理的にずっと走りやすいはずです。
ブロンプトンをお持ちなら、近所でそういう人たちが集まる公園や河川敷、海辺などまで行って、景色のよいところでランニングすることも可能です。
○道具や服装を揃える
陸上部と水泳部は揃える道具においていちばん安上がりなんて言われていましたけれども、最低限の準備だけはいたしましょう。
・靴;ランニングシューズはたくさんあります。
経験から言うと、あまりケチらない方がよいです。
消耗品ではありますが、その方が長持ちしますから。
最低でも15,000円以上のものが良いと思います。
アウトレットなどにゆくとデザインはいまいちでも機能性にすぐれたシューズを比較的安く手に入れることが可能です。
クッション性の良いものを用意しましょう。
走るという動作は、思った以上にくるぶしや膝、腰に衝撃や負担をかけるものなのです。
(その点は自転車に乗ったり泳いだりする方が断然有利です)
・服装;これも最近はたくさん出ています。
暑い時期は、吸湿性と透過性、速乾性があるシャツでよいと思います。
問題は秋から冬にかけてのランニングシーズンです。
走っているときは暑いのですが、終わったあとにその汗で体を冷やしてしまいます。
薄くて軽い布でできていて、走っているときは腰に巻いておいて、走り終わったら羽織るランナー向けのジャケットを買ったことがあるのですが、ブロンプトンで秋に高山へ行った際に重宝しました。
山の上では寒いくらいなのに、下へ降りたら夏などというときに、下界で長袖を着ているわけにはゆきませんでしたから。
山用のジャケットにも薄くて軽いジャケットはあります。
カラフルで明るい色のブルーや緑だと、自転車に乗っていても安全に資すると思います。
なお、下は寒くても短パンの方が私は好きです。
足は出した方が動かしやすいですから。
○いつ、どこを走るか
・どんな季節のどんな時間帯に走るか
マラソンシーズンが秋から冬にかけてのように、走るのは寒い時期の方が楽です。
夏は8時を過ぎると路上はどんどん気温が上昇し、たちまち灼熱地獄になるので、その前に走らないと苛酷さに音をあげてしまいます。
その点冬は前述の上着さえ用意できれば、いつでも走れます。
ただ、何の習慣もそうですが朝なら朝と、決まった時間に走った方が長続きします。
それに、朝方は車が少ないから走りやすいというのは自転車と同じです。
そして夜は安全上の問題がありますからできれば避けたいところです。
夜走って家に帰って風呂に入ってビール飲んで寝るというのは、いっけんすると寝付きが良さそうなものの、ビールは高カロリーですし、脱水症状を促進してから就寝寝るようなものですから、そういう習慣は逆効果のように思えます。
・どうやって習慣化するか
何のスポーツもそうですが、毎日少しずつでも行うに越したことはありません。
習慣化するまでの期間は個人差があるから何とも言えませんが、一週間から10日も続ければ、「走らない日は気分が悪いな」という感じになります。
最初に365日走っていたと書きましたが、その当時は1日休めば2日分退歩するなんて言われていましたから、休むに休めなかったのです。
なお、ブロンプトンで走るのを習慣にするのと同様、通勤・通学にランニングというのが効率的には良いのでしょうが、こちらは自転車通勤ほど見掛けません。
きっと着替えやシャワーの問題があるからだと思います。
・どこを走るか
性格にもよるのでしょうが、私は河川敷とか海辺とか、あまり景色が変わらない道を延々と走るのは苦手です。
このような道は日影がないことと、「あそこまで行ったら引き返そう」という目印が少ないことで、精神的につらい部分があります。
また、同じところをぐるぐる回るのも飽きやすい人にはお勧めできません。
最近は音楽を聴きながら走っているランナーも多いですが、私だったら何を聴かずとも頭の中で映画「炎のランナー」のテーマが回ってしまいそうです。
私と同年代の人たちは同じく「ロッキー」のテーマの方がメジャーかもしれません。(笑)
かといって、幹線道路はいくら歩道の幅が広い道(例;山手通り)でも空気が悪いからやめておいた方が無難です。
ということで、お勧めはブロンプトンの小径と同じく鉄道沿線の旧道です。
たとえば北品川から大森海岸までの旧東海道は、ランニングコースとして適地だと思います。
信号は少ないし、適度にカーブしていて江戸時代の飛脚気分が味わえます。
ここらへんもブロンプトンで走る習慣と似ているので、シンクロさせることができます。
ふだんランニングしている道をブロンプトンですーっと走ると、自転車ってなんと秀逸な道具なのだと感動できます。
(つづく)