ブロンプトンをつれた旅にもいろいろありまして、旧東海道のようにひたすら西を目指しながら歴史を巡る旅や、海や山へ景色を見に行く旅、和菓子屋さん巡りのようなテーマ旅等々、このブログではどちらかというと挑戦的なテーマでやってきました。
そのいっぽうで、ゆるーい旅はあまり取り上げていない気がします。
そこで、もっと気軽でお財布にも優しく、時間もかけないで、皆が旅というと連想するような最大公約数的なお手軽旅はできないかと考えてみました。
(出発時間からして全然気軽ではありません)
今は日帰り観光バスの旅などがウケているそうですね。
キーワードは「安・近・短」だそうです。
観光、温泉、うまいものを組み合わせたお気軽な日帰り旅に、ブロンプトンを連れて行くのはどうでしょう。
まずは、プランニングです。
上記3つの中で、日帰り旅にインパクトをもっとも与える要素はどれでしょう?
観光や食事は、東京や横浜でも素晴らしい場所や店があります。
日帰りで安く行けるところにも、そこそこ都会にはないすばらしい景色や場所はあるものの、印象となると差をつけるのは難しそうです。
その点、温泉はよいお湯とロケーションに恵まれれば、東京や横浜に差をつけることができます。
宿泊旅行なら宿の良しあしが旅の印象を決めてしまうのと同じです。
ということで、観光、温泉、食事のうち、温泉をメインに目的地を考えてみます。
ところで、日帰りということになると、かなり場所が絞られます。
箱根、熱海、伊豆が真っ先に思い浮かび、次に草津、伊香保、鬼怒川、那須と続きます。
でも、こうした有名どころはどうせなら泊まりたくなります。
それに、温泉街には坂が多く、あまりブロンプトンで行くアドバンテージを見出せません。
(ほんとうは駐輪やバスの利用など、ブロンプトンを連れていた方が機動力は格段に増します)
もっと日帰りで通好みの温泉はないだろうか。
小田急沿線の飯山温泉や鶴巻温泉はちょっと違うし、横須賀の阿部倉温泉は休業してしまいました。
埼玉の奥に、日本でいちばん強アルカリの温泉があるのは知っていますが、あそこはひと晩二組しか客をとらず、日帰りをやっていないし、泉温が15度以下で加熱しないと入れないはずだから、やはり目的地には無理があります。
だいいち、ちょっと近すぎて旅行気分を味わえません。
(東海道本線の熱海行きに乗り換えると、横須賀線が並走します)
うーん、できれば早朝に出て早めに帰ってこれるところで、近からず遠からず・・・と思うと東海道線沿線です。
帰りは来た列車にすぐ乗れる、東海道新幹線という手がありますから。
そんなこんなで静岡県内の安部川最奥部にある梅ヶ島温泉や、大井川の奥にある寸又峡温泉を地図で眺めていたら、二つの温泉の間にも小さなサカサクラゲマークがあるではないですか。
口坂本温泉、油野温泉、平山温泉。
旅行会社時代も名前を聞いたことのない温泉です。
どれも静岡市葵区内にあるのですが、口坂本温泉以外はホームページがなく営業しているかどうかさえわかりません。
(早川~根府川間)
こうなると、行って確かめてみないと気が済まなくなりました。
ということで、静鉄バスの時刻表をひきながら、マピオンで停留所を確認し、計画を練ります。
前二者は安部川の支流、中河内川の奥にあります。
口坂本温泉など、大井川との分水嶺(峠の向こうは井川湖)まであと6~7㎞という場所で、静岡市内とはいえかなり標高が高く、南アルプスの懐に入った場所にあります。
対して平山温泉は長尾川の上流、竜爪街道の奥にあり、新東名高速が上を通過するようになって、秘湯の風情が薄れたと行った人のレポートにはありました。
バス時刻表によると、朝9時台のバスに乗れば、口坂本温泉の4㎞下までゆけそうです。
まず、一番標高の高い場所にある口坂本温泉に浸かり、ついでバス道を戻って油野温泉に立ち寄り、さらにお隣の谷にある平山温泉には謎の隧道を2つくぐって、3つの秘湯を連続で巡るという欲張りなプランを立てました。
(静岡駅北口)
バスと電車の乗り継ぎの合間に観光するということで、静岡の地名由来にもなった賎機山麓にある浅間神社に立ち寄り、山の中で何件かある謎の食事処で昼食を食べ、そして最後は安倍川餅などの静岡スィーツでしめればよいと考えました。
往復は新幹線でもよいし、朝一番の東海道線でもバスに間に合います。
ということで、カメラマンさんを誘って思い付きで出かけることになりました。
集合は武蔵小杉駅4時30分。
旧東海道の旅と同じく横浜、熱海乗り換えで静岡駅7時33分着。
余裕だぁと思い、北口のバス乗り場に行って時刻表を見たところ、第一のトラブルに見舞われました。
(静岡浅間神社―後ろが賎機山)
家のPCで調べたときは、8時35分のバスに乗ればよいと計画を立てていたのに、そのバスはずっと手前で別の谷に入ってしまうバスだったのです。
実際に口坂本温泉の下までゆこうとしたら、9時45分のバスが始発で、その次の便は12時21分発です。
それなら朝3時起きして出ることはありませんでした。
とにかく近くのファストフードで朝ご飯を済ませ、静岡浅間神社に立ち寄って参拝した後、少しでもバス料金を安くしようと安部川を上流へさかのぼります。
こんなトラブルでもなければ、静岡市内など自転車で走りませんしね。
(安倍川河川敷を走る―当たり前ですが日影がありません)
バスが静岡駅を発つまで1時間以上もあるから、のんびり走ってもかなり上流の方まで行けそうだと新東名高速道路の新静岡IC付近までブロンプトンで走ったところ、第二のトラブルに見舞われました。
道端の道路情報案内板に、これから行く先の県道が土砂災害で通行止めと表示されています。
しかも、バスの終点と第一目的地温泉の中間、温泉まであと2㎞の地点です。
なんの、ブロンプトンなら担いで通過してしまえばいいや、困難を乗り越えてゆくのが男のロマンだと思いました。
念のため日帰り入浴施設に問い合わせてみると、「自転車ですか、たぶん無理ですよ。歩行者も通れませんから」とのお答えでした。
スマホで調べてみると、去年の7月から1年以上通行止めが続いて、どうやら斜面全体がそっくり落ちてしまう大崩落を起こしているようです。
わたし林道マニアでしたから、あの悲惨な状況をよく知っています。
では手前にある第二目的地の油野温泉はどうだろうと電話してみますが、誰も出ません。
行った人のブログだと普通の民家でしたし、何年も前のレポートでしたし、営業しているのか不明でした。
これは早々に平山温泉一本に絞った方がよさそうだという結論に至りました。
(つづく)
(新東名新静岡IC付近で挫折しました)
そのいっぽうで、ゆるーい旅はあまり取り上げていない気がします。
そこで、もっと気軽でお財布にも優しく、時間もかけないで、皆が旅というと連想するような最大公約数的なお手軽旅はできないかと考えてみました。
(出発時間からして全然気軽ではありません)
今は日帰り観光バスの旅などがウケているそうですね。
キーワードは「安・近・短」だそうです。
観光、温泉、うまいものを組み合わせたお気軽な日帰り旅に、ブロンプトンを連れて行くのはどうでしょう。
まずは、プランニングです。
上記3つの中で、日帰り旅にインパクトをもっとも与える要素はどれでしょう?
観光や食事は、東京や横浜でも素晴らしい場所や店があります。
日帰りで安く行けるところにも、そこそこ都会にはないすばらしい景色や場所はあるものの、印象となると差をつけるのは難しそうです。
その点、温泉はよいお湯とロケーションに恵まれれば、東京や横浜に差をつけることができます。
宿泊旅行なら宿の良しあしが旅の印象を決めてしまうのと同じです。
ということで、観光、温泉、食事のうち、温泉をメインに目的地を考えてみます。
ところで、日帰りということになると、かなり場所が絞られます。
箱根、熱海、伊豆が真っ先に思い浮かび、次に草津、伊香保、鬼怒川、那須と続きます。
でも、こうした有名どころはどうせなら泊まりたくなります。
それに、温泉街には坂が多く、あまりブロンプトンで行くアドバンテージを見出せません。
(ほんとうは駐輪やバスの利用など、ブロンプトンを連れていた方が機動力は格段に増します)
もっと日帰りで通好みの温泉はないだろうか。
小田急沿線の飯山温泉や鶴巻温泉はちょっと違うし、横須賀の阿部倉温泉は休業してしまいました。
埼玉の奥に、日本でいちばん強アルカリの温泉があるのは知っていますが、あそこはひと晩二組しか客をとらず、日帰りをやっていないし、泉温が15度以下で加熱しないと入れないはずだから、やはり目的地には無理があります。
だいいち、ちょっと近すぎて旅行気分を味わえません。
(東海道本線の熱海行きに乗り換えると、横須賀線が並走します)
うーん、できれば早朝に出て早めに帰ってこれるところで、近からず遠からず・・・と思うと東海道線沿線です。
帰りは来た列車にすぐ乗れる、東海道新幹線という手がありますから。
そんなこんなで静岡県内の安部川最奥部にある梅ヶ島温泉や、大井川の奥にある寸又峡温泉を地図で眺めていたら、二つの温泉の間にも小さなサカサクラゲマークがあるではないですか。
口坂本温泉、油野温泉、平山温泉。
旅行会社時代も名前を聞いたことのない温泉です。
どれも静岡市葵区内にあるのですが、口坂本温泉以外はホームページがなく営業しているかどうかさえわかりません。
(早川~根府川間)
こうなると、行って確かめてみないと気が済まなくなりました。
ということで、静鉄バスの時刻表をひきながら、マピオンで停留所を確認し、計画を練ります。
前二者は安部川の支流、中河内川の奥にあります。
口坂本温泉など、大井川との分水嶺(峠の向こうは井川湖)まであと6~7㎞という場所で、静岡市内とはいえかなり標高が高く、南アルプスの懐に入った場所にあります。
対して平山温泉は長尾川の上流、竜爪街道の奥にあり、新東名高速が上を通過するようになって、秘湯の風情が薄れたと行った人のレポートにはありました。
バス時刻表によると、朝9時台のバスに乗れば、口坂本温泉の4㎞下までゆけそうです。
まず、一番標高の高い場所にある口坂本温泉に浸かり、ついでバス道を戻って油野温泉に立ち寄り、さらにお隣の谷にある平山温泉には謎の隧道を2つくぐって、3つの秘湯を連続で巡るという欲張りなプランを立てました。
(静岡駅北口)
バスと電車の乗り継ぎの合間に観光するということで、静岡の地名由来にもなった賎機山麓にある浅間神社に立ち寄り、山の中で何件かある謎の食事処で昼食を食べ、そして最後は安倍川餅などの静岡スィーツでしめればよいと考えました。
往復は新幹線でもよいし、朝一番の東海道線でもバスに間に合います。
ということで、カメラマンさんを誘って思い付きで出かけることになりました。
集合は武蔵小杉駅4時30分。
旧東海道の旅と同じく横浜、熱海乗り換えで静岡駅7時33分着。
余裕だぁと思い、北口のバス乗り場に行って時刻表を見たところ、第一のトラブルに見舞われました。
(静岡浅間神社―後ろが賎機山)
家のPCで調べたときは、8時35分のバスに乗ればよいと計画を立てていたのに、そのバスはずっと手前で別の谷に入ってしまうバスだったのです。
実際に口坂本温泉の下までゆこうとしたら、9時45分のバスが始発で、その次の便は12時21分発です。
それなら朝3時起きして出ることはありませんでした。
とにかく近くのファストフードで朝ご飯を済ませ、静岡浅間神社に立ち寄って参拝した後、少しでもバス料金を安くしようと安部川を上流へさかのぼります。
こんなトラブルでもなければ、静岡市内など自転車で走りませんしね。
(安倍川河川敷を走る―当たり前ですが日影がありません)
バスが静岡駅を発つまで1時間以上もあるから、のんびり走ってもかなり上流の方まで行けそうだと新東名高速道路の新静岡IC付近までブロンプトンで走ったところ、第二のトラブルに見舞われました。
道端の道路情報案内板に、これから行く先の県道が土砂災害で通行止めと表示されています。
しかも、バスの終点と第一目的地温泉の中間、温泉まであと2㎞の地点です。
なんの、ブロンプトンなら担いで通過してしまえばいいや、困難を乗り越えてゆくのが男のロマンだと思いました。
念のため日帰り入浴施設に問い合わせてみると、「自転車ですか、たぶん無理ですよ。歩行者も通れませんから」とのお答えでした。
スマホで調べてみると、去年の7月から1年以上通行止めが続いて、どうやら斜面全体がそっくり落ちてしまう大崩落を起こしているようです。
わたし林道マニアでしたから、あの悲惨な状況をよく知っています。
では手前にある第二目的地の油野温泉はどうだろうと電話してみますが、誰も出ません。
行った人のブログだと普通の民家でしたし、何年も前のレポートでしたし、営業しているのか不明でした。
これは早々に平山温泉一本に絞った方がよさそうだという結論に至りました。
(つづく)
(新東名新静岡IC付近で挫折しました)