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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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ブロンプトンでダイエット(その4)

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通常自転車でダイエットというと、大径のスポーツ自転車、すなわちクロスバイクやロードレーサーを買って、休日の空いている幹線道路や、比較的大きな河川の土手に設けられたサイクリングコースにて、まとまった距離を有酸素運動に適うようなペースで走り続けるという習慣を指すのではないでしょうか。
もちろん、ブロンプトンやバーディのようなギア幅の広い自転車でも似たようなことは可能です。
でも、そのようなトレーニングには欠点があるのです。
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(こんな風にすいていればよいのですが)

・幹線道路を走ることのリスク
当然車道を走ることになるのですが、車の少ない日時を選ばないと大変危険です。
車が多い時は排ガスだらけで健康にもよくないですし、夏の幹線道路はエアコンを利かせている車が並んでいようものなら、灼熱地獄の様相を呈します。
自転車だから歩道に逃げられるかと思いきや、こうした道路の歩道は意外に道幅が狭く、歩行者と干渉しやすいのです。
もちろん、歩行者優先ですから有酸素運動のために同じペースで飛ばすという走り方はかないません。
イメージ 2
(渋谷南口の246交差点。危ないから渡りたくないのですが、う回路がないため仕方なく渡っています)

また、幹線道路には脇からの出入りの車も多くて、危ないのです。
幹線道路同士の交わる大きな交差点では左折専用レーンに左折のみ可能な矢印信号などもあって、直進する自転車はどうしたらいいのかわからない(歩道橋を利用しろということなのかもしれませんが、押し歩きによる歩道橋の利用は有酸素運動にはなりません)場合が多くあります。
さいきん、都内の道路の端に自転車専用レーンを設けるケースが目立ってきていますが、荷物の積み下ろしのために停車しているトラックや、駐停車している車が塞いでいることが多くて、スペースが増えたわけでもなし、心地よさを感じることはありません。
結局、週末の朝などを狙って走るしか手はなく、トレーニングとして習慣化するのは厳しいのです。
イメージ 3
(パシフィコ横浜沿いの道。早朝でなければ、何かしら駐停車している車が自転車レーンを塞いでいます)
 
・サイクリングロード(CR)を走ることの問題点
関東ですと、多摩川、荒川、利根川、境川、印旛沼など、いわゆるCRと略称される自転車道があります。
信号もないですし、一定のペースでまとまった距離を走れますが、これらの道のほとんどは「自転車及び歩行者専用道路」であって、自転車専用道でないことに注意が必要です。
場所にもよりますが、都心に近い場所ほど散歩している歩行者も、ジョギングしている人たちも大勢います。(特にトレーニングに最適と思われる気持ちの良い季節や時間帯に)
河川敷で過ごす子ども連れの人たちが横断することもあります。
だからスピードを出して疾走する自転車との間で接触等のトラブルになりやすいのです。
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(多摩川サイクリングロード。「多摩サイ」と呼ばれているそうです)

また、当たり前ですが日影がほとんどありません。
風の影響ももろに受けます。
名所や史跡はいうにおよばず、お店も沿道にはありません。
歯を食いしばってトレーニングするのなら良い環境かもしれませんが、自分のように景色の変化や沿道の雰囲気を楽しみたい、地形のダイナミズムに触れたいという種類の人間は、河川の築堤に設けられたサイクリングリードを延々と走るのは、あまり楽しくはないのです。
 
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1.道を選ぶ
幹線道路でもない、サイクリングロードでもない道を自転車で走って、どうやって有酸素運動ができるでしょうか。
ヒントは旧街道にありました。

例えば、国道
1号線の新八ッ山橋から鈴ヶ森までの区間(3.8㎞)についてと、同じく旧東海道の八ッ山橋から鈴ヶ森交差点(4㎞)までの信号の数を比べてみましょう。

国道1号線の
17に対し、旧東海道は7しかありません。

「またまた、信号がない代わりに一時停止がいっぱいあるのでしょう」と言われそうですが、一時停止は京急線の踏切を渡る際にあるだけで、他には一か所もありません。

つまり、国道を走るより旧道を走る方が止まらずに一定のペースで走ることが可能なのです。

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(旧東海道。自転車にとっては一国よりはるかに走りやすい道です)

 
それに旧東海道は、自動車は一方通行なので、南行きの場合前から車が来ることはありません。
狭い道なので、幹線道路のように携帯をいじりながら長蛇の列に並んで信号待ちをしている車もありません。

さらに車一車線と両側に歩行者スペースというゆったりした道の使い方をしているため、車道の真ん中を走っている限りあまり歩行者と接近することもありません。

(歩きながらスマホを操作して、車道の中央を歩き、あるいは延々と斜め横断しているような歩行者は除きます)

両側に家屋やビルが立ち並び、昔の道らしく適度にカーブしているため、時間帯によっては日差しを避けるための日影もたくさんありますし、強風の日には風よけにもなります。

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(山手通りなどは、歩行者と自転車が完全分離されていて、東京の道の中では例外的に走りやすい幹線道路です)

東京とその近郊には東海道だけでなく、時計回りに中原街道、大山街道、甲州街道、川越往還、中山道、日光街道、水戸街道、成田街道、房総往還などの旧道が残っている区間もあります。
また街道でなくても昔ながらの道というのは、かつての幹線道路ですから新しくできた道に比べて優先されているのです。

こうした道を発見するのは、以前ご紹介したように明治時代の地図と現在の地図を重ね合わせてみるなど最初は工夫が必要ですが、慣れてくると地形や地誌など裏の事情も分かってきて、その道や土地に興味が湧くようになります。

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(本郷の菊坂。自転車には上りやすい道です。樋口一葉がこの界隈に住んでいたのです)

 
それから、以前黒川谷戸のところでご紹介したように、緩やかな坂道が長く続くような道を選びます。
https://blogs.yahoo.co.jp/brobura/38936052.html

旧東海道も、青物横丁から北品川に向ってずっと緩やかな上りですが、こうした道を小径車で適度に負荷をかけながら登ることによって、有酸素運動を続けることができます。

神田川のような中小河川沿いの道をさかのぼると、橋詰めで交通量の多い道路を渡るたびに止まらねばなりませんから、長い谷戸に設けられたはけの道(崖線沿いの道)などを走ることをお勧めします。
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(時々すごい建物に目を奪われます)
 
道には何度走っても飽きのこない道と、一度走ったらもう十分というか、次は別の道を選ぼうという道があります。
また経験からすると延々と平らな道を走るより、いくつかの丘を越えてゆくような、アップダウンのある道の方が、走っていて楽しいし、体に負荷がかかっていることを実感します。

(そういう意味でも幹線道路や河川沿いの
CRよりも面白い道を見つけた方が続くと思うのです)

ブロンプトンでいろいろな道を走ることによって、自分にとって走って楽しい道を見つけてみてください。
(つづく)

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