先日大桟橋に面白い船が接岸していましたので、ご紹介します。
自動車運搬船です。
普通、このような貨物船を旅客ターミナルつきの桟橋につけることはないのですが、海の日を記念して日本郵船が希望者に公開したそうです。
最初赤レンガ倉庫側から見たとき、手前の飛鳥Ⅱの向こうに壁のようにそびえているあれは何者?という感じでした。
船の名前はアフロディーテ・リーダー(パナマ船籍)。
下のサイトみると、いまどこにいるか分かりますよ。
アフロディーテはギリシャ神話の女神さまですよね。
そのリーダーって意味わかりません。
(どうもこの会社の符丁のようです)
船のサイズは総トン数62,571トンで全長199.94m幅32.26m、深さ(高さ)は最後まで分かりませんでした。
これで13層のデッキに乗用車なら最大6,500台を積めるそうです。
あのTDLの駐車場収容台数が5,000~13,000台ですから、この船2隻で満車です。
たしかBromptonのコマーシャルで車一台のスペースに畳んだブロンプトンを6×7の42台停めていましたよね。
するとこの船には少なくとも6,500×42=273,000台のBromptonが積めるって、日本中のBromptonを集めてもそんなにないから、計算に意味ないです(笑)。
このときは朝だったので、これから見学者を受け入れるための準備をしていました。
帰ってニュースを読んだら750人の定員に3,400人の応募があったそうです。
そんな募集があったとは…。
見学しても無理でしょうが、もし舷側のてっぺんから下をのぞいたら、絶壁でしょうね。
なお、日本中小型船舶工業会というところが、小中学生とその保護者を対象に、毎年の夏に工場や進水式の見学会を行っているようなので、興味のある方はチェックすると良いとおもいます。
http://www.cajs.or.jp/index.html
(自衛艦に乗船したい人は、今年の10月が三年に一度の観艦式開催なので、体験航海や式の応募期間は8月中ですよ)
このような、自動車の運搬に特化した船をPCC(Pure Car Carrier)と呼ぶのだそうです。
たしかこんな風にランプウェーを備えた船を、ローロ船(RO-RO Roll on/Roll offから)といいましたっけ。
Bromptonを販売されているローロさん(あちらはLOLOさんです)の名前をきくと、この船のこと思い出してしまいます。
車を積み込む風景をテレビで見たことあります。
中に隙間なく自動車を詰めて行って、車の運転手は隣の車のドア10㎝くらいにつけるため、まだ横に車の駐車していない助手席側から下車していました。
喫水が10mちょっとということですから、船を満載にしてもさしては沈みません。
ということは、こんな腰高というかトップヘビーというか、重心が高い状態で航海するのは結構大変でしょうね。
荒れた海などで万が一荷崩れ起こしたときのことを思うとゾッとします。
以前にはこのようなRORO船に乗用車を乗せて、その運転手さんだけ一緒に乗れるという航路があったかと思いますが、いまはトラックの運転手さんに限るようです。
もっとも、大型フェリーに乗れば結局は同じ体験ができることになりますが。
そうそう、フェリーといえば、乗船の港までと下船してから町までのバスがセットになった連絡切符がありました。
東京-札幌間で9,900円から。
LCCが出てきた現在は時間的、経済的な競争はちょっと厳しいかもしれませんが、それでも鉄道よりはずっと有利です。
私は中学生のころに東京から苫小牧までフェリーに乗って、途中陸は見えないわ海は荒れるわで中日の一日船酔いに苦しみ、二度と乗るまいと思いました。
でも船酔いって気分的なもので、別の機会に同じ航路を逆区間で乗船した時は全く酔いませんでした。
その時は北海道旅行中に所持金が尽きて、東京まで帰る船の中でどう空腹を凌ぐかで頭がいっぱいで、酔ったりしている暇がなかったのです。
でも、もしその際にBromptonがあったらフェリーターミナルから街までそのまま走ってゆけたよなぁと思うのでした。
もし船酔いのまま自転車をこいだら、どうなるのでしょう。
やっぱりまっすぐは走れないのでしょうね(笑)
鉄道、バス、新幹線とBromptonの相性を試してきたので、そのうちにフェリーもやりたいと思います。
この文章を書いたあと、大洗~苫小牧のフェリーで火災が起きて、残念なことにお一人が亡くなってしまいました。
ご冥福をお祈りします。
私は乗り物の中では船がいちばん苦手(酔うから)なのですが、モーダルシフトの観点から、内国海運と鉄道には今後の発展を願っています。
トラック輸送の現状を知ってから、通販サイトも批判的に見るようになりました。
環境保護や省エネ、そして何よりも交通安全の立場から、貨物自動車輸送は、もう役割を限定的にしてよいと思っています。