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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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志賀草津道路(国道292号線)にブロンプトンをつれて(その3)

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(日比谷線のマッコウクジラ・・・お懐かしや)

さて、ではいよいよ湯田中駅に降り立ったところから話を始めましょう。

私の出で立ちといえば、先日考察した荷物の殆どをドイターのナップザックに背負い、フロントバックは利用しないか利用したとしても小さなタイプだけつけています。

http://blogs.yahoo.co.jp/brobura/38397745.html

これは、山岳道路を走るのに多少は登り坂もあり、僅かな区間であっても激坂もあり得ることから、ブロンプトンはなるべく身軽にしておいた方が楽という判断からです。

そういう意味では、クロモリよりチタンモデルの方が向いていますし、変則も6段タイプをお勧めします。

ハンドルについては好みが分かれるでしょうが、自分は景色を楽しみたいからMハンドルです。

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(左;一日フリーパスとサンバレーまでの片道きっぷ 右;夏場にこの位積乱雲が出ていると、あまり眺望は望めません)

季節は5月、7月、8月、11月(11月~4月は冬期通行止め)と行ったことがあります。

5月と11月は防寒着がいります。

7月と8月は麓は暑いのですが、峠付近は涼しいので、初回に説明した通り、薄手のウィンドブレーカーを持ってゆくことをお勧めします。

また、くどいようですが思い切りスピードを出して走る積りなら、ヘルメットは被ってゆきましょう。

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(古いタイプのバス。私には懐かしいのです)

乗車した列車が長野方面から湯田中駅に到着すると、勝手に「思い出の志賀高原」が流れるかと思いきや、それは特急列車のみ。

いまはマイカーで訪れる人が大半なのか、電車で来る人は僅かで、寂しい到着です。

最近は高原内でイベントが行われることもあるのですが、そうした場合、主催者の方で路線バスとは別にシャトルバスを仕立てることも多く、路線バスが混雑していることはあまりないようです。

一応、志賀高原のホームページを予め確認しておきましょう。

特に、自分のように渋峠に9時半には到達したいという理由から、朝早くの電車に乗ってきた場合、長野からの直通は無くて、信州中野で電車を乗り継いできているのでなおさらです。

改札を出たら、右手にある長野電鉄バス湯田中営業所の切符売り場へ直行しましょう。

駅舎と同じ棟にあるのですぐです。

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まずは運賃表をご覧ください。

http://www.nagadenbus.co.jp/yudanaka_unchin_pdf/20140707/1shiranekazan_fare.pdf

2016年現在、湯田中駅から下車する渋峠までの片道運賃は1,400円です。

しかし、ネット上をよぉく調べると「志賀高原得トクきっぷ」なるものが発売されているのに気がつきます。

これはサンバレー停留所から山の上、すなわち白根火山線と奥志賀高原線が一日乗り放題というチケットで、1,000円という破格の値段です。

湯田中駅からサンバレーまで(2016年は770円)は別途きっぷを購入しなければなりませんから合計で1,770円になります。

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(こちらは新しいタイプのバス。お隣の観光バスは、某歌舞伎役者さんと植林するイベントのために主催者がチャーターした会場行きシャトルバスなのでした。)

えっ、1,400円の方が安いだろうって?

いえいえ、渋峠で下車して群馬側にブロンプトンで下っても、再び長野側へ戻ってくるのであれば、白根火山と渋峠の間だけはバスに乗らねばなりません。

その1区間だけでも450円するのです。

だから合計で1,850円になり、得トクきっぷの方がお得です。

もしサンバレーや蓮池バス停までくだって、「楽しかったし、天気もよいし、もう一本下ろう」ということになれば、もう一度渋峠までバスで登っても、また奥志賀高原線で高天原スキー場まで行っても、それ以上お金はかかりません。

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(バス車窓からみた木戸池。志賀高原はこのような小さな池や湿地帯が至る所にあります)

なお、白根火山と渋峠のバス停ひと区間くらい、普段自転車に乗っているから大丈夫…などと思うなかれ。

計画段階の(その1)で説明した通り、この区間は5.9㎞の間に標高差が200m以上もある山岳道路です。

ロードサイクルの方々はのぼっておりますので、やってできないことはないでしょうが、こちらは16インチ6段変速のブロンプトンです。

天候が急変したりすれば、激しく後悔することになると思います。

なお、20168月現在、火山活動による規制のため、長電バスは渋峠で折り返し運転を行っている模様ですので、今シーズンに同じことをやろうとすれば、否が応でもこの区間は自転車で登坂する羽目になりますので、覚悟してください。

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(熊の湯・硯川地区のホテル 先ほどの植林イベントは、スキー場をもとの山に還そうという運動の一環なのでした)

きっぷを購入したらバスに乗りましょう。

後払いですので、購入したきっぷはなくさないように。

車内にスキー置き場があるのに気付くかもしれません。

私は高校生のころから天邪鬼で、志賀高原で行われる学校のスキー教室に、学校発のバスには乗らず、前もってスキーに出かけていた八方尾根からここまで、バスと電車を乗り継いで参加していました。

ある年、たまたま湯田中から乗ったバスで、新潟の実家から教室へ直行してきた体育教師と一緒になってしまい、「お前がなぜこのバスに乗っているのだ?」と不審がられてしまいます。

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(左;5月ならまだ残雪があります 右;横手山北面の眺め 冬にこんなに眺望が効く日は滅多にありません。ここまで見える日は、山頂展望台に立ち寄れば日本海が見えます。)

その頃、高校生がスキーを担いで地方をひとりでウロウロしているって、違った意味でアウトローに属していたのです。

それに、その時代の八方尾根から志賀高原への冬期の移動って、凄く大変だったのです。

なお、車内のスキー置き場は長物を置くためのスペースで、ブロンプトンは置けないと思います。

ブロンプトンは以前路線バスへの乗せ方で説明した通り、椅子の脇にしっかりとつかんだ状態で置きましょう。

混雑しているバスでない限り、他の乗客に迷惑を掛けることはありません。

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(渋峠に到着。左にいるのがインディ号)

さて、夜間瀬川沿いの温泉街を抜けて、オリンピックで立派になった道路を、バスはエンジンをうならせながらのぼってゆきます。

昔はこのバスも夏はハイキング客、冬はスキー客でいっぱいで、座れないのが当たり前だったのですが、今は10人ほどしか乗っていません。

これでは採算がとれないわけです。

バスはいったん蓮池で停車します。

ここが、志賀高原の中心で、自分がこれからのぼる渋峠を経て草津や万座などの群馬県側へと抜ける道と、高天原~一之瀬高原~焼額山~奥志賀高原を経て奥志賀林道へ通じる道とが分岐しています。

オフロードバイクでは走ったことがありますが、奥志賀林道は野沢温泉や長野新潟県境の秘境、秋山郷へと通じています。

特に紅葉の秋山郷は素晴らしいので、早春に耐パンク仕様のブロンプトンで切明や和山といった秘湯を訪ねてみるのも良いかもしれません。

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(左;志賀高原の中で一番高い場所にある渋峠スキー場。真冬は氷点下の日が多く、バブルのころですらガラガラでした 右;横手山山頂ヒュッテの送迎用雪上車。冬はあれでホテルまでゆくのです)

さて、蓮池バス停で乗り換えて、さらに乗客の減ったバスは、木戸池、熊の湯、ほたる池温泉へとのぼってゆきます。

熊の湯は高校の時にスキー教室で毎年行っていたし、ほたる池温泉は、昔は硯川という名前で、大学時代に毎冬アルバイトでこもっていた場所なので、車窓から見える宿泊施設はとても懐かしく感じます。

よく1か月以上もこんなところで共同生活を送っていたものです。

若いからできたのでしょうね。

山の上だから吹雪の日も多くて、いくらスキーを教えるのが好きだといっても、楽ではありませんでしたよ。

山での生活のあとに東京へ戻ったら、女性がみなやたらと眩しく見えました(笑)

(一緒に仕事をしていた女性インストラクターの皆さまごめんなさい)

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(左;あれはゲレンデをならすピステンと呼ばれる雪上車です 右;横手山山頂からの眺め)

さて、そこからバスはつづら折りののぼりにかかります。

このあたりは、冬場はスキーを履いたばかりの修学旅行生を、山からおろすのに道路を使用しています。

傾斜が殆ど無いので、自転車で下るときも勢いをつけないと止まってしまうほどです。

やがて「のぞき」のバス停を過ぎ、渋峠へと到着です。

きっぷを料金箱に入れ、お礼を運転手さんに述べてバスを降ります。

目の前には渋峠ヒュッテとガソリンスタンドがあります。

ヒュッテの出入り口前にレトリバー犬が1頭おります。

とっくに代替わりしているのですが、名前はいつも「インディ」。

あの子は冬場に遊ぶとスキーグローブを奪って持って行ってしまう困ったちゃんです。

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(渋峠から走りだします。国道最高地点には何やらアンテナを伸ばしたTV中継車が…)

逆側には渋峠スキー場があり、夏季営業でリフトが動いています。

乗れば横手山山頂の眺望が楽しめますが、今日はブロンプトンでダウンヒルするのが目的なので、パスします。

自転車をひらき、群馬県側にある国道最高地点へと向かいます。

横手山を背に、風雪にさらされて曲がったコメツガの林の中を、上り坂かどうかもわからないくらいごくごく傾斜で700mほど進むと、左側に車が45台停められるスペースが見えてきます。

ここが標高2,172mの国道最高地点になります。

正面やや左手に、樹木の生えていない荒涼とした草津白根山が見え、そこまでの谷間に芳ヶ平(よしがひら)という湿原が見下ろせます。

所々にある池塘が空を映し、春から夏にかけては草原のような緑、秋は燃えるような赤と、湿原を上からのぞき込める場所はなかなかないので、思わず足をとめてしまう場所です。

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(国道最高地点から見る芳ヶ平。赤い屋根のヒュッテが見えます。その向こうに広がるのが、草津温泉の街並みです)

なお、国道としての最高地点はこちらですが、一般車が通行できる最高地点は長野・山梨県境にある大弛峠(標高2,360m)、自転車なら乗鞍エコーラインと乗鞍スカイラインの間、長野・岐阜県境にある畳平付近の峠(2,710m)になります。

富士宮口側の五合目が標高2,380m(自転車通行可)、吉田口側の五合目が標高2,305m

であることを考えれば、畳平がどれほど高所なのかお分りいただけると思います。

ブロンプトンによる高所探検は、既に吉田口五合目をご紹介していますが、改めて別の機会に他の場所についてもレポートしたいと思います。

 
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次回はいよいよ群馬県側のダウンヒルです。

国道最高地点より白根火山、草津温泉へ向けてブロンプトンを走らせます。


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