前に宿場間の距離ランキングを行いました。
今回は旧東海道の中で、どの地点の標高が高いかという点に着目して並べてみました。
例によって国土地理院のウオッ地図で主だった峠を測ってみました。
(今までブロンプトンで行った最高所は富士五合目=富士宮口/標高2,400mでしょうか)
第一位は、言わずと知れた箱根峠です。
箱根は東海道随一の難所と謳われていますから。
標高は864mで、これからの季節、夏場でも峠直下は涼しいですよ。
しかし1,000mもないのです。
これに対して中山道は碓氷峠(1,201m)、笠取峠(900m)、和田峠(1,531m)、塩尻峠(1,201m)、鳥居峠(1,197m)、馬籠峠(801m)と箱根峠クラス以上の峠がこれでもかと立ち塞がります。
中山道はどれだけアップダウンするのだって話ですが、東海道には越すに越されぬ…がありましたから。
ちなみに古東海道の足柄峠は759mで、多少はましかなという感じです。
(箱根峠交差点)
第二位は「西の箱根」といわれる鈴鹿峠。
箱根峠の半分も標高は無くて、357m。
箱根と違って石畳の区間も短く、ずっと楽なイメージです。
ただ、関から坂下、土山とかなり距離が長く、並走する公共交通機関も無い(関~坂下間は乗り合いタクシーあり)ので、ブロンプトンならともかく、歩くのには骨がおれます。
これからの季節、あの不快な輩(本編で打ち明けます)がわんさと出てまいります。
(鈴鹿峠)
第三位はどこでしょう?
私はてっきり宇都ノ谷峠かと思いました。
あそこはフォッサマグナの上ですからね。
しかし違いました。
実は西の箱根より手ごわかった、小夜の中山だったのです。
佐夜鹿の久遠寺前の旧東海道、標高は252mもあります。
菊川の集落から久遠寺まで、何度トライしても前輪が持ち上がってしまって乗ったまま坂をのぼることはかないませんでした。
(久遠寺前 としたけて またこゆべきと思いきや 命なりけり 小夜の中山 by西行)
第四位がそのわずか手前(江戸より)のやはり牧の原台地上、金谷坂と菊川坂に挟まれた諏訪原城址付近の217mです。
大井川を渡った付近の標高がおよそ70mですから、150mほど標高を稼いで台地上に出て、そこから100m以上坂をくだり、間の宿の菊川が標高103mです。
さらに標高にして150m以上をもういちどのぼって久遠寺ですからこの付近のアップダウンについてこれから踏破する方はお覚悟を。
(諏訪原城址付近の喫茶店)
第五位が逢坂関です。
標高は167m。
近江国と山城国の境をなす関所として平安時代の三関(ほかに不破関と鈴鹿関)に数えられていた重要な峠です。
江戸(東京)から京(京都)へ向かうと、目的地が目前なのでウキウキしてしまい、それほどの苦労を感じないのですが、京阪京津線が国道わきを、車体をきしませながらのぼってゆくのを見れば、やはり難所です。
(スミマセン、逢坂関の写真がどこかにいったので、坂を下った山科の奈良街道分岐で勘弁してください)
第六位は僅差でようやく宇都ノ谷峠になります。
江戸時代の峠はおよそ標高165mです。
それよりもっと前の「蔦の細道」のほうの峠は標高が196mもあります。
道理で汗をかいたわけです。
前にも書きましたが、ブロンプトンで通過するなら眺望は効かないものの、江戸時代の峠をお勧めします。
(宇都ノ谷峠)
第七位以降はちょっと自信がないのですが、おそらく今本編でふれている赤坂宿と藤川宿の間、本宿の東にある豊川市と蒲郡市境の名前のない峠(111m)だと思います。
さった峠や京都の蹴上坂上が標高およそ100mほどです。
峠らしい峠ということで見てゆくとこんな感じです。
いずれにしても東海道は川を渡っては大小さまざまな峠を越えての連続です。
ただ、その地点が海の近くにあるか内陸になるかでもかなり左右されます。
例えば出発地点の日本橋の標高はたったの1mですが、終点である三条大橋の標高は39mありますから。
ちなみに一番低い地点はどこでしょうという質問にあえて答えるならば、おそらく七里の渡しの船着き場(宮、桑名それぞれ)だと思います。
なにせ海面に一番近い地点なのですから。
(普通に考えると、そういうことになると思います)