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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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彷徨浪馬的社会実験 チョイモビでブロンプトンをつれて(その3)

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(あんな奥まったところにあって、Bromptonでウロウロ付近を探し回りました)

むかし、民営鉄道の経営者は朝の通勤ラッシュ時にガラガラになる下り方向への列車を、どうやってお客で埋めるかで苦心したといいます。
そのために、高校や大学などの高等教育機関を誘致し、遊園地や温泉、果ては歌劇団まで設けて「逆方向」への乗客を誘致していたそうです。
公共交通機関の乗り物は、乗客がいなくても運行コストはそれほど下がりませんから。
さて、チョイモビが一日の営業時間内になるべく大勢の人たちに利用されるにはどうしたら良いのでしょう。
実証実験で行われていたような多点間移動の場合だと、話が複雑になってしまうので、まずは二点間の移動に限って考察してみます。
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(歩きで探し回ったら大変だったと思います)
 
例えば、病院や大学の周囲に高層マンション等の住宅が多数立ち並んでいて、駅から距離がある場所だったとします。
朝の6時から9時までは住宅の住民が通勤や通学に駅まで超小型モビリティを利用し、そのまま駅に駐車して電車に乗ります。
9時からお昼までの間は、今度は病院に通院する患者とその付き添いや、大学に通う研究者などが、駅から病院や大学に向けて利用します。
午後1時から4時くらいまでは、今度は病院で診察を済ませた患者や、学校で夜まで単元のない学生が、駅までの足に利用し、その後の時間帯はふたたび帰宅する通勤者が利用するとします。
これなら、一日4度、二往復の利用が見込めるわけです。
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(超小型モビリティと超縮小折りたたみ自転車のツーショット)
 
病院に通院するような患者が車を運転できるのか疑問ですし、通勤者や通院、通学者という母集団の人数がまちまちなのにきれいに4往復できるとは思えない部分もありますが、ざっくりと考えてみました。
では観光という面ではどんな利用方法が考えられるでしょう。
二点間に限った場合、自分の無い知恵絞って思い当たるのは河口湖駅と富士山五合目の間でしょうか。
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(あらよっと)
 
朝一番の電車に乗って行くと、登山客はみな同じ列車とバスを乗り継ぎます。
そして五合目につくと、今度はご来光をみて山を下ってきた人たちが、かなりの人で駅行きのバスを待っています。
くわえて、ここは浅草か秋葉原かと思うほどに外国人の多いのが富士山五合目の特徴なのです。
だからたとえ季節限定だとしても、あそこで超小型モビリティを使うことができれば、世界中に対して「日本がこんなことやっている」と発信できることになるわけです。
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(ギリギリのサイズです)

利用のモデルケールを考えてみましょう。
たとえば、折りたたみ自転車をもった私のような人間があさイチの列車で河口湖駅に到着し、そのままチョイモビに乗って五合目までゆきます。
私は自転車で山を下るので、乗ってきたチョイモビは五合目に止め置きになります。
(この部分が五合目の施設で働く人たちの通勤に置き換わっても同じことです)
すると次には午前中に山を下ってきて、バス乗車にあぶれた人たちがモビリティを利用して河口湖駅へ向かいます。
お昼過ぎ、今度はその日に山小屋泊まりの登山客で、やはり登山バスにあぶれた人たちが、モビリティに乗って五合目に向かいます。
最後は夕方に五合目のお土産屋さん等で働いていた人たちが、モビリティを使って河口湖駅へ戻るということで、2往復は確実になります。
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(こんな感じでしょうか)

これは長野県の乗鞍スカイラインでも、山梨県の大弛峠でも同じことですが、登山客の人たちは、往きについてはまとまってバスに乗って駅から登山口まで向かうのですが、帰路は人数的にも時間的にもばらけるものなのです。
皆さんの体力や行程によって、山にのぼって再び登山口に下ってくる時間はまちまちですからね。
そして、登山口まで折りたたみ自転車を抱えてバスに乗り、登山もせずにすぐ今来た道を下る自分のような種類の人間も、他にはいないのです。
だから、両者を組み合わせたなら、チョイモビの出番もあるのではないかと考えたのですが、それには登山客に見合う位、折りたたみ自転車でダウンヒルする人が増えないと難しいかもしれません。
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(こんな風に発行してもらったカードをかざしてから、OKボタンを押して起動するところは、JRのグリーン車みたいです)

横浜で利用してみても、自分の場合は坂を登るという目的がはっきりとしていますから、低いところにあるステーションから高い場所にあるステーションへの利用と決まりますが、これが観光客だったらどうなるのでしょう。
自分が知る限り、観光客はかなりアバウトに周遊する人たちが大半じゃないかと思います。
横浜であれば、横浜駅や桜木町駅を起点にしたら、みなとみらい、山下公園、中華街、山手地区と、だんだん根岸台地の方へ寄ってゆくか、その逆コースを辿るかどちらかではないでしょうか。
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(操作方は車内に貼りつけてあるので忘れても心配いりません)
 
ということは、今回のように2台から3台ずつの小さなステーションを数多く広範囲に設置するのもひとつの手法だとは思いますが、もっと多く、たとえば10台単位のステーションを、横浜、桜木町~馬車道、根岸、日本大通りなどある程度絞った駅近くと、みなとみらい、山下公園、山手地区などの主要観光地に設置するという考えもあるとおもいます。
もちろん、各ステーションの規模が大きくなると、それだけインフラの設置と維持にお金が掛かるようになりますから、そう簡単でないのは承知のうえですけれども。
それができたら、JRや東急、みなとみらい線など各社が発売しているフリーきっぷと組み合わせれば、かなり効率的にそれぞれの観光スポットを巡ることができる気がします。
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(積載できるのが1台で乗車人員が1名というところが何とも)
 
いまひとつは、ステーションをある程度線のように並べて設置してみるという考え方もあるかもしれません。
たとえば、東神奈川駅―みなとみらい地区―伊勢佐木町・野毛地区―馬車道駅―山下公園付近―山手地区―根岸駅というように、北東から南西へ一本のライン上に設けて、利用者はそのライン上である区間はモビリティを使用し、またある区間は歩いたり電車を利用したりするというようにして、各々の拠点を観光するというのはどうでしょう。
これ、30分前から乗車場所と乗車区間をスマートフォンで予約できるからこそ、成り立つプランだと思います。
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(人の少ない場所を走っている分には気になりませんが)
 
こんなことを考えながら、やはり自動車って燃料を電池にしても、どんなに小型にしても、駐車という呪縛から開放されることがないのだと思いました。
それは自転車やオートバイも同じで、乗って楽しむぶんにはいいけれど、行った先での置き場所に困るという点では、同じことだと感じます。
(オートバイより、自転車の方が、同じ自転車でも小さい方がというように、その容積が小さいほどストレスは軽減されますけれど)
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(場所によってはかなり注目を集めます)
 
ブロンプトンだって、たたんで乗り物に載せられるという時点で偉大だとは思いますが、走行性能を犠牲にせずにもっと畳んだときのサイズが小さくできたなら、その利用価値は飛躍的に高まると思います。
小さいころに何の気なしに見ていたドラえもんのタケコプターですが、あんな風にロー・コスト、ロー・エミッションでポケットに入る移動ツールが発明されたなら、ノーベル賞ものだと思います。
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(山手234番館脇のステーション。降車場所としてはもっとも最適な位置にあるのですが、いかんせんスペースは2台分のみです)

(利用例)
乗車ステーション:ヨコハマポートサイドビル
降車ステーション:山手234番館
走行距離:5.5㎞
所要時間:17分
利用料金:450円


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