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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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トップチューブの低いブロンプトン

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ブロンプトンの特徴のひとつに、前輪と後輪を橋渡しするトップチューブと呼ばれるフレームの位置が低いという点があげられると思います。
いわゆるスポーツ自転車と呼ばれる製品は、大概の場合サドルからお尻を外して立とうとしても、ハンドルポストからサドルにむけて伸びるトップチューブが邪魔をして、跨ったまま立ち上がることはできません。
これを回避するために、シティサイクル(ママチャリ)はフレームの同じ部分に角度をつけたり、下方向へ湾曲させたりして、ザドルから前方へ降りても、跨ったまま立ち上がれるように工夫されています。
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日本特有のママチャリがなぜこうした形になるのかといえば、日本の場合街中での一時停止や信号待ちが多いことが、理由の一つだと思います。
つまり、お年を召した方々やふだんあまり運動しない人たちは信号待ちの間つま先立ちをしているのは苦しいので、サドルを低い位置に調整して足がつくようにするか、頻繁にサドルの乗降を繰り返して、停車時には自転車に跨ったまま両足を地面につけて待っている必要があるからだと思います。
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もうひとつは、「スカートをはいたまま乗れる」というファッションの問題もあるのかもしれません。
「婦人用シティサイクル」という言葉がそれをあらわしていると思います。
原付や自動二輪車でいえば、スクーターとそれ以外のオートバイの違いといえば分かりやすいかもしれません。
スクーターと呼ばれるものは、大型も含めて運転席は両足を揃えて運転できます。
それは、目には見えないけれどもフレームが足の下にあるからできることです。
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そういえば、はじめてブロンプトンに乗った人から、「信号待ちのたびにお年寄りみたいにサドルから腰を外して両足立ちするので変な感じ」という感想をいただいたことがありました。
私などは馴れてしまったので、あまりに長い踏切待ちだとハンドルのうえで頬杖ついて考え事などをしているときもあります。
地面を蹴って助走しながら乗る際も、クロスバイクなら後ろから足をまわしてまたがるのに、ブロンプトンはママチャリ同様に前からまわします。
今は気にならなくなりましたが、以前はたまにBirdy(BD-1)に乗ると、どうしたら良いか迷ったり、借りたスポーツバイクに乗るときに足がひっかかりそうになったりしていました。
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スポーツ系自転車に乗る人たちからは「ブロンプトンはママチャリだ」なんていわれますが、それを逆手にとれば、実用車としてのブロンプトンは、乗るときのファッションの幅が広いということなのでしょう。
私は車やバイクに乗っていたときから思っていましたが、旅につれてゆく乗り物は、できるだけファッションについて限定されない方が良いのです。
その方が、旅先での様々なシチュエーションに合わせられるでしょう。
昔はヨーロッパへバックパッカーとして行く際も、ジャケットとタイは持って行った方が良いなんて言われていましたし、今でもあちらの一流ホテルのカフェテリアで、宿泊客の日本人が(日本のリゾートホテルの感覚なのでしょうが)スエットにジャージでもって朝食を食べているのを見ると、困惑してしまいます。
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それに、私は男性だから恩恵には浴さないけれど、スカートをはいたまま自転車に乗れるって、女性にとっては大きなアドバンテージではないでしょうか。
まぁ短すぎてもアレですし、長すぎると今度は裾がクランクに届いたら巻き込むでしょうから、丈は微妙になるのかもしれませんが。
あちこちの歴史的建造物とブロンプトンを並べてみて思うのですが、着物に袴をはき、女性なら廂髪や束髪くずし(いわゆるハイカラさんです)、男性は鳥打帽でもかぶって明治村を走ったら、和風ツィードランになるのかもしれませんね。
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