旅は陸が続いている限りは足を使い、水流れるところは船を利用して渡り、というのが基本だと思います。
いままで、鉄道、バス、新幹線についてブロンプトンを乗せる際の注意点を書いてきましたが、ここでは船について扱ってみましょう。
なかでも、運賃とは別に自転車について料金を取る場合の話です。
(自分で言うのもなんですが、船とブロンプトンって旅情を誘いますよね-尾道・福本渡船)
ブロンプトンのような折りたたみ自転車は、微妙です。
たたまずに乗船すれば特別手荷物料金として、自転車1台につきいくらというように料金を別に徴収されます。
そして、自転車の姿のまま、フェリーの車両甲板脇に固定されます。
たたんでカバーに入れ、大きさや重さが手荷物規定の範囲内におさまっていると、無料で持ち込めることになります。
この場合、謎の物体になって船室の座席脇にちょこんと鎮座ましましております。
(船は嫌いと散々いっておきながら、いざ乗船するとなると高揚してしまう私―早朝の久里浜港)
これが折りたたみの作業が面倒な自転車だったらどうでしょう。
もし、たたんだり分解したりして袋に入れれば無料になるとしても、それが15分もかかる作業だったら、そして乗船時間が10分以内で、自転車の料金が追加で50円、100円くらいなら、支払って乗船した方が楽ですよね。
尾道から向島へ渡る船など、高校生などみな軽快車にまたがったまま、車両甲板でスマホをいじっています(時代ですね)。
しかしながら、自転車の料金が500円、1,000円と増えていったら、そのうちに手間暇かけても手荷物にしようということになるのではないでしょうか。
それでも出航時刻まで余裕があれば良いですが、ぎりぎりだったりすると困ります。
だから時刻表の時間よりもどれくらい前に港に到着して、輪行袋に詰めてという計算を予めしておかねばなりません。
だから時刻表の時間よりもどれくらい前に港に到着して、輪行袋に詰めてという計算を予めしておかねばなりません。
ブロンプトンの場合は、何の苦労もないので、料金の多少にかかわらずたたんでしまえます。
次に、乗船後の話をします。
渡し舟はともかく、ある程度の乗船時間を要するフェリーの場合、航行中の車両甲板へは法律により立ち入ることができません。
いよいよ港に到着する段階になっても、自転車が先に下船すると危ないので、自動車や二輪車など他の車両が出てゆくまで、車両甲板にて待たされることがあります。
そのような場合、乗客としてさっさと下船してしまい、フェリーターミナル前でブロンプトンを組み立ててしまった方が早かったりします。
(こんな感じで乗船します-東京湾フェリー)
それに、車両甲板で下船準備をして待つ間、周囲の車やオートバイはみなエンジンをかけているため、排ガス臭くてたまらんのです。
夏は暑いし冬は寒いしで、はやくランプの扉が開かないかなーなどと待っていると、船の揺れと臭いで「うっぷ」となることもあります。
下船してすぐバスに乗る場合や、鉄道駅が近い場合はそれで接続する電車を違えたりもするので、船内ではなるべくたたんでカバーに入れ、手元に置いておいた方が良いと思います。
なんといっても、たためばお金が余計にかからないわけですし。
(たくさん走った後はグーグー眠れます-東京湾フェリー)
なお、浅草から隅田川河口にかけて運行している東京の水上バスの場合、特殊手荷物券を購入しても、自転車のまま船に持ち込めるのは、船内に余裕がある場合のみなので、週末や連休などは注意してください。
また、ホタルナやヒミコという松本零士さんデザインの、水生昆虫チックな船については、自転車のままでは乗船できません。
こういう場合、すぐにたたんで輪行袋に入れることのできるブロンプトンは有利です。
(モデスティンと一緒に海上から参拝…広島・宮島航路)
しまなみ海道でもご近所でも同じことですが、自転車で走ってきて、ささっとたたんで船上の人となり、ホッと息をつきながらキラキラ光る海面を眺めていると、妙に満ち足りた気分になってくるから不思議です。
少し乗船時間が長いと、あの心地よい周期の揺れが睡魔を呼び、あっという間に眠りに落ちてしまいます。
それがまた、気分良いのです。
(寝てしまえば、船酔いの防止にもなります)
自転車が持ち込めない船や、それぞれの航路についての乗船体験は、また改めて別の機会に書きましょう。
(たたんでカバー掛けると50円お得な浦賀の渡し。うーむ微妙だ)