前に竹塀について書きました。
旧道を走っていて、景観の中で気になる塀といえば竹塀のほかに、板塀です。
(「へぇ~」と相槌はうたないでください)
(長野県の小布施にて)私は建築関係には疎いので、板塀といっても上に小屋根がついていれば「軒板塀」くらいしか知りませんでした。
ブロンプトンに乗ってあちこち写真を撮るうちに、板塀も色々と種類があるのだなということが分かってきました。
けれどもネット上を調べても、竹塀みたいに種類の名前が簡単には出てきません。
(左;角連子入板塀 神奈川県・横須賀市内 右;左側が角連子入板塀で、右は大和打板塀ですかね。長野県・上田市内)とある午後に電車とブロンプトンを使ってちょっと寄ったのだけですが、写真を撮っていたら、「あなたもどうぞ」と館長さんから木の家にまつわるお話を伺うことができました。
その話はまた別の機会に。
1.角連子入板塀【かくれんじいりいたべい】
窓や欄干など、縦または横に一定の間隔を置いたり付けたりしたもの
軒がついているけれど、そっくりだからこれですかね。名古屋市内で見かけました。
上にある写真の、横須賀の小松さんがそうですが、料亭などにありがちの塀ですよね。
2.笠木板塀【かさぎいたべい】
頂部に横木(笠木)を置いたもの。
これも名古屋市内にて。軒で笠木が隠れてしまっていますが、多分間違いないと思います。
支えは裏側にあるのでしょう。
3.源氏塀【げんじべい】
腰長押(こしなげし)から下は羽目板を太鼓張りにし、腰長押の上は笠木との間に襷をいれたもの。
数寄屋などに用いる。
この板塀、どこかで見たことあると思っていたら、東横線の祐天寺の板塀がドンピシャリでした。関係ないですが、「なにをゆうてんじ」ってギャグが昔ありましたね。
スミマセン、祐天寺さんはいずれちゃんとご紹介します。
4.大和打板塀【やまとうちいたべい】
板を一枚ずつ交互に重ね合わせて横木の内側と外側とに打ち付けたもの。
板が乾燥しやすい、風が通りやすい(かつ塀の向こう側が見えない)などの利点がある。
昔はよく見かけた気がするのですが、最近めっきり見なくなりました。丈が短いけれど、鎌倉の路地に残っていました。
源氏塀があるということは、平氏塀とか平家塀もあるのでしょうか。
5.透塀【すかしべい・すきべい】
中ほどを連子(れんじ)・透かし彫りなどにし、内部が透けて見える。
神社・廟などに用いられることが多い。
神社や廟は人一倍訪れているはずの浪馬ですが、たくさんある写真のどこにも見当たらず、あちこちのフォルダを探しました。神社に石の塀はあるのですが、板塀って滅多にないみたいです。
製作に手間暇かかるし、維持管理にもお金がかかりそうだからでしょうか?
時間をかけて探していたら、仙台市内を朝にお散歩した時に撮影した、あるお寺(大願寺)の山門の両側に、ようやく見つけました。
6.柵板塀【さくいたべい】
柵の裏に板を張った塀。
構造がシンプルかつ意匠が多様で、様ざまな用途に用いられる。
旧東海道の立場、有松宿にて。これはよく見かけますよね。