今は無きデザート・サンド色のブロンプトンです。
デザート・サンドとは、食後の甘いサンドイッチ…ではなくて砂漠の砂。
ふむ、砂ね。
「東海の~小島の磯野白砂に~」とか、「いのちなき~砂のかなしさよ~」って、それ砂は砂でも一握の砂でしょう。
冗談はこれくらいにして、なくなってしまったということは、不人気色だったのでしょう。
イギリスで砂漠とくれば、真っ先に思いだすのが映画「アラビアのロレンス」ですね。
映画をご存知ない方も、テーマ曲を聴けば耳に覚えがあると思います。
主人公のロレンスは、作中でもご本人も、ブラフ・シュペーリア(BroughSuperior)という名車中の名車バイクに乗っておりました。
とっくになくなったメーカーですし、生産台数も少ないため、日本には殆ど入ってきていませんから、湯布院にある岩下コレクションにでも行かないとお目にかかれないと思います。
で、このデザート・サンドのブロンプトンにアルミのフェンダーつけて、薄い色のブルックスの革サドル、革グリップをつけて、バイクのロールスロイスとまでいわれたブラフ・シュペーリア風カスタマイズを想像してみたのですが、ちょっと違うかな。
次にこの色から記憶に浮かぶのは、第二次世界大戦中の北アフリカ戦線における英軍です。
小学生の頃、マチルダ戦車を組み立てて、バーナード・モントゴメリー、エルウィン・ロンメル両将軍の戦いに思いを馳せたものです。
私自身、北アフリカには行ったことがないのですが、アウグスティヌスの出身地であるダガステ(現在のアルジェリア北東部、スーク・アハラス)や、司教をしていたヒッポ(同、アンナバ)は一度詣でてみたいと考えているので、そこへブロンプトンをつれてゆくとしたら、この色かなぁと思っています。
もっとも、砂漠にデザート・サンド色では保護色になってしまいます。
最後に同じつながりで思いだすのは、ランドローバー社のディフェンダーでしょうか。
キャメル・トロフィーの競技車が、たしかこんな色をしていたと思います。
あの車のもとになったSeriesⅠは、やはりカーキ色の車両(これもまた軍用ですが)が有名ですが、これらは戦後の開発で、第二次世界大戦には使われておりません。
でも、若い女性が迷彩などのアーミールックではなく、敢えてSAS(Special Air Serviceの略で、イギリス陸軍の特殊部隊)のデザートルックでこの自転車にまたがったら、格好いいかも。
あのスタイル(カンドーラ)は熱を避けるためにベドウィンに倣った格好をしているから、日焼け防止にもなるでしょうし。
こうして横浜界隈でデザート・サンド色のブロンプトンを写真におさめてみると、同系色の茶色やクリーム色がよく似合うことがわかります。
逆に似合わないのはアスファルトのグレーや緑でしょうか。
ということは、木造の建物が並ぶ古い街並みなど、この色はよく溶け込むのかもしれません。
こんど機会があったら、そのような場所に持ち込んでみようと思います。
なお、このような写真を街中で撮るためには、早朝から明るい夏場の週末に行かないと、車やひとがたくさんうつり込んでしまいます。
このときは早起きをして東横線で行き、また電車に乗ってミサに出ましたが、まさにブロンプトンではないとそんな芸当は不可能なのでした。