突然ですが、オートバイも自転車も、二輪車はハンドルを切っただけではコーナーを曲がれないということは、乗った人なら誰でもお分かりかと思います。
遠心力というものがあるので、どうしても車体と体をカーブの内側に倒さねばならないからです。
これ、スキーやスケートも全く同じです。
オートバイの場合、動力がありますからこの遠心力に対応するために、コーナリングフォームというものがあります。
簡単にいうと以下の通りです。
１．リーンウィズ（lean with）：バイクと同じ角度で身体を傾ける
→基本的なフォームで、自然に曲がります。
２．リーンイン（lean in）：バイクの傾きよりもコーナーの内側へ身体を入れる
→バイクをあまり傾けずに曲がれるので、雨天時や凍結路など滑りやすい路面に有効です。
３．リーンアウト（lean out）：バイクの傾きよりもコーナーの外側へ身体を出す
→車体だけ寝かせて曲がるので見通しの悪いカーブで有効的なほか、低速の場合や未舗装路などタイヤが路面でずれるのを前提にするときに使います。
自分はオフロードバイクで砂利道ばかり走っていたので、カーブでコーナーを曲がってゆく際にタイヤはずれるのが当たり前の世界でした。
でも、スクーターにしか乗ったことのない友だちは、走行中タイヤがずれたりスリップしたりしたら即転倒なので、どれだけバイクを滑らせないようにするかという認識だったと思います
これ、面白くって二輪車の世界でスピードを競う人たち、つまりオートバイレーサーの人たちは、小さいころは小さなバイクでモトクロスをやっていたという人が多いのです。
ヨーロッパなんか、幼稚園児くらいの子どもたちがジェットヘルを被って小排気量のモトクロスに跨ってレースに出て、ご両親が声援をおくっているなんて風景が珍しくありません。
たぶん、幼いうちに二輪車の特性を身体でつかんでしまった方が、大人になってからロードレースに出ても早く走れるようになるのでしょうね。
自転車競技は詳しくないから知らないけれど、ロードレースで活躍するって人は小さいころにマウンテンバイクやBMXで競技に出ていた人が多いのでしょうかね。
さて、オートバイと自転車には大きな違いがあります。
当たり前ですがオートバイには「漕ぐ」という動作はありません。
跨るタイプのスポーツモデルなら、ロードスポーツタイプであろうと、オフロードタイプであろうと、走行中の足はステップにのせたまま動きません。
しかし、自転車はペダルを漕いでクランクを回すという動作があります。
そしてクランクが低い位置についているということをすっかり忘れてオートバイよろしく車体を傾けると、「ガッン」とペダルを地面にぶつけてしまうのです。
ご承知の通り、ブロンプトンの左ペダルは折りたたみ機構がついていますから、衝撃で曲げてしまうなど、壊してしまうとペダルが折りたためなくなってしまいます。
私はこれを二度ほどやって、ペダルを二つ駄目にしました。
この失敗は、かつてオートバイに乗っていた人で、自分みたいに山の上までBromptonを持って行ってダウンヒルする人は要注意です。
現在私は長い下り坂の場合、ペダルの位置をほぼ水平に固定したまま漕がないで下るか、コーナリングの際はカーブの外側のペダルを真下に、内側のペダルを真上に固定して、まるで昔のスキーみたいに外足に体重をかけてまわるようにしています。
富士山とか、高峰湯の丸林道、志賀高原、そして姨捨の棚田といずれも長い下り坂があるコースをご紹介してきましたので、もし同じように山からBromptonで下る方がいらっしゃいましたら、ご用心を。
なお、普段街乗りの際でも。内側のペダルを下まで下げたままUターンをかけると、ペダルが地面に接触することがありますので、ご注意ください。
これ、とくに回転系のスポーツをやっている人は、なまじバランスがいいだけにやってしまいがちだと思われます。