先日都内の某駅前にある通路を通り抜けようとしたとき、「自転車進入禁止」と表示があったので、自転車を降りて押し歩きして通り抜けようとしたところ、そこで駐輪違反を監視していた区の嘱託職員から「押し歩きでも通り抜けはダメ」と呼び止められました。
ニコニコ笑って、たたんで曳こうとしたら「それでも自転車はダメ」
改札口はすぐそこだからと仕方なく、袋に入れて持って抜けようとしたら「それでもダメ」。
「あなたは何の権利があって、ひとの持ち物でここを通すか通さないかを判断されるのですか」と質問したところ、
かなり引かれながら「だってこんなのはじめてだから…」と言い訳されました。
私は若い時に「怒ると怖い」って言われたことがあるので、ひょっとしたらすごい形相をしていたのかもしれません。
ゴメンナサイ、違法駐輪監視のおじさん。
電車の時間が迫っていて、けっこう切羽詰まっていたものですから。
「私有地でもない限り、道路で歩行者をとうせんぼするなんて不可能です。
でも浪馬さん、素人の生兵法って怪我のもとだから、いたずらに権利なんて持ち出さない方がいいですよ」とたしなめられてしまいました。
後になって、あの人はたぶん駅前の放置自転車や無視して乗ったまま通行する人に手を焼いていて、自転車に乗っている人に対して相当の負のバイアスがかかっていたんだろうなと、思いやるようになりました。
自分だって逆の立場だったら、ルールを無視する人に腹を立てますからね。
同時に駅前の駐輪禁止の場所に、平気で自転車を乗り捨ててゆく人を見る自分のまなざしにも気がつきました。
その乗り手が、人を裁くような態度でいてはいけません。
私とやり合ったオジサンも、ルールを守る気のない自転車乗りさんたちも、そんなことでいさかいをする必要がなくなる日が来ますようにと祈るのでした。
「弱いつもりで強いのが自我(エゴ)」
怒りを手放すって、楽じゃないですね。