白須賀宿の西のはずれ、笠子神社前(34.694509, 137.495325)から旧東海道をたどります。
県道を西へ50mゆくと右側に旧道が分岐し、70mさきでまた県道に復帰します。
細かいですが、あくまで旧道を辿るという趣旨なので、古い方の道を選択します。
笠子神社から390mほどで信号のある交差点を通過し、そのさき40mで小さな橋(34.695155, 137.490807)を渡ります。
この小さな流れを境川といって、ここが静岡県と愛知県の県境になります。
昔の国でいえば遠江の国(遠州)から三河の国(三州)に入ったということです。
それにしても静岡県は広かった、というか長かった。
箱根峠からここまで、自転車で正味2日かかっていますし、このブログでご紹介したのは2013年4月21日のことですから、あちこち脱線しまくっているとはいえ、紹介に何年かかっているんだって話です。
(http://blogs.yahoo.co.jp/brobura/37427278.html)
青春18きっぷで鈍行に乗っていても、神奈川県との境の湯河原駅から、愛知県との境の新所原駅の間が一番長く感じるのですが、歩いたり、ブロンプトンで走ったりしてもそれは一緒でした。
境川ですが、旧東海道を西へ向かう身としては海とは逆側、すなわち右(北)へ向かって流れています。
もしJR新所原の駅へ出るのであれば、この境川に沿ってくだってゆけば、迷わずにたどり着けます。
川自体はこのあと梅田川と名を変え、およそ3.5㎞さき、その新所原駅手前で西へと向きを変え、二川宿の裏手を通った後に豊橋の街の西で三河湾にそそぎます。
河口付近がちょうど豊橋港になっています。
三河湾の東端に位置する豊橋港は、田原港、西浦港、蒲郡港と併せて三河港と呼ばれます。
この三河港、その位置関係からか完成自動車の輸入について、台数、総額とも全国1位なのです。
いわゆるマスコミのいう「高級外車」の殆どは、この港から陸揚げされます。
また、田原港にあるトヨタの工場は、高級車レクサスの生産拠点です。
どうしてこの港なのかといえば、日本のほぼ真ん中だからだそうです。
なるほど、供給しやすいということなのでしょう。
行ったことないですが、港には高そうな車が保税ヤードにずらりと並んでいるのでしょうね。
さて、旧東海道は境川のさき260mの一里山東交差点(34.695809, 137.488183)で国道1号線に突き当たります。
右折して国道1号の左側の歩道を北西へ向かいます。
ここから延々と4㎞ちかく、ずっとこの上下四車線で交通量の多い国道の左側の細い歩道を走ることになります。
290mさきの一里山交差点(34.698118,137.486795)は、右手に見えるこんもりとした小さな盛り上がりが、文字どおりの一里山です。
その名の通り、一里塚の跡が小山になっているというわけです。
旧街道沿いではわりときく地名で、このあとに愛知県でも同様の名前が出てきます。
一里山から国道は緩やかに波打ちながら、畑の広がる台地の上を北西へ進みます。
正面に見えるのは浜名湖西岸の山々で、あの尾根を北へ辿ると中央アルプスへとつながります。
向かい風が強い冬の日などは、畑の砂埃をもろにかぶるので、サングラスやゴーグルがあった方が良いと思います。
また、交通量のもの凄く多い道路で、信号機が青になると大型トラックの集団がすぐ脇をけっこうなスピードで追い抜いてゆくため、風圧にも注意です。
一里山交差点脇にコンビニがあるほかは、左側には商店はおろか人家もなく、たまに工場があるだけであとは畑ばかりです。
木立が無い関係で、日影も殆どありませんから、真夏に歩くような場合には水分補給などを心掛けてください。
ただ、西へ向かう分には下り基調なので、自転車なら比較的に楽です。
一里山のさき、三ツ坂、茶屋ノ下、籠田と信号のある交差点を通り過ぎ、四つ目の三弥町(34.718633, 137.463603)の信号と歩道橋が見えてくると、前方右手に新幹線の高架線が近づいてきます。
左手には大きな工場がありますが、この工場は産業用・公共用電気設備や工場用の装置を製作している会社で、工場の敷地内国道に沿って、わりと小型で可愛らしい風力発電や太陽光発電の装置が並んでいます。
自然のものを葬り去った後にパネルを並べて「エコでござい」って広告付けられても、滑稽を通り越して哀れにさえ思えてきます。
(新幹線をくぐると先ほど渡った境川の下流、梅田川を渡ります)
さて、新幹線と国道が完全に並行して、二川ガード南交差点(34.720596,137.458773)まで来たら、右折して新幹線の下をくぐります。
そのまま100m進むと筋違(すじかい)橋(34.721727, 137.458440)で梅田川を渡ります。
正面やや左には、新幹線の車窓からもよく見えるペイントメーカーの事業所が建っています。
そのさらに左向こうの山端に、これまた新幹線からよく見える大きな岩(34.725773,137.470476)があります。
新幹線ののぞみ号が浜松を通過し、浜名湖を渡って上り坂にさしかかり、のぼりきったあたりで右側の車窓を見ると、この特徴的な岩がみえて、すぐ二俣宿の甍の連なりがみえ、そのすぐあとに豊橋駅を通過します。
(左;立岩 手前の線路は東海道本線です 右;踏切を渡ったらすぐ左折し二川宿へと入ってゆきます)
ここが山脈の終端ですよ、といわんばかりの大きな岩は立岩という名前で、クライミングのゲレンデにもなっているのです。
私は新幹線の車窓から見るたびに、ああ、中央アルプスのターミネーターだと思っていたのですが、岩そのものへは背後に道路もついていて、誰でものぼれます。
周囲からよく見える山というのは、逆をいえば眺めが良いわけで、この立岩から眺める冬の朝日というのはきれいだそうですよ。
旧東海道は梅田川を渡った後に、踏切で東海道本線を越えてすぐ左折します。
踏切の手前には、洒落た洋食屋さんがあります。
新居町の駅前で食堂を見かけてからここまで、旧東海道沿いに食事のできる店はありませんでしたから、ついつい入ってみたくなるお店です。
踏切のさきは、すぐ二川宿へと入ってゆきますので、次回はこの東海道本線の踏切(34.722174,137.456959)から続けたいと思います。
旧東海道ルート図(浜松駅入口~二川駅前)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=1c0fa9a276c470f9763d5ca0e44aa1a0