渋谷ってよくボールの底に喩えられますよね。
道玄坂、宮益坂、公園通りに、スペイン坂、オルガン坂と、買い物にブラブラするときは必ず坂をのぼるからでしょうか。
でも、実際はYの字に谷間が開いていて、駅はその二股の交点あたりに位置するのです。
Y字の下半分は、恵比寿、広尾方面に渋谷川が流れてゆく谷です。
渋谷川は下流で古川と名前を変えて、浜崎橋で東京湾にそそぐ川で、以前ご紹介した神田川のように、隅田川の水系には属しません。
上半分の右へ折れる谷は私立の渋谷中学高等学校の前を通り、裏原宿のキャットストリートにつながる穏田川の谷。
そして残りの左へ折れる谷は、ご存じセンター街の下を流れる宇田川の谷です。
そして、この渋谷川と南隣に流れる目黒川の間には、目黒から代々木の先まで山手線の外側に、延々と丘が連なっているのです。
この尾根の上を辿っているのが、旧山手通りです。
ということで、渋谷から代官山へゆくには、渋谷川と目黒川を隔てるこの丘を登らねばなりません。
もし、鉄道路線を忠実にトレースしようとするマニアなら、次のようにルートを辿るでしょう。
即ち、渋谷川沿いに恵比寿方向へ向かい、都バスの渋谷営業所付近から山手線の線路沿いへ出て、線路を跨ぐ歩道橋を使ってJR線をこえます。
そこからマンションの並ぶ谷間を300ｍほどすすめば、代官山駅の下に出られます（地図参照）。
しかし、このルートだと跨線橋を押し渡らねばなりませんし、代官山駅の脇で急な坂をのぼることになります。
しかし、自分はそこまで鉄路マニアではありませんので、Bromptonに相応しいコースとして、回り道してでものったまま登れる坂を選びたいと思います。
ねらいは、代官山、中目黒方面に向けた谷間をみつけ、そこをのぼって旧山手通りのはしる尾根の鞍部（いちばん低くなっている場所）をのりこえることです。
出発は渋谷駅西口(35.657857, 139.701366)。
ちょうど東急東横線とは反対側になります。
すぐに玉川通り（国道246号線）を横断します。
都心のターミナル駅周辺は総じて自転車に優しくない街ですが、ここ渋谷駅は地形とあいまってさらに自転車に酷な駅です。
東口から出ても西口から出ても、玉川通りには大きな複合型の歩道橋がついていて、横断歩道が一切ないために、自転車は車と一緒に渡るのです。
ところが、ターミナル駅なので、バスは連続して出発しますし、タクシーは四方へ散るわけで大変危険です。
おまけに自転車横断専用レーンも設けられていません。
とにかく横断したら、その向こうは桜丘町という地名です。
ゆるゆると坂をのぼって行って、ほんの少しだけ下ったところでつきあたります(35.654233, 139.702797)ので、右折します。
これから鶯谷という谷間をゆるゆるとのぼってゆきます。
山手線の鶯谷駅ではなく、渋谷にある鶯谷町ですよ。
この道沿いには以前ご紹介したお店もあります。
（http://blogs.yahoo.co.jp/brobura/38259424.html）
ここまでくると、右手へもう少しのぼれば道玄坂のうえ、南平台へと出られるのですが、渋谷駅からここまでのルート上に、自転車を押し歩くような急な坂はありません。
渋谷と代官山の中間にあるこのあたりは、大使館や外交官専用のマンションが多い、閑静な住宅街です。
中目黒方面へはこの交差点を斜め左前方へ進むのですが、今回のルート案内はここまでにします。
左手に交番のある交差点を左折し、600ｍほどゆくと代官山駅入口交差点です。
次回は代官山駅周辺をご案内します。