だんだん虫の音がきこえてくる季節になりましたね。
今年の夏は何年かに一度の蝉の大発生の年だったらしくて、うるさいほどの蝉しぐれでした。
でもよく聴いてみると、横浜北部の自宅周りはミーンミーンというアブラゼミが殆どなのに対し、横浜の山下公園あたりはシワシワシワっていうクマゼミの音が目立ちました。
どうもクマゼミが西漸しているだけではなくて、都市部では乾燥化が進んで、クマゼミの方に適応力があるみたいです。
そういえば、家の周りは幸いにしてまだ大きな樹木が残っています。
でも川はとうに暗渠化されてしまったし、ここも乾燥化が進んでいるのでしょう。
さて、自分の家の周りは虫が多くて、きっと虫嫌いの人には文字どおりの虫唾が走る環境かもしれません。
今年も夏になると、家の灯火めがけて集まってくる虫を目当てに、ヤモリさんが活動しています。
家が昔のつくりなので、雨戸の戸袋とか、縁の下とか、彼らが隠れる場所がたくさんあるのです。
そして、昼間はそういうところに潜んでいて、夜になると窓辺に出てくるわけです。
ヤモリって夜見ると目がくりっとして可愛いのですが、昼間に見るとジュラシック系のお顔になってしまっているのですよ。
模様もお世辞にもきれいとはいえませんしね。
でも、何のためなのか夜に「クックッ」って鳴くのです。
そして古い家屋にはお馴染みの、タカアシグモ。
子どもの手の平より大きかったりして、怖がる人が多いのですが、殺虫剤などに対してはとても耐性があり、一匹で家のゴキブリを全滅させるほどの益虫だし、非常に清潔かつ臆病で、自分から人間に近寄ってくることなどありません。
ということで、共生していますが彼に出遭うといつも「手の平に太陽を」を思い出してしまいます。
そういえば、ミミズ、オケラ、アメンボ、トンボ、カエル、ミツバチ、スズメ、イナゴ、ゲンゴロウと、あの歌に出てくる生き物はみな田んぼが関係しているのです。
稲は殆どが自家受粉とはいえ、ミツバチもからんでいまして、昨年あたりネオニコチノイド系の農薬が蜂群崩壊を招いたとして大問題になりました。
TED Talkでその話題がでていました(http://www.ted-ja.com/2013/12/marla-spivak-why-bees-are-disappearing.html)。
(みなさん、花を植えましょう)
けれども、家に住んでいる虫も、忘れてはいけないと思います。
とはいえ、ゴキブリさん、ムカデさん、シロアリさんたちは、さすがに自分も仲良くはなれません。
そして今年の珍客はこれ。
そう玉虫です。
何がしたいのか、玄関の前に立てかけた箒に一所懸命のぼろうとしていました。
ただ人間に見つかって焦っていただけかもしれませんが。
『玉虫色の決着』というと、悪い意味になってしまいますが、こうしてみるときれいですね。
法隆寺の国宝にある厨子に使われただけのことはあります。
それにお顔をよくみると、複眼が大きくてちょっと間が抜けたようなかわいい顔をしています。
枯れ木を食べる草食系の昆虫は、肉食のオサムシのような大あごが無い分、観察していてほっとします。
家の周りには、全く人を恐れない(傍を通っても無関心に地面で羽干ししている)キジバトのつがいが巣をつくっているので、気をつけなさいよと内心で声をかけておきました。