早朝に自宅を出て、鎌倉の海辺まで40㎞をブロンプトンで走ってきた私。
毎年立ち寄る海の家、一品香さんへ。
5時半に出発したので時刻は朝の8時です。
お店の人にきいたら、6時頃から開店するそうですが、食事は7時すぎくらいからつくれるようになるそうです。
毎年おなじみの風紀論争に、閉店時間をいつにするかで市と攻防があるみたいですが、朝はやい分には関係ありません。
なお、海岸には9時までサーフィンをする人が大勢いますが、9時を過ぎて海水浴場がオープンすると、サーファーたちは一斉に海からあがります。
ところで、毎年夏に恒例で二度や三度はこうして自宅から鎌倉まで走っていたのですが、これまで海に入るということは一度もありませんでした。
その実、40㎞をまじめに走ってくると、夏は朝とはいえ汗だくになっているのです。
涼しい海風に吹かれていると、汗は引いてゆきますが、髪の毛はベッチョリ状態です。
ふと海の家の奥を見ると、「温水シャワー」の文字が。
でも、泳がないのにシャワーを利用する人って、海の家ではあり得ません。
私は水泳やっていたから、水遊びってできないのです。
なんだか後ろめたくなって泳いでしまうのです。
通年で監視員のバイトもしていたから、プールへ行ってもつい周囲の人に気を配ってしまい、遊園地のプールでも楽しめません。
ましてや自転車で40㎞走って海に入って泳いだら、順番が違いますが、その後ランニングしなければならないような気になりそう。
意外と「スポ魂」ものが嫌いじゃなかったりするのです。
今やただのオジサン体型ですから、やっても真似事にもならないでしょうけれど。
そんなこんなで、これまで絶対に海へ入ることはなかったのですが、今年は「一度くらい入ってみよう」ということで、背中にDeuterのディパックを背負って、家から鎌倉までまじめに走ってみました。
持ち物は
・水着(軽くて荷物にならないとはいえ、さすがに競泳パンツはやめました)
・キャップとゴーグル(それもSPEEDOの。この辺が競泳する者の性です)
・セーム皮(タオルを背負うと嵩張るし、帰りは水分を含んで重くなるので。これも競泳やっている人ならお馴染みですよね)
・帰りの着替え(行きに着ていたシャツは汗まみれなので)
さてさて、これまでかき氷しか食べなかった海の家ですが、泳ぐとなると勝手が違います。
まず、鎌倉の海岸にある海の家は海浜組合連合会という組織に加盟していて、利用料金は一律で定められています。
つまり海の家の中のシャワーや桟敷を一日利用して、一人1,500円です。
これに食事代や、浜辺のパラソル、浜遊びに使うゴムボートや、ボディボードなどが別料金として加算されます。
私のように、ちょっとだけ海に入ってさっさと帰りたいという人には、困った料金体系です。
スキー場のリフト券も、スケート場でも、午前券とか午後券ってあるじゃないですか。
あれが海の家にも欲しいです。
午前中の利用だけなら800円とか。
でも、致し方ありません。
色々な楽しみ方をする人が増えれば、そういうアイデアも出るさと1,500円を支払います。
そして着替えて海へ。
まだ8時すぎで海水浴場はオープン前なのですが、海に入っていけないということではないそうです。
ただ、サーファーの人たちと接触して怪我しないように注意してくださいとのことでした。
準備運動をちゃんとして、サーキットトレーニング…はしないで、海に入って足のつかない場所まで泳いでゆき、空を見ながらしばらくの間浮かんでみました。
やはり海ですね、思ったより水温が高くて、寒さはほとんど感じません。
おじさんになって脂肪だらけになったのも原因のひとつですが、真水より海水の方が浮くのです。
ちょうど台風が接近していて、「遊泳注意」の日だったので、ただ浮いているだけでも耳に水が入ってきてしまうほど波が荒いのですが、青い空と白い積乱雲、そして波の音を聴いていたら、子どものころを思い出しました。
あの頃は、頭の中を真っ白にして海に浮かんでいたなと。
左右に波待ちの人たちがいたので、敢えて泳ぎませんでした。
ただ、何もしないで立ち泳ぎをしているだけでも、注意しなければならないことがあります。
それは、海には流れというものがありますから、知らないうちに別の場所に流されてしまうことがあるのです。
子どものとき、材木座の端で泳いでいたのに、気がついたらずっと沖に流されていて、一所懸命泳いで最短距離で浜にたどり着いたら、由比ガ浜だったということがありました。
前述した離岸流に、知らず知らずのうちに流され、しかも東から西への流れにものっていたということなのでしょう。
これを防止するには、正面の海の家の位置と、横方向の光明寺の伽藍とか、小坪海岸トンネル、逗子マリーナの位置を、絶えず確認しておくことです。
浜から沖へと連なる、海水浴場境目の浮ブイの数を数えるのも有効です。
こういう注意は海水浴に子どもを連れて行ったときに、親から子どもへ教えた方が良いと思います。
水の事故を防止するため、子どもを水泳教室にやるものいいのですが、泳げる人間からいわせてもらうと、泳ぐ技術があっても溺れるときは溺れます。
むしろ川の淵とか、海の澪の恐ろしさ、プールだったら排水溝周りの危険など、水中には陸上では考えられない死角があるということを教えてあげる方が大切な気がします。
今は日焼け防止やクラゲによる刺傷予防のため、ラッシュガードを着用して水にはいる人も多いです。
でも、泳ぐという動作からすれば、着衣の類はできるだけ少なくした方が良いのです。
ウエットスーツのような、着衣そのものに浮力や保温性があるものは別として、シャツやパーカー、ジャージなどを着用したまま海に入ると、溺れる危険が増します。
特に海や川、造波・流水プールなど、水に流れのある場所は要注意です。
むかし水難救助の資格を取るために着衣泳法を教わったのですが、指示されるまま着衣・着靴の状態で一般の泳法を試したら、水を飲んでしまい溺れるかと思いました。
「溺れている人を見かけても、自分が泳げるからといって安易に入水してはならない」って、最初に教わることなのです。
さて、お昼までに自宅へ戻る積りだったので、9時半には海からあがりました。
海水浴は朝か夕方の二時間以内がちょうど良いのです。
午前10時から15時くらいの間は、できれば日陰で昼寝するか読書でもしていた方が体に負担がかかりません。
シャワーを浴びて着替えを済ませ帰ろうとすると、あまりの短時間利用に恐縮されて、缶コーヒーを一本いただきました。
ありがとうございます。
料金体系が増えると良いですね。
そこからBromptonを展開して新逗子駅を目指します。
するとどうでしょう。
海へ入らなかった時よりも、ずっと体が軽くて楽になっているではありませんか。
既に陽が昇って気温が上昇しているにもかかわらず、精神的にも身体的にも涼しい気持ちがしています。
それにお腹の空き方も半端じゃなく健康的です。
朝にバナナとヨーグルトを食べたきりで、あとは海の家でかき氷だったので、いつも前を通っている披露山下のPNNYA COTTO(http://tabelog.com/kanagawa/A1406/A140602/14009181/)さんに立ち寄って、抹茶あんぱん(180円)を買って、店先で食べました。
買い食いはみっともないからやめろと躾けられてきたのですが、我慢できませんでした。
正味1時間の海水浴がタラソテラピーになったみたいです。
むしろそれ位でやめておいたから効果があったのかも知れません。
帰りの京急の中で爆睡し、横浜で早目のお昼をたくさんいただきました。
また、家を出る前に全身に日焼け止めを塗っておいたせいか、帰ってからも皮膚の火照りはまったくありませんでした。
今回分かったことは、ブロンプトンで走ってゆく以上、荷物は水着と着替え、タオルくらいが限界だということでした。
これで何らかのマリンスポーツをやろうとしたら、ボディーボードであれ、スキューバーであれ、道具やらスーツやらはすべて借りるか、海辺に保管しておくしかないと思います。
でも海まで自分の足で走ってゆき、そのままマリンスポーツをやったら、車で来たのとは違う充実感が味わえると思いますよ。
BromptonによるRunと海水浴の組み合わせは、思った以上に楽しく健康的なのでした。