私は普段、体力を維持するために、自宅から横浜までならブロンプトンで走ってゆくようにしています。
ジョギングと同じ要領で、身体にやや負荷がかかるくらいの速度で走るのですが、なるべく同じペースを保つために、道を選んでいます。
(夏の朝は朝ぼらけで、いまいち天気が良いのか悪いのか分かりません)
・信号が少ないこと
・信号が少ないこと
・(できれば)一時停止も少ないこと
・車の通行量が多くないこと
・人通りも多くないこと
・極端なアップダウンがないこと
という条件で、メインはいま別のシリーズで行っている東急東横線に沿ったコースを用意しているのですが、その道だけだと飽きてしまうので、新横浜を経由するコースと、大口を経由するコースと、三種類用意して、その日の気分や気温、風向風速などによって使い分けています。
たとえば、新横浜を経由するコースは途中で鶴見川の堤防を2㎞ほど走るので、追い風が期待できる場合は走るけれど、向かい風が強い場合は道がより細くて谷間を抜けてゆく大口商店街経由のコースを利用するという具合に、分けて使っているのです。
まるで、「いざ鎌倉」の鎌倉街道みたいに、上道、中道、下道みたいですが、家から横浜までの距離を比較すると、下記のようになります。
ジョギング初心者で1㎞8分ということですから、40分では5㎞くらいですよね。
折り返しのコースなら片道2.5㎞を行って帰ってくるということになりますが、自宅からだとお隣の駅まで往復しても、軽くオーバーしてしまいます。
それが横浜まで行って、朝食も食べて、(片道は電車だから)余裕で帰ってこられるということで、なかなか楽しい健康管理になっています。
山手線の駅までも、横浜の1.2倍程度の距離ですから、これで職場にシャワーがあれば、通勤しながら運動もできるわけで、そんなサラリーマン生活をやってみたかったです。
でも、15㎞以内って自転車としては物足りない距離ですよね。
夏の朝など、5時半に家を出ると6時過ぎに横浜へ着いてしまい、涼しいし、まだまだ走れるという印象です。
そこで、夏の週末など鎌倉街道を走って二つ峠を越えて、鎌倉の海まで走ります。
横浜から鎌倉街道経由で鎌倉の海辺までの距離は、自宅から横浜までの距離のちょうど倍になります。
トータルで40㎞くらいですかね。
時間的には自宅を5時半に出ると、真剣に運動すると8時前後に、途中寄り道したり写真を撮ったりとゆっくり行くと9時前後に海へ到達するという感覚です。
これくらい走れば、運動したという気になります。
鎌倉街道といっても、古道は殆ど残っていませんので、走る道も工夫しています。
横浜から週末の朝なら昨晩の喧騒がまだ残っている福富町とか長者町を抜けます。
大岡川沿いに出たら、ひたすら川をさかのぼります。
京急上大岡駅の少し上手、大岡川の上流部について、支流日野川と本流笹下川(本流を遡ると、二本松トンネルを越えて金沢文庫方面へ出られます)が出合う港南区役所付近から、県道21号線、通称鎌倉街道を走って日野川の谷を遡ります。
この鎌倉街道、車道は上下二車線あって、歩道もわりと広く、横浜から鎌倉への最短コースということで、多くのサイクリストが走っています。
けれども、私はブロンプトンで走っていても、ちっとも楽しくありません。
信号は多いし、なまじ道路が良いだけあって車も飛ばすし、だいたい家の近所にもこんな感じでお馴染みの店の連なる道路はたくさんあるのに、なんでわざわざここまで来て延々と走るのかという気持ちになってしまうのです。
日野川の谷をのぼってゆき、港南区と栄区の境あたり(35.372873,139.565920)が、七曲りとよばれる峠になっています。
これは三浦半島の背骨にあたる部分で、横浜から鎌倉や湘南へ向かおうとすれば、どこを通っても越えなければならない峠なのです。
たとえば、旧東海道なら権太坂をのぼった境木不動尊のある峠が、それにあたります。
この峠へ上り詰めるまでが、いつも苦行です。
そこから鎌倉街道は坂道をいっきにくだり、公田(くでん)交差点(35.363743,139.556852)で環状4号に突き当ったら右折します。
700mさきの「鎌倉女子大前」交差点(35.360187,139.547831)で左折すると、大船の東裏を抜けて北鎌倉より少し北西の「小袋谷」交差点へ向けて細かいアップダウンを繰り返します。
この「鎌倉女子大前」~「小袋谷」間の道は、週末(朝はそうでもありませんが)は車が渋滞することで有名な道です。
車道も上下二車線しかなく、歩道は限りなく狭いので、危険だから通りたくないのですが、自家用車同様に、他に道が無いので仕方なく利用しています。
おそらく鎌倉を目指すサイクリストは皆同じでしょうが、これが現代の鎌倉街道の現実です。
(笹下川と日野川の出合=合流点、笹野橋付近。川沿いの道はおしまいなので、現代の鎌倉街道を走ります)
ブロンプトンに乗っているからせめてと、渋滞の名所として名高い小袋谷交差点(35.341556,139.538309)を避けて、県道とは逆サイドの横須賀線線路際に沿っている路地をゆきます。
すると、なんと北鎌倉駅裏の、手掘りトンネルが「崩落の恐れあり」で通行止めになっているではありませんか。
去年は通れたのに…。
あとで新聞に「トンネルを除去する予定」であるとの記事を見かけました。
しかたなく、ブロンプトンでなければ通過不能なホーム裏の路地を抜け、北鎌倉駅前に出ます。
このままバス通りをのぼってゆけば、建長寺の前を通って巨福呂坂切通しを越え、八幡さまの裏に出るのですが、そこは路地裏好きの私です。
長寿寺という小さなお寺の先(35.331697, 139.550958)で右折し、車の入ってこない亀ヶ谷坂切通しを抜けます。
そこから二つ目の峠を越えて、扇が谷(おおぎがやつ)への急坂を下り、岩船地蔵で突き当ったら左折して横須賀線の線路沿いに、海を目指します。
寿福寺踏切(35.324711, 139.550508)を渡り、市役所・御成小前を抜け、六地蔵の交差点も突っ切って、ひたすら海へ向かってまっすぐに進みます。
すると、和田塚の駅前で江ノ電の線路を越えると海が見えてきます。
この亀ヶ谷切通しからの下りが、いままでの苦行のご褒美として与えられる、ラストランでしょうか。
海浜公園脇の広場で突き当ったら、広場の中を左方向にゆけば、鎌倉の海辺の中心、滑川交差点(35.309304, 139.545392)です。
滑川は由比ガ浜と材木座を分ける川で、古都鎌倉では一番大きな川です。
しかし、大きな川っていっても、旧鎌倉は狭いので、たいしたことありません。
子どものころは汚い川でしたが、今は下水が完備されたので、かなりきれいです。
なお、源流は、朝比奈街道をのぼって行った十二所にある、鎌倉霊園の奥です。
さて、たいしたことない川とはいえ、滑川が海に注ぐ辺りの浜は、離岸流が現れる場所で、昔から鎌倉の海辺で泳いでいるこどもたちの間では、「澪があるから近づくな」と言われていました。
両側から浜に向かった海流が、真ん中から沖へと戻ってゆくのです。
因みに、名勝として有名な稲村ヶ崎や七里ヶ浜は、水の事故が多発する場所であり、地元の人は潮流が激しいことを知っているので、たとえくるぶしから先だけでも、絶対に海へは入りません。
(サーファーの人たちは違いますよ)
むかしあそこでは大人から、海辺に降りるなってよく言われていました。
水の事故が多い場所として、昔から有名でしたしね。
さて、私自身が、子どものころは材木座海岸で泳いでいたので、そちらへ向かいます。
由比ガ浜と材木座海岸では、前者の方がお洒落なイメージです。
昔の文豪とかが住んでいた場所も、由比ガ浜よりです。
材木座って、その名の通り、鎌倉の昔は木材を流通するための港だったので、どちらかというと、商業地域でしたし、その後背地である大町も市街から外れた畑の広がる農地だったようですから、そういう意味でも垢抜けない歴史を背負っているのでしょう。
でも、私は観光客向けの店が多い由比ガ浜よりも、子どものころの鎌倉を色濃く残している材木座の方が好きですけれどもね。
少し長くなったので、今回はここまでにします。
次回は海に入って、さらにそこからBromptonに乗って駅まで走った感想を書きたいと思います。
今回の横浜から鎌倉までのコース
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=29f5bc9d86d20dbfa1a85d880e858070