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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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偽100ドル札騒動

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両替所を手伝っていると、色々な出来事に遭遇します。
先日ニュースでもやっていた偽札騒動に出くわしました。
知り合いが被害に遭ったらしくて、警察に提出前の偽100ドル札を持ってきて見せてくださいました。
わぁお、正真正銘の偽札だ~(笑)と鑑定機にかけたら、通ってしまいました。
ダメじゃん・・・
どちらが本物でどちらが偽物か写真からお分かりになりますか?
イメージ 1
(わざと縮尺を変えて赤線を入れています)

正解は上が本物、下が偽物です。
こうして比べてみると、明らかに色が違い、偽物は褪せてみえます。
それに偽札はいかにも安物という紙を使用しているせいか、軽いし裁断面が荒いし、加工によりではなく紙質によって手触りが粗いのです。
写真でも分かるのはインク壺の反射が茶色くて変わらないこと。
決定的なのは、ビデオにするとよく分かるのですが、ホログラム(紺紫の縦帯)がホログラムになっていません。
つまり、偽札の方は字が浮き出ていないし、札を動かしても字に変化がありません。
これだけ違えば本物を持っている人なら注意すればすぐわかります。
にもかかわらず、磁気で見分ける鑑定機は通ってしまうのです。
イメージ 2

(今回写真加工に苦労しました)

わたしはこれを換金した人の顔も見せてもらいましたが、マスクをした日本人然としていた20代後半くらいの男性でした。
きくところによると、日本語もネイティブだったそうです。
(といっても日本人かどうかはわかりません。少なくとも東洋人でした)
彼は帯封のついた偽100ドル札束(!)も紙袋に所持していたそうです。
しかし、どうして偽札なんかつくって換金しようとするのでしょう。
組織にしろ、国家にしろ、個人にしろ、そんなまがい物をひとさまに掴ませて得た金で儲けたところで、ロクなことができるわけもないのに。
拾った財布をそのまま交番へ届けるわけは、経済的に余裕があるからではなく、困っている落とし主をよそにその金を何かのために自分で使ったところで、物心両面で豊かにはなれないということが分かっているからではないでしょうか。
わたしはその事実が分かっている人こそ、実際に学校を出ているお金持ちかどうかに関係なく、教養のある豊かな人だと思います。
イメージ 3


他人をいじめて物事を進めるのがうまいとか、
人の弱みにつけこんで強請り取るのが得意とか、そんな能力があったところで、己が恥知らずの貧しい自分でしかないということすら自覚できないのであれば、皆が褒めようが誰が認めようが、本当に可哀相な人でしかないではありませんか。
「何をしてもいい、儲けりゃ正義だ的な考え方は捨てなさい」と教えてくれたのは、37歳で過労死した職場の先輩でした。
彼は営業成績が伸び悩む後輩社員に対して、「どうしたら商売が楽しくなるか、一緒に考えてみようか」と声かけするような指導をしていました。
あのひとをはじめ、様々な人たちが、自分の能力や財産をひけらかし、他人を見下すような人ほど、イカレた魂はないんだよということを教えてくれたから、落ちているお金は少額でも届ける、他人を犠牲にしてまでのし上がったような人をみても、ちっとも羨ましいとは思えない自分がいるのだろうと感じています。
イメージ 4

ああ、また脱線しました。
写真の偽札もそうですが、KFから番号がはじまる新100ドル紙幣には要注意だそうです。
皆さま、ご注意を。



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