今回は名古屋市中川区の佐屋街道で東海道新幹線をくぐったのを機に、旧東海道と東海道新幹線がどこで何回交差するのかについて振り返ってみたいと思います。
何といっても、圧倒的な人数の旅人が行き交う筋として、むかしの東海道と現代の東海道の交点ですから、なんとなく過去と現在の交点という不思議な感覚がする場所でもあります。
なお、地図を片手に旧東海道を歩きとおした人なら、容易に思い出せると思いますが、そうでない人はどれくらいの回数を交差しているか想像できますか。
ちなみに新幹線の東京京都間は実質で476.3kmあります。
対して旧東海道は553.8km。
30km~40kmに一度交差すると考えても、10回以上は交わりそうな勘定ですよね。
では、江戸(東京)から京(都)に向かって、東から西へ順に追ってゆくとして、進行方向左(南)側を海側、右(北)側を山側と便宜的に呼びたいと思います。
新幹線の座席もABC席を海側、DE席を山側と呼ぶことですし。
場所のほかに、旧東海道の宿駅間と、新幹線の駅間、それに住所と座標も表示しておきます。
1.新橋駅の南にある烏森橋架道橋 日本橋-品川 / 東京-品川
(東京都港区東新橋1-3 35.664284,139.758625)
さて旧東海道の起点、お江戸日本橋は新幹線の東京駅よりやや北寄りの海側にあります。
八重洲口の東、中央通りから銀座のど真ん中を抜けて最初に東海道新幹線と交わるのは新橋駅の南、線路下に居酒屋さんが並ぶ国道15号線のガード下です。
正式には烏森橋架道橋というのだそうです。
新幹線は東京駅を出たばかりで、まだノロノロ運転している場所です。
新幹線の車窓から見ると、下は第一京浜ですから車だらけです。
ここからは、旧東海道が山側、新幹線が海側になります。
2.八ツ山橋 日本橋-品川 / 品川-新横浜
(東京都品川区北品川4 35.624491, 139.738758)
お次はというと、わりとすぐにあります。
新橋から品川駅まで、田町薩摩藩邸跡付近より南はもとの操車場を挟んで旧東海道と新幹線が並走します。
品川駅の先、八ツ山橋で今度は旧東海道が新幹線を跨ぎます。
跨ぐ方がくぐるよりも、見下ろす感じでなんだか偉くなった気分です。
ここも新幹線は品川駅を出た直後でスピードがのっていません。
でも新幹線の車窓からは上方のため、旧東海道をうかがうことはかないません。
現代の品川駅が、むかしの品川宿よりだいぶ北にあるにもかかわらず、地名が北品川というのもおかしな話ですが、本当の品川宿の中心は京急線の新馬場に近い場所にあることを、実際に行ったことのある人ならお分かりになると思います。
ここからは、旧東海道が海側、新幹線が山側になります。
3.早川口ガード 小田原-箱根 / 小田原-熱海
(神奈川県小田原市城山4 35.246434, 139.149326)
八ツ山橋から先は、旧東海道と新幹線はずっと別れ別れになってしまいます。
なぜなら新幹線は神奈川県を北東から南西方向にショートカットするのに対して、旧東海道はもっと海岸線に近い場所をまわるからです。
といって、旧東海道も海が見えるのは二宮の先ですが。
新幹線はどちらかといえば中原街道に近い方をすすみます。
そして小田原宿を過ぎて、これからいよいよ難所の箱根に差し掛かると思わせるその入り口で、東海道新幹線、東海道本線、箱根登山鉄道線とまとめてくぐります。
新幹線の車窓は、小田原駅を過ぎた直後、海側に小田原城が見え、短いトンネルをくぐったすぐ先になります。
ここから先、熱海をまわる新幹線が海側、箱根越えをする旧東海道が山側になります。
4.三島市五本松交差点付近 箱根-三島 / 熱海-三島
(静岡県三島市初音台16-3 35.124748, 138.936084)
この場所が、もっとも交点の実感がない場所かもしれません。
なぜなら、新幹線はトンネルの中だからです。
旧東海道でいうと、箱根西坂を下りきる直前、錦田一里塚跡から大変歩きにくい模造石畳を歩いている最中、以前ご紹介したレストランアサカの140mさき、旧東海道が国道から分かれる五本松交差点の130m手前になります。
やったことないからわかりませんが、地面に耳をつければ地下を通過する新幹線の音が聴きとれるのでしょうか。
おそらくは国道を走る車の音が邪魔をして無理だと思います。
新幹線の下りでいうと、熱海駅を通過した後、長い新丹那トンネル(延長7,958m)を抜けて、函南(485m)、観音松(1,286m)、玉沢(366m)、竹倉(105m)、八田(800m)と、比較的短いトンネルを5つ抜けて三島駅へと至るわけですが、最後の八田トンネルの中間よりやや西が、旧東海道の交点になります。
車窓は…トンネルですから何も見えません。
東海道新幹線は、東京新大阪間で66のトンネルがあるそうですが、後からできた他の新幹線に比べたらずっと少ない方で、新幹線の中でも唯一車窓が楽しめる路線だと思います。
他の新幹線は、九州や北海道は乗っていないからわかりませんが、総じてモグラ新幹線、地下鉄新幹線なんて揶揄されています。
これがリニア新線になったら車窓なんてあったものじゃないそうです。
私なら多少高くても飛行機を選んで、子どもみたいに「窓際の羽根の上じゃない席にしてください」と言いたいところです。
しかし、東海道新幹線にしても、沿線の宅地化がすすんで防音壁が高くなってきているのが気になります。
むかしはもっとよく景色が見えたし、食堂車なんかもついていて楽しかったのです。
ということで、この箱根西坂の下あたりから、旧東海道が海側、新幹線が山側になります。
5.静岡県富士市依田橋西交差点付近 原-吉原 / 三島-新富士
(静岡県富士市依田橋町16 35.150276, 138.698539)
沼津からさき、駿河湾からみて手前より、旧東海道、国道1号(バイパス)、新幹線、東名高速道路、新東名高速道路の順で並行して西進します。
旧東海道からみると、右前方に愛鷹山をしたがえた富士山を見ながら進むわけですが、原宿をすぎ、田子の浦を迂回するように北方向へカーブして、国道1号線(富士由比バイパス)をくぐる際、新幹線も一緒に交差します。
新幹線は「ただいま右手に富士山が見えております」とアナウンスが入った後、製紙工場の煙突が増えてきて、左側にバイパスが寄り添っている区間になります。
旧東海道だと、吉原駅の先、石材店の手前、もう少し進むと左富士という場所になります。
工場地帯ですし、バイパスに新幹線、国道139号線まで交差しているので、大型車が行き交い、やかましい場所です。
この先、旧東海道が山側、新幹線が海側です。(つづく)
(手前がバイパスになっているため、わかりにくいです)