よく勘違いされるのですが、田園調布の放射状の住宅街は、東京都世田谷区ではなく、大田区にあります。
そして住宅街の裏手には玉川浄水場があるのですが、こちらの住所は世田谷区玉川田園調布となります。
大田区の田園調布は1丁目から5丁目まであって、東南から西北に向って順に並んでいます。
そしていわゆる駅西口を要とした放射道路の住宅街は、ほぼ3丁目が相当します。
だから「田園調布3丁目に住んでいる」なら、「大変良いところにお住まいでいらっしゃいますね」ということになるのです。
この写真は、玉川浄水場の下、多摩川に向ってまっすぐ河岸段丘を下る坂道です。
「急な坂」ではなく、名前が「急坂」というのです。
http://www.city.ota.tokyo.jp/midokoro/spot/ootaku_sakamichi/denenchoufu_minemachi/kyuu_zaka.html
大正時代に宅地造成によってつけられた比較的新しい坂で、もとは「五丁目の急坂」という名前だったようですが、五丁目がとれて「急坂」になったようです。
感覚的ですが、河岸段丘の段差は河川の大きさや流量に比例すると思います。
つまり、大河であればあるほど、河岸段丘も高低差があるのです。
目黒区や世田谷区、大田区の他の川、つまり目黒川や呑川その支流の九品仏川に比べれば、多摩川は大河川ですから、このように段差を昇降する坂も、直登的であればあるほど長くて急になるのでしょう。
しかし、多摩川に向って下ってゆくときは、なんともいえない爽快感があります。
夏のよく晴れた日には、どうせならこういう坂道を下ってゆきたい気持ちになります。
(一方通行路ですから、車やオートバイは登れても下ることはできません)
自転車の良いところは、徒歩同様にこうして足で大地のうねりを感じられるところだとお思います。