外貨両替所でアルバイトしているときのお話です。
最近の外国からいらした方は、自分の知っているような自己主張の強い人たちばかりではなく、やたら礼儀正しいひともいるのです。
扉を開けて入ってくるなり直立不動で一礼され、仕方なく武道の試合みたいにこちらも礼をするとか（笑）
こちらから“Can I help you?”と聞かないとずっとモジモジしている人もいらっしゃって、面白いなと感じています。
たいして英語が話せないながらも、適当な丁丁発止を私は楽しんでいます。
それに道案内の英語って、とてもためになるのです。
だってガイドしているときに使えますから。
今日はフランス人のカップルがみえて、両替後に「代々木公園に行きたいのですが」と訊かれました。
（現在地は新宿三丁目）
「そこから地下鉄に乗って2つ先の明治神宮前で降りるか、新宿駅まで歩いてJR山手線で原宿駅へ行くといいですよ」と答えたのですが、
「わたしたちはフランスから来て東京の暑さを体感したいから（！？）歩いてゆくわ。
どちらの道を行ったらいい？」とグーグルマップを見ながらのたまうのです。
「この炎天下に歩いたら日射病になってしまいますよ」と言おうとして、熱中症とか日射病って何だっけ？と言葉につまりました。
風邪引いた時に「熱がある」っていうときはFeverを使いますよね。
“You might have fever.”（熱出るぞ）でいいのかしらん。
何か違う気がします。
正解は“If you would walk to Yoyogi Park, you might get a heatstroke.”
(代々木公園まで歩いていったら、熱中症になるぜよ)
熱中症（熱射病）はheatstrokeで日射病がsunstroke、なるほど、あとで辞書を引いたらstrokeには打撃とか水泳のひとかきなんて意味が頭に浮かびますが、「卒中の発作」という意味もあると知りました。
またひとつしわが増えました。
“Be aware of heatstroke.”なんて言ってあげたらよかったのかもしれません。
アメリカではdehydoration(脱水症状)の方をよく使うそうです。
なるほど、細胞内液中の水分喪失だからde-hydorateですね。
“You make sure to drink water frequently, for staying hydrated”
(脱水症にならないように、こまめに水分補給してください)
先日のツアーの時に使えましたね、このセンテンス。
なお、フランス語で熱中症は” le coup de chaleur”というのだそうな。
なんかフランス語になると切迫感がなくなっておしゃれな響きとなってしまいます。
お二人さんには「仕方ねぇな、じゃあそこの明治通りを南にまっつぐいってぇ、表参道とぶつかる神宮交差点に出たらよ、みぎにまがってぇだな」なんて乱暴な調子で話したら“Omotesando? Jingu？”と聞き返されてしまいました。
こちとら毎日自転車で通っている場所でも、日本が初めての外人さん達には通用しません。
こういう場合は場所の名前を言うよりは、ビジュアル的な物言いの方が通用するのです。
「右手に大きな石灯篭のある交差点を右ですよ」と言おうとして、石灯篭ってなんて言えばいいかわからずに、「とにかくJR原宿駅へ行って、代々木公園はお隣だから」“Yoyogi Park is next to JR Harajuku Station”と説明しておきました。
あんな英語で渋谷駅に行かなければいいけれど（^^;）
あんな英語で渋谷駅に行かなければいいけれど（^^;）
自分が外国へ一人で行ったとき、長ったらしい街路名を言われても覚えられません。
そういうときは「どこそこまで行ったらなになにがあるからそこで人に訊け」なんてことをよく言われたものです。
なお、石灯篭は“Stone lantern”だそうです。
“If you see the big lantern on your right side, then you can turn right”とでも言っておけばよかったです。
こうした道案内やガイドのコツをつかむには、やはり場数を踏むしかなさそうです。
まさに、「習うより慣れろ」ですね。
![イメージ 5]()
（今の時期、代々木公園は蚊もいるから対策をしてゆかないとボコボコにされますよ）