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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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TY14綱島駅からTY15大倉山駅へ

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鶴見川を大綱橋(35.534108, 139.634749)で渡ります。
この場合、東横線に近い横浜に向かって右側の歩道を渡りましょう。
駅が近く歩行者も多いせいか、自転車と歩行者はレーンが分けられています。
運が良ければ鶴見川の上流方に富士山が見えるかもしれません。
鶴見川という川は横浜市に区名がある関係で、市内では有名です。
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(大綱橋)

源流は多摩ニュータウンと町田市を隔てる尾根の町田側で、小山田(35.602591,139.395227)という場所になります。
小山田ときいて武田二十四将のひとり、小山田信茂を想像したあなた、鋭い勘です。
そう鶴見川最上流にある小山田の庄は、秩父平氏の流れをくむ小山田氏発祥の地で、彼らは鎌倉時代に幕府の要職にあったものの、畠山重忠の乱で粛清されて残党が甲斐の国へ落ちのび、それが武田家家臣の小山田信茂につながっているのです。
彼は武田氏滅亡の原因をつくった(勝頼の岩殿城への避難拒絶)武将として、ドラマでは悪役に描かれることが多いです。
事実、織田氏の甲斐侵攻のあと、主家への不忠者として処刑されています。
ただし、今の道徳観で戦国時代の裏切りをはかっても、栓のないことだと思うのです。
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(矢上川と鶴見川の合流点、鷹野大橋付近。右の山の上に紅白の鉄塔が立っている場所が、三ツ池公園です)

鶴見川は小山田から小田急線の鶴川駅付近を流れ、田園都市線の市ヶ尾・藤が丘間(ちょうど東名の横浜青葉IC直下)、その後鴨居駅付近で町田駅付近から横浜線に沿って流れてきた恩田川と合流、新横浜から大きく北へ湾曲してここ綱島をすぎ、京急鶴見駅のやや北側で東海道と交差し、東京湾へ注いでいます。
総延長は42.5kmで、鶴川駅から鶴見駅の間の護岸は、ほぼ舗装された自転車道(鶴見川サイクリングコース)か歩道が続いています。
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(三ツ池公園。まだ早くて咲いていたのは河津桜のみでした)

 

反対に下流の方へ走ってみましょう。
大綱橋から川の流れに従って右岸をゆき、東海道新幹線の橋梁を含めて5本目の末吉橋までゆきます。
そこで右折して県道14号線を西方向へ500m走り、三ツ池公園北門入口信号(35.528290, 139.661511)から左手に入ったところにあるのが、県立の三ツ池公園です。
ここは1600本の桜が文字通り三つの池を囲む丘陵に咲き、日本の桜の名所100選にも選ばれています。
しかも園内は自転車通行可能ですから、近場でブロンプトンに乗って桜を愛でるには、もってこいの場所です。
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(大綱橋南詰の、旧綱島街道分岐点。右手の旧道に入ります)

ただし、歩行者とのトラブルを避けるためにも、混雑時は自転車に乗らない方が良いと思われます。
また、平日の早朝などすいている時間に行っても、散歩やジョギングをしている人には最大限配慮した方が良いと思われます。
(同じ名所100選の恩賜上野公園も自転車走行可能です。しかし行けばわかりますが、早朝でもない限りとても自転車に乗れるような状況ではありません。
また井の頭公園も園内の道路幅を考えると同様です。)
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(分岐点にあるラヂウム温泉湧出記念の碑)

大綱橋を渡ってすぐ、旧綱島街道が斜め右手へと分かれています。
現在の綱島街道との分岐(35.532380, 139.634562)に小さな石碑があるのですが、これが「ラヂウム温泉湧出記念碑」です。
昭和8年の建立で、温泉発見者は飯田助太夫氏で、このお方は「TY13日吉駅からTY14綱島駅へ(その1)」でご紹介した飯田邸のご当主でいらっしゃいます。
ラジウム温泉とか、放射能泉ときくとすぐに反応する方がいらっしゃいますが、現在の綱島温泉は放射能泉の定義を満たさぬほどラジウムの含有量はありません。
また、あったからといってすぐにどうこうという問題ではないことも、温泉を少し知っている方ならお分かりかと思います。
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(大曾根=おおぞね商店街)

綱島街道の旧道を進んでゆきます。
家一軒隔てて東横線が並行して築堤上を走っているため、時々電車が行き交う姿をながめながら南へ進むと、310mさき(35.529913, 139.632904)でさらに二股に分かれます。
ここを右手にゆくとすぐに大曽根商店街に入ります。
この商店街は、綱島駅と大倉山駅のちょうど中間あたりにあるせいか、昔の姿をよくとどめていて、夕方にここを通りぬけようとすると、お惣菜の匂いに交じって豆腐屋さんのラッパの音がきこえてきそうな雰囲気です。
ほぼ中心にある銭湯の大平館(35.527617, 139.632529)さんは、昔から綱島温泉を継承している唯一のお風呂です。
東横線唯一の温泉でもありますから、沿線の住民としてはぜひ一度は入っておきたいものです。
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(引っ込んだ場所にある大平館)
 
大曽根商店街をそのまま進むと、やがて道は上りにかかります。
これが大倉山から続く尾根です。
道が東横線の線路沿いなって下りにかかると大倉山駅の脇へ出る形になりますが、それでは面白くないので、大曽根商店街に入る手前のY字路から左手へ進みましょう。
そのまま300mほどゆくと道は自然にもとの綱島街道に合流します。
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(新幹線線路わきの激坂)

本来であれば、このまま綱島街道を南へのぼってゆくのですが、100mさきに大曽根信号(35.526324, 139.632849)がありますからそこで綱島街道を横断して少しだけ大綱橋方面へ戻り、右折します。
路地を進んで鍵形にクランクすると、新幹線の高架下をくぐるので、その先の本長寺まで行かずにすぐ右折して線路際をゆくと、激しい上りにかかります。
高架下から新幹線の線路よりも一気に高いところへ直線でのぼるこの坂(35.526386,139.636092)は、横浜市港北区のなかでもランキングを競うほどの急坂です。
だって坂の脇に階段がついていますから。
新幹線の方は大倉山の尾根をトンネルで抜いています。
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(東京駅から2つ目のトンネルの入口上で)
 
自転車を押してもヒーヒー言いたくなる坂を登りきって、そのまま道なりに山の上の住宅街を抜ければ、これまたすぐに急なくだりにかかります。
坂を下りきったつきあたりを右折してすぐ右手にあるのが師岡熊野神社(35.523936,139.635547)です。
ブロンプトンをつれて本殿にまわりたければ、坂の途中で右へ入れば社務所の前に出られます。
この神社は創建が神亀元年(724年)とかなり古くなっています。
熊野権現の広がりは自由が丘のところでご説明したとおりですが、ここでもやはり「空からお札が降ってきた」のが最初です。
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(師岡熊野神社)

そして、ここはサッカー神社としても有名です。
神社の紋章が「三つ足烏」であることから、共通のシンボルをいただくJFL(日本サッカー協会)公認のサッカー御守が頒布されているのです。
(初穂料は一体800円)
横浜北部一帯の守り神として日産横浜サッカースタジアムも地域に含まれているからって、かなり強引な感じもしますが、あのスポーツは怪我も多いですからお守りは欲しいところです。
私は神社のこんなゆるい面は嫌いじゃないです。
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(社殿)
 
さて、社殿の裏に回ると、「のの池」(35.524167, 139.635524)があります。
神社の階段下、道を挟んでお向かいにあるのが「いの池」(35.523364,139.635604)です。
その名の通り、「い」の字をしています。
そして今は埋め立てられてしまいましたが、大曽根第二公園(35.525777,139.632467)のある場所にあったのが「ちの池」です。
三つあわせて「いのち」となるこれらの池は、「みくま」とも呼ばれていました。
いの池は熊野神社の権現さまが当地の悪者退治の折、片目を弓矢で射られてしまい、この池に住む鯉が自分の片目を権現さまに差し出したという伝説があります。
のの池の方は社殿が落雷による出火に見舞われたとき、この池の水で消火して消失を免れたといういわれがあり、今でもこの池の水が神社の神事に使われるそうです。
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(いの字池)
 
神社を背にして前の道を右手へ230mゆくと、熊野神社入口交差点(35.522463, 139.633308)で綱島街道に出ます。
左折して坂を下り、菊名方面に向かうのであれば120m先の路地を斜め左に入る(35.521341, 139.633068)のが綱島街道の旧道です。
大倉山駅へはそのまま綱島街道を下って坂下の大倉山交差点(35.520525,139.632625)を右折すれば、280m先の右手が駅の改札になります。
 
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次回は大倉山駅周辺をご案内したいと思います。

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