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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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旅と読書-出かける前に本を読んでみましょう

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私が読書を好きになったのは、旅との関係が大きいと思います。
子どもの時分からどこかへ出かけては見聞したことを、帰って本で調べるということをやっていました。
すると、実は旅の最中に見落としていた物事を書物のなかで発見し、もう一度その場所へ行ってみようという気持ちになります。
また、同じ場所へ時間を置いて行っても、その間に読んだ本が影響して、その土地への印象が変化するのを感じてきました。
それはリアルに自己の側の変化を自ら感じられる貴重な経験でした。
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(今日の写真はクラレット×コバルトブルーのブロンプトン)
 
では、どうしたら旅行から帰ったら旅先でのことを調べてみようという気持ちになるのでしょう。
これは、ひとえに小さい頃、一緒に旅する家族や旅先で出会う人が、その土地にまつわる歴史や文化の話をしてくれることが多かったからというのもあります。
「話し上手は聞き上手」といいますが、私の親は旅先で出会う人、たとえばタクシーの運転手さんや旅館の仲居さん等から情報を仕入れるのが上手だったと思います。
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(色は渋目ですが、このように緑には映えます)

それに出かける前に、小説にしろ、地誌にしろ、紀行文にしろ、何かしらの本を読んでから行くということをやっていたようです。
半分は、子どもの手前、家長の威厳を保つためだったかもしれませんが、残りの半分は純粋な知識欲からだったと思います。
現地について多少なりとも知識があると、土地の人に対する質問の内容も変わってきます。
「よくぞそのことを聞いてくださいました」という表情をする相手を旅先で何度も見た気がします。
本当は学生時代の予習の際に、翌日の授業で先生が質問して欲しいようなことを同じように先読みしておけば、教師からの評価も、よりおぼえめでたかったのでしょうけれど、私にはそこまでの策士にはなれませなんだ(笑)
イメージ 3
(秋のやわらかな日差しの中で乗っていると、気持ちの落ち着く色ですよ)

もし、旅行前の読書が、単にガイドブックを見るとか、ネット上の情報を見るとか、あるいはメディアで見た印象に残る風景だけだったなら(そういう動機を否定はしませんけれども)、旅先で案内板を見たり人に質問したりすることもなければ、帰ってから本を調べる気にはなれなかったと思うのです。
その土地にまつわる書籍であれば、歴史でも文学でも文化でも産業でも風俗でも、興味が持てるテーマであれば何でもよいのではないでしょうか。
そこが突破口になって、また関連書籍を読んでみよう、すると今度はあそこに行こうという形で旅の裾野が広がりゆくと思うのです。
読書離れがいわれて久しいですが、感性の瑞々しい若い人ほど、読書はしてほしいと思います。
その理由は、また改めて書いてみたいと思います。

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