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Channel: 旅はブロンプトンをつれて
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志賀草津道路(国道299号線)にブロンプトンをつれて(その2)

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前回で計画の概要を書きましたので、今回は夏場に山岳道路にブロンプトンをつれてゆく際の注意点についてから書きはじめたいと思います。
 
○服装や格好
山の頂上と麓では気温が全く違います。
とくに志賀草津道路のような頂上と山麓(湯田中温泉)で標高差が1,500m近くある場合は、晴天時の場合など100mあたりおよそ1度下がりますので15度近く気温差があることになります。
例えば、麓では真夏の28度でも頂上では13度しかないことになります。
長袖どころか下手をすると手袋まで必要になる可能性があります。
また、下り一辺倒でなく上り坂もある程度は覚悟せねばならない場合(例えば箱根のような外輪山とカルデラ湖のある火山のようなケース)、汗をかいて自転車を漕ぐことを前提に考えなければなりません。
イメージ 1
(そういえば北陸新幹線になってから乗っていません)

ですから、薄手で脱いだ時に荷物にならず、かつ上に羽織れて保温性、通気性も優れるものが必要です。
私のお勧めは、マラソンやハイキング用の薄手のジャケットです。
とくにマラソン・ジョギング用のそれは、伸縮性に富みながら、汗をかいても蒸れず、かつ暖かいのです。

いざというときは腰にゴムでウエストバッグのように巻き付けて走れるようになっているタイプもあり、山の麓へ出てから自転車に乗る場合は重宝します。
(例;アシックス ライトウエイトジャケット)

なお、私はハチが大嫌いで、山へ行くと傍を通過しただけで喧嘩を売ってくるスズメバチさんがいることと、麓へ降りてから暑い中を走るときに少しでも体感温度を下げるため、白っぽい服装を心がけています。
同じことを考えている方は、黒系の服装だけはやめておきましょう。
イメージ 2
(軽井沢始発の全車両自由席の長野行き新幹線があったのですが、平日のみの運行になってしまいました)

山行用のジャケットは、防水性にも優れていて、やはり運動を前提としているので高価ですがゴアテックスなどを選べば間違いないと思います。
ただ、マラソン用よりは値が張りますし、林道の終点にブロンプトンを停めて、そこから山頂アタックをかけるのでは無ければ(この場合、行き帰りの林道歩きが短縮できるというメリットがあります)そこまでやる必要はないと思います。
いずれにしても、高所から下りてきたら脱いでカバンの中に入れてしまうのですから、チグハグになるのを覚悟で普段着のうえにそれらを羽織るコーディネートをしてみてください。
サイクリストむき出しのファッションより、ジャケットを脱いでブロンプトンを曳きながら食事などでお店に入って行った時の、マイカーで来ている人たちの反応が面白いですよ。
みんな「???」てな具合で見ていますからね。
イメージ 3
(空いているけれども、軽井沢宿泊では前回ご紹介した湯田中発で9時過ぎに渋峠に着くバスには乗れません)

手袋は、春秋用の薄手のものを持ってゆきましょう。
実際に使用するのは山頂付近の短い区間ですから、パンク修理のために持ってきた軍手や介護用使い捨てビニール手袋で代用してしまうという手もあります。
しかし、こちらはファッションセンス的にはお勧めいたしません。
もう一つ、困ったことに靴をどうするかという問題があります。
私は、真夏には足が蒸れるのが嫌なので、わりとクッション性のあるジョギングかマラソンシューズを履いています。
これは、ブロンプトンを曳いて、或いは停めて歩き回ることも前提としているからです。
ただ、五月の連休や秋口など、真夏でないときにメッシュのシューズを履いていると、山のうえは時間帯によって真冬に近い気温の場合もありますから、足が寒くて凍えるという可能性もあります。
その場合、靴下のうえに新聞紙やビニール袋を巻くという手があります。
これ、山へ行く人なら応急処置として使う手ですが、どうせ短い区間だけならわざわざそのために保温性にすぐれた靴を履くのは無駄ですから、使える手だと思います。
イメージ 4
(ただ、終点まで空いていて、車内販売がないことがわかっていれば、通路においても問題ありません)

ヘルメットをどうするのかについては難しい問題です。
スピードを出すつもりなら必須でしょう。
でも、山へ行って猛烈な速度で下るよりは、景色や高山植物などの植生、さらには昆虫などを愛でながら、せいぜい時速10㎞~15㎞でゆるゆる下ることを下でお勧めしますので、私は持ってゆきません。
たしかにスキーのように一日に何本ものぼっては下るということを繰り返すならともかく、ブロンプトンによるダウンヒルの場合、仮にバスの一日乗車券を購入しても、その本数から、丸一日かけても2~4本が限界です。
白根火山ロープウェイに至っては、回数券すらありません。
ブロンプトンは折りたたみ自転車ながら堅牢な作りをしていますし、巡航速度40/h以上でダウンヒルをすることも可能ですが、走行自体を楽しむのであれば、ロードバイクやマウンテンバイクを山へ持ち込んだ方が良いと思います。
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(お隣に人が来ないと分かっていれば、これでも良いですし)

○持ち物
パンク修理道具一式は必ず持ってゆきましょう。
・替えのタイヤチューブ
長野県など、県内にブロンプトンディーラーが無いですから、あらかじめ購入しておいて、家から持ってゆくことをお勧めします。
BROMPTON TOOLKIT
コンパクトになるし、かさばらないし、フレームの中に仕込むことができるので、便利です。これに六角レンチを持っていれば充分でしょう。
・修理用手袋
山の中で手がオイルまみれになっても、洗う場所などありませんから、介護・医療用の薄手の使い捨て手袋をビニール袋に入れて持ってゆきましょう。
・携帯用ポンプ
私のように、ポンプが付属していないチタンモデルのブロンプトンだけではなく、純正のあれは入れにくいので、同様の小さなポンプを別に持ってゆくことをお勧めします。
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(もっとも、以前ご紹介した通り、JR 東日本の03系は、荷物置き場があるのでブロンプトンの置き場所には困りません)

自分の場合、冬場にスキーに行っていたり、そのほかの季節にオフロードバイクで走り回っていたりした山なので、ナビは基本的に麓へ降りてから使うのですが、全く知らない場所で土地勘も無いのなら、あらかじめルートを入力したナビゲーションを持ってゆくか、せめてルート作成図にスマートホンでアクセスできるようにしていった方がよいかもしれません。
こうした装備を最初から望めない場合は、道路地図をコピーしたものを持ってゆきましょう。
仮に自動車道路だけを走るとしても、山の中にいるときは、今自分がどこにいるのかを確認しながら走るというのは重要なことなのです。
山という場所は、たとえ車の走れる道であっても、一本間違えるととんでもないところへおりてしまうことがあります。
まぁ、ブロンプトンの場合、駅やバス停まで走って、折りたたんでそこから帰ってしまえばよいわけですから、自動車の走る道路を辿っている限りにおいては、大事に至ることはありませんが。
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(まだ新幹線が長野止まりだった頃の長野駅。新幹線が通る前は、これより先へ行く信越本線の優等列車、例えば特急白山などは、なかなか座席指定が取れない列車として有名でした)

そのほかに、紫外線対策として、サングラスや日焼け止めクリームを持ってゆきましょう。
海同様、山の中も日差しは強いですから。
また、志賀草津道路のような道は、眺望が効く分立木は少ないぶん、日陰は殆どありません。
まさかブロンプトンに乗るアウトドア派の人間が、日傘をさしながらの運転などするわけがないとは思いますが、念のため停車した場所でゆっくり景色を堪能したいご婦人は、折りたたみの日傘をもってゆくと良いかもしれません。
ただ、熱射病予防だけでなく安全面から、帽子は被った方が良いです。
林道などでは自販機はありませんから、水分補給のために水筒を持ってゆくこともお勧めします。
こまめに水分を摂るのはアウトドアの基本です。
 
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(熊鈴とナビを付けたところ。熊鈴はここよりもザックの後ろ下部につけた方が良く鳴ります http://blogs.yahoo.co.jp/brobura/39405451.html

今回のルートはあまり必要ないと思いますが、脇道や林道に入ってゆくのであれば、熊対策をしておきましょう。
鈴、もしくは携帯用小型ラジオですが、後者はスマートホンで代用できます。
もうひとつは、撃退スプレー。
これらの準備をしておいてなお、熊に出会ったときの心構えくらいは読んでおきましょう。
虫が嫌いだという方は、虫よけスプレーも持ってきてください。
ただ、こと今回ご紹介するルートには山ビルはおりませんので、塩水スプレーは不要です。
さらに、万が一のケガに備えて絆創膏や消毒液くらいは持ってきておきたいものです。
山の中にはドラッグストアやコンビニなどありませんから。
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(別の場所ですが、登山基地などで下車する場合、山用のグッズが販売されていたり、気象情報を入手できたりします。-八ヶ岳の登山口 美濃戸口にて)

さらに、荷物に余裕があるのなら、趣味のものを何か加えるのもよいと思います。
本好きの私は文庫本1冊ですが、コンパクト版のマキノ植物図鑑などとルーペを持って行って、植物博士を気取るのもよし、携行用の野点道具、コンパクトな双眼鏡、カメラや三脚一式、パックロッドと呼ばれる携行用の釣り竿などを持っていって、気の赴くままにブロンプトンを停めてフィールドワークしてみてはいかがでしょう。
ブロンプトンという折りたたみ自転車は、このブログが旅×ブロンプトンであるように、ひとりひとりの趣味と掛け合わせたときに、おもしろい化学反応を起こす自転車だと思います。
これらのものを入れるには、フロントバッグよりも背中に背負える方が、走行に影響を与えずに良いと思います。
私が使用しているのは以前ご紹介したdeuterの大きめの要領があるタイプです。
 
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(細かい振動でネジ類が緩むこともあるので、六角レンチは持ってゆきましょう)

○走り方
これは上記のヘルメットをどうするかという部分でも触れましたが、おススメは「ゆるゆると下る」です。
だって、自転車走行そのものはそれほど重きをおかなくてよいのですから。
私も最初は富士山五合目からのスバルラインダウンヒルなど、スキーのようにかなりスピードを出して下っておりましたが、やはり危ないと思います。
自転車はオートバイと違って同じような速度に対する制動装置が、簡易すぎると思います。
それに、冬場に閉鎖される山岳道路の場合、季節によって気温差が激しいため、舗装面も街中に比べて荒く、クラックや穴などがあいている可能性もあります。
ディスクブレーキなど、ダウンヒル専用の装備のある自転車ならばともかく、ブロンプトンのような街乗りおりたたみ自転車でスピードを出すのは、そこが地元で走り慣れている道でもなければやめておいた方が無難です。
 
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(冬に滑ったことのあるゲレンデに夏ゆくと、妙な気分になります)

ところどころにある、脇道へ入ってゆくのも楽しいものです。
メインの国道からは見えない景色がありますし、夏場のゲレンデにはアザミやニッコウキスゲの群落があったりします。
今は規制がかかっていて無理ですが、このコース上には白根火山のお釜見学というミニトレッキングもありましたし、長野県側には源泉や沼があります。
街中で路地裏探訪を行うのも楽しいですが、自転車を停めて湖沼や湿原まわりを散策すると、山上の小さな楽園を眺めているようで、気持ちが落ち着きます。
次回は長野県側よりのぼるところからはじめたいと思います。
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(標高2000メートル以上の地点において、気温21度で残雪があるというのは、暑いのだか寒いのだか…)




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