Quantcast
Channel: 旅はブロンプトンをつれて
Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

小径の折りたたみって本当に悪い自転車なのでしょうか?

$
0
0
イメージ 1

今日は自転車としての「割高で性能が低い」と評価を受けるおりたたみの小径(タイヤサイズの小さな)自転車について考えてみたいと思います。

自転車というカテゴリーの中で、競技に使うようなロードバイクと比べれば、性能が悪いというか劣っているということは、間違いないと思います。

そして、ブロンプトンほどの折り畳み自転車を購入するとなれば、それこそ立派なクロスバイクや、入門編としては十分なロードバイクが同じ値段で買えます。

私も長年スキーをやっていて、同じような感想を持ったことがあります。

 
イメージ 2

昔のスキーって技術が無いと本当に曲がらないし止まらなかったのですよ。

だから初心者ほど自分の身長に近い短いスキーを履き、上手くなってゆくにつれてだんだんと身長プラスアルファの長い板を履いたのです。

長さだけではなく、上級者用に近づくにしたがって板もどんどん硬くなるのでした。

長くて硬い板に乗ったら、その分スピードに対する安定感は増しますが、技術が無いと板をたわませることができず、よって操作がしにくくなるのです。

競技用のスキーなんて、無駄を極限まで省くためにもの凄く硬かったものです。

その中でも、ダウンヒル用、大回転用、回転用があって、中でも一番サイドカーブ(側面の曲線)がついていて比較的軟らかい回転用の板を選び、その代わりに長さを2m近くにして安定感をとるなんてことを、自分は上級者になってからやっていました。

「オマエその板でK点越えでも目指す気かよ」と身長に比べてえらく長い板を肩に抱えた私は、同行の友達から笑われていました。

 
イメージ 3

そんな普段から競技用の板に乗っている自分から見たら、激安店で投げ売りされていたり、レンタルスキーとして使われていたりしている一般向けの板なんて、ふにゃふにゃで腰が無く、とてもスキーとは呼べない代物に感じました。

買ってもその板にとって過酷な使い方をするから、すぐダメになってしまうのです。

あるとき仕事に行った外国で仕方なくレンタルスキーを借りたら、踏んでも手ごたえが全く感じられず、エッジは無いに等しく、まるで二つに割った竹を履いてスキーをしている気分になりました。

ヨーロッパくんだりまできて、これじゃぁスキーはしないほうが良かったとさえ感じました。

 
イメージ 4

だから、のちにファンスキーとよばれる、とても板とは呼べないような短いスキーが出てきたとき、「あんなのはスキーじゃない」と思ったものでした。

そうこうしているうちに、スノボがでてきてスキー場の様相は変わります。

昔みたいにコブばかりのスキー場斜面がなくなってゆきました。

そのときもスノーボードが社会的に認知されるまで、結構なバッシングを受けていたように記憶しています。

 
イメージ 5

そうこうするうちに、スキーの板にも素材や形状に技術革新が起きて、もはや身長程度のスキーを選べば誰でも簡単に曲がって止まれるようになりました。

いわゆるカービングスキーの登場です。

最初に乗った時の感想は、ちょっと挙動をしただけで板の方からグイっと曲がってゆく、まるで車のBMWみたいな板だと思いました。

加えて、短いくせに安定感があるとも感じました。

 
イメージ 6

しかし、その時こうも思ったのです。

長いこと練習しないと乗りこなせないスキーは、自分にとっては誇りであったけれど、ある意味それは上級者の独りよがりだったと。

今こうして誰もが簡単に楽しめるようになった方が、間口が広がって結構なことだと考えなおしたのです。

もちろん、バックカントリー(スキー場の外)の不整斜面や、コブ斜面を滑るには相応の技術が必要ですし、タイムを競う競技となれば、板を選んだうえで練習も必要です。

でも、スキー場にいる他のほとんどの人と同じく、自分のように雪なし県に住んで年に一二度程度でスキーを楽しむ身からすれば、スキーが滑りやすくなって間口が広がった方が、皆が楽しめてよいと思います。

カービングスキーなら、昔のように脚力や上半身の力でもってスキーを抑え込むこともほどほどで済みそうですし、これから年をとってゆく自分にも優しいと思ったのです。

 
イメージ 7

自転車も同じです。

私も高校生までは26インチのランドナーに乗っていましたし、700Cの大径折りたたみクロスバイクも持っています。

サイクルモードでフルサイズのカーボン製ロードバイクに試乗して、自転車の進化ぶりには驚きましたけれど、進化というものは単に専門的に軽くて剛性のある素材が出たから、以前より早いスピードで走れるという部分だけではなく、自転車に対する様々な分野にあらわれるものではないでしょうか。

たとえば、以前の折りたたみ機構では実現できなかった強度が、はるかに軽くて簡便な機構で実現できるようになったとか、以前では確実にパンクしたであろう状況にも耐久性のあるゴム素材が出てきたとか。

 
イメージ 8

ところが、どのスポーツでもそうですが競技をやっている人にとっては、とにかく極めることが命題ですから、そういったスポーツ全体のすそ野を広げるような技術革新には無頓着で、とにかく競技会で勝てるような技術や道具ばかりを追い求めるのです。

いわゆる競技馬鹿というやつです。

どのスポーツギアも、競技モデルが技術的な最高峰に位置していることは分ります。

けれども、その辺の遊園地のプールで上手に泳いでいる人を捕まえてきて、レーザーレーサーを着せて競泳プールに放り込んだら、普通に泳げる人でも確実に溺れるのと同じように、競技者に必要な道具と一般のスポーツ愛好家が求める道具は方向性も技術的な幅も違うということを、そのスポーツに打ち込んでいる人ほど忘れてしまいがちです。

私はその点、自転車競技に興味がなくてよかったと思っています。

 
イメージ 9

小径車に普段自転車競技をしている人が乗ってどんなに頑張っても、ロードバイクに乗ったペースメーカーの人を抜けないことは、チャンピオンシップに出て分りました。

けれども、ブロンプトンがクロスバイクやママチャリと比べて性能が悪いかと問われれば、普段どちらにも乗ってきた自分からしてみるとそんなことはないと実感しています。

むしろ、おりたたみ機能を収容や移動にフルに使い倒して、この便利な機能をのせたうえで、これだけ自転車としての性能を持っているということは、すごいことだと思います。

私はこれからも、様々な交通機関と自転車を組み合わせた旅の楽しさを発信してゆきたいと思います。

イメージ 10


Viewing all articles
Browse latest Browse all 932

Trending Articles