東海道本線にのって東京方面から横浜駅へ到着する直前、東神奈川の駅を通過して左から京浜急行の線路が寄り添うように並行してゆくあたりに、滝ノ川という小さな川を渡ります。
その付近、JRと京浜急行の間にあるお寺が、浦島伝説のある浄土宗慶運寺(35.475189, 139.631434)です。
この付近の浦島伝説は、全国にあるその手の話の中でもかなり有名です。
ここには、浦島太郎が持ち帰ったといわれのある観音像があるのです。
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伝説によれば亀を助けて竜宮城へ行き、戻って玉手箱を開けたのが丹後の国でのこと。
そしてお爺さんになって自分の家族の墓があるのは武蔵野国白幡であるときき、この地まで旅をしてからお墓をようやく見つけて移り住んだというのが、いまの神奈川区白幡台あたりということです。
つまり、浦島太郎が玉手箱を開けてお爺さんになった後のお話ですね。
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ところで、浦島太郎の話って不条理だと思いませんか。
なぜ助けた亀のお礼を受けると、一時の快楽と引き換えに時間を飛び越して老化してしまうという罰を受けるのでしょう。
彼が玉手箱さえ開けなければ、ハッピーエンドだったとも思えませんし。
古事記やその他国造り伝説の中に類似の話があるということですから、この話は非常に古い歴史を持っているのでしょう。
しかし一方で、アインシュタインの相対性理論に関連して、浦島太郎は宇宙旅行者だなんて話もあります。
(宇宙旅行とタイムトラベルに相関関係があるなんて、夢のある話ですよね)
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私は亀のお礼には「お気持ちだけで結構です」とやんわり断っておけばよかったのではないかなと思います。
いじめられている者を助けるのは人として当然じゃないですか。
それなのに竜宮城で乙姫の歓待を何日も受けるって、けっこうバランス悪いですよね。
それに、竜宮城に行くときや滞在している三年もの間、一度も家族や兄弟のことを思い出したりしなかったのだろうかなどと想像してしまうのですよ。
もうひとつ、若い頃の甘い思い出は蓋をして開けない方がよいのかもしれません。
それよりも、今を生きろと…。
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なお、慶運寺は幕末の頃、神奈川宿に近かったことからフランス領事館でした。