こちらのシリーズすっかりご無沙汰してしまいました。
せっかく草津温泉のすぐ上までおりてきて、ロープウェイに乗ってのぼってしまい、温泉街に足を踏み入れないのももったいないので、一度は草津のバスターミナルまでブロンプトンで下りてみましょう。
白根火山ロープウィの山麓駅から、温泉街の最上部にあるビジターセンターまで、およそ5㎞の下り坂です。
斜度はゆるいもののヘアピンカーブが多く、また標高も下がってきて樹木なども多くなるので、見通しはききません。
じつはこの間、冬場はゲレンデになっている場所を道路がはしっていて、ビジターセンターはちょうどスキー場の基部にあるレストハウスにあたるのです。
草津の温泉街は、地形図を見るとわかるのですが、湯川に沿った谷間に大露天風呂で有名な西ノ河原や湯畑があり、川の両側の斜面に古い温泉街があつまっています。
これとは別に、北側に湯川と平行している谷沢側との間に、舌状の台地がのびていて、この台地上に比較的新しいホテルや別荘が建っています。
両方の川は山間を西から東へ流れているので、西側が一番高く、東へ行けばゆくほどに坂を下りてゆくという状態になります。
温泉街の周囲でブロンプトンにて行動できる範囲は、せいぜいのところ、南北で1.2㎞、東西で1.5㎞ほどの範囲でしかなく、湯川の両斜面にはかなりきつい坂があるので、走り回るというわけにはゆかないかもしれません。
ただ、町内には1回100円で利用できる巡回バスがありますので、このバスの範囲内で走っている限りは、何かアクシデントがあっても温泉街に戻ることができます。
ビジターセンター前を左折して草津温泉の新市街を通り抜けましょう。
軽井沢のような雰囲気のホテルやマンションが点在しています。
左に見えるナウリゾートホテルは、温泉街にある奈良屋旅館の経営です。
このホテルのテニスコートでは、国際女子テニス大会が開かれて、あのロシアの妖精も10代のなかばにここではじめて国際大会の優勝を手にしました。
道なりに進むと突き当たります。
左が大滝の湯、右が湯畑・西の河原通り方面になっているので、右折します。
坂を下りてゆくと、右側に草津ホテルの入口があります。
箱根の富士屋ホテル、日光の金谷ホテル、軽井沢の万平ホテルなどとならぶ老舗ホテルです。
ホテル入口の左側の道を谷奥へ入ってゆくと、つきあたりに西の河原公園があり、中に有名な大露天風呂があります。
大人600円でお湯につかれますが、湯船が大きくて池のようです。
ただ、ここは有名なので時間帯によっては観光客も大勢押しかけます。
実は草津の温泉街には共同浴場が20あり、うち19の施設は一部に時間制限はあるものの観光客に開放されています。
どこもシャワーなどありませんが、無料で「恋の病以外は万病に効く」といわれる草津の湯に入れますので、利用してみるのはいかがでしょう。
お勧めは、温泉街の中心部からやや離れた共同浴場です。
こんなときこそ、ブロンプトンの機動力を発揮すべきです。
その場合、タオルは持参してください。
ただ、最近観光客が施設内で飲食をしたり、備品を毀損したり持ち出したりする犯罪行為が増えているそうです。
そんな行為を平気でする人は、お風呂に入る資格以前の問題ですが、湯船に浸かる前に体を洗うとか、脱衣所は来た時よりもきれいに戻して帰るとか、マナーを守って利用したいものです。
なお、現代の立ち寄り湯を利用したい人は、ナウリゾートホテル近くの草津ビッグバスとか、中沢ビレッジのテルメテルメ、草津ハイランドホテルの草津温泉館などがありますので、そちらを利用しましょう。
だいたい800円から900円の利用料です。
せっかく草津に来たのだから、湯畑は見学してゆきましょう。
さすが温泉番付けで東の大関を張るだけのことはあります。
湯量が半端ではないです。
湯温も摂氏50℃から90℃とのことで、湯気がもうもうと立ち昇るさまはここならではです。
湯畑に面して熱の湯という施設があります。
こちらで30分ごとに湯もみショーをやっています。
湯畑の周囲が、昔からの草津の温泉街になります。
伊香保ほどではありませんが、ところどころ路地には階段があります。
また湯畑から草津バスターミナルにかけて、一か所だけその狭さゆえに自転車・歩行者通行禁止の短いトンネルがあるので注意してください。
志賀高原方面に戻るために、草津温泉駅へと向かいます。
ここは駅と名の付く通り切符売り場のあるバスターミナルです。
湯田中温泉駅でもそうでしたが、バスに乗るために事前に切符を買うという経験も、最近はなかなかできなくなりました。
昔は地方へ行くと車掌さんから買ったりしていたのですがね。
草津温泉の玄関口である長野原草津口駅はもちろん、軽井沢、白根火山、万座・鹿沢口駅方面、さらには東京への高速バスが発着し、同じ建物に草津の町役場が入っているという文字通り草津温泉の玄関口です。
志賀高原へ戻る場合は、バス利用は渋峠までになります。
白根火山までの切符を購入しましょう。
ここで、最初に湯田中駅で長電バスの志賀高原得トクきっぷを購入していたことで、余計な出費を省けます。
草津温泉から白根火山へ行くバスは、終点でだいたい長野電鉄バスの蓮池・湯田中駅行きに接続していますので、今日朝一番で下ってきた道を、バスで渋峠まで戻ります。
バスもあえぎあえぎのぼる山岳道路で、がんばればブロンプトンでのぼれないこともありませんが、その分下りに費やしたり、あちこちへ立ち寄ったりした方がブロンプトンらしい旅になります。
次回は渋峠から志賀高原のダウンヒルについてレポートしたいと思います。